高校受験で英検は有利になる?優遇の調べ方と漢検・数検の扱い

高校受験で英検は有利になる?優遇の調べ方と漢検・数検の扱い 高校受験

執筆・監修:宮本 彩香先生(英語指導/指導歴10年・中高英語/定期テスト・入試対策)
文法の丸暗記より「なぜそうなるか」で、英語を得点源に変える指導が得意。

中2の秋、進路説明会でもらったプリントに「英語検定等の資格」という一行を見つけて、その夜に検索し始めたお母さん・お父さんへ。中3の夏、面談で「英検、まだお持ちでないんですね」と言われて、帰りの車のなかで急に不安になった方へ。そして中1で、受験はまだ先だけれど「取れるうちに取らせておくべきなのか」を決めかねている方へ。

先に結論をお伝えします。高校受験で英検が有利にはたらくことは、あります。ただし「有利になるかどうか」も「どのくらい有利か」も、お住まいの都道府県と、志望する高校によって違います。

ですのでこの記事では、「◯級で◯点」という一覧表をお渡ししません。 代わりに、ご家庭で志望校の扱いを確認するための手順をお渡しします。

理由がふたつあります。ひとつ。英検の優遇を調べようとすると、多くのご家庭が最初に開くページがあります。そのページには、公立高校が1校も載っていません。 どのページのことかは、3つめの見出しでお伝えします。

ふたつめ。級を決めるより先に決めておかないと、努力が空振りするものがあります。

まず結論(一問一答)

Q. 高校受験で英検は有利になりますか?
A. 有利になることはあります。ただし、有利になるかどうかも、その中身も、都道府県と高校ごとに違います。 全国共通のルールはありません。

Q. どんなふうに有利になるのですか?
A. 大きく ①出願の要件になる ②選考の点数に加えられる ③当日の英語の点数として換算される ④当日の英語の試験が免除される の4つの型があります。どの型かで、必要な級も準備も変わります。

Q. どこを見れば分かりますか?
A. 公立はお住まいの都道府県教育委員会が公表する入学者選抜の実施要項、私立は各高校の募集要項です。この2つ以外に確実な情報源はありません。

Q. 英検の公式サイトで調べられませんか?
A. 英検公式の活用校検索はありますが、対象は大学・短大・専門学校・私立中高で、公立高校は載っていません。

Q. 漢検や数検はどうですか?
A. 同じです。 有無も中身も学校ごとに違うので、確認の手順も英検とまったく同じになります。

高校受験で英検が「有利になる」とはどういうことか——優遇の4つの型

英検・漢検・数検の優遇の4つの型

「有利になる」とひとことで言っても、中身は同じではありません。大きく4つに分かれます。

① 出願要件型
その資格がないと、そもそも出願できない・出願枠に入れない、というものです。募集要項では「出願資格」「応募資格」の項に検定名が書かれます。これがいちばん厳しい型で、持っていないと土俵に上がれません。

② 加点型
選考に使う点数に、資格の分が加えられます。「加点」「調査書点」「選考資料」といった項に記載されます。

③ 得点換算・みなし得点型
当日の英語の点数として扱われるものです。「みなし得点」「読み替え」「換算」という語が使われます。実際の答案より高く扱われることがあるため、影響が大きい型です。

④ 試験免除型
当日の英語の試験そのものを受けない、というものです。要項では「免除」と書かれます。

このほか、合否のボーダー上で参考にされる、という扱いをしている学校もあります(「総合的に判断」といった記述に含まれることがあります)。

この4つの言葉を覚えて帰ってください。 要項を読むときも、学校に質問するときも、この4語がそのまま使えます。「英検は有利ですか」と聞くと曖昧な答えしか返ってきませんが、「加点ですか、出願要件ですか、換算ですか、免除ですか」と聞けば、答えはひとつに決まります。

では、お子さんの志望校がこの4つのどれに当たるのか。これは、調べる場所を間違えると永久に分かりません。

調べる場所を間違えない——英検公式の活用校検索には、公立高校が載っていない

冒頭でお伝えした「多くのご家庭が最初に開くページ」とは、英検公式サイトの「入試活用校検索」です。

このデータベースで検索できる学校のカテゴリは、公式サイトの表記どおり 「大学」「短大」「専門学校」「私立中高」の4つです。公立高校は、この検索の対象に入っていません。 公式サイト自身も「※最新の情報は各校のウェブサイトや募集要項等でご確認ください」と注記しています。

つまり、公立高校の英検の扱いを全国まとめて確認できる公式のデータベースは、存在しません。

ネット上に出回っている「◯級で◯点」という一覧の多くは、この空白を各社が独自に埋めたものです。年度で変わりますし、あなたの県の話とは限りません。この記事が数字の一覧をお渡ししないのは、意地悪ではなく、お渡しできるだけの一次情報が存在しないからです。

ここで「うちの県は優遇がないかもしれない」と不安になった方へ。優遇の有無は県によって、また同じ県のなかでも学校によって違います。そして、なかったとしても打つ手はあります(後半で扱います)。

では、公立はどこを見ればいいのか。見る場所は3か所だけです。

公立・私立別、優遇の確認手順

公立・私立別の確認手順のフロー

【公立高校の場合】

  1. お住まいの都道府県教育委員会のサイトで、公立高等学校の入学者選抜の実施要項を探します。検索するときは「〇〇県 公立高等学校 入学者選抜 実施要項」の形が確実です。年度の表記を必ず確認してください(古い年度の要項が上位に出てくることがあります)
  2. その中の選抜方法・調査書の扱い・特別な選抜(推薦等)の項で、検定名または「資格」の語を探します
  3. 記載が見つからない、あるいは読み取れない場合は、志望校が公表している選抜基準を見ます。それでも不明なら、中学校の進路指導の先生か、高校の学校説明会で確認します

【私立高校の場合】

  1. 志望校の募集要項・入試要項を確認します(サイトの「入試情報」か、説明会で配られる資料に入っています)
  2. 出願資格・加点・優遇の項で検定名を探します。併願の場合の扱いが別項に書かれていることがあるので、そこも見てください
  3. 不明なら個別相談・入試相談で確認します

学校に聞くときの質問文

そのまま読める形にしておきます。

「英検について伺います。貴校の選抜では、加点・出願要件・得点への換算・試験の免除のうち、どの扱いになりますか。
対象になる級と、いつまでに取得したものが対象になるかを教えてください。」
提出する書類は何になりますか(合格証明書でしょうか、証書の写しでしょうか)。出願書類のどこに記入しますか。

出願前チェックリスト

  • 扱いの型が特定できた(①出願要件/②加点/③換算/④免除のどれか)
  • 対象になる級と、有効とされる取得時期の条件を確認した
  • 提出書類の名称と入手方法を確認した
  • 出願書類のどの欄に書くかを確認した
  • 中学校(担任・進路指導)にも共有した

そしてもうひとつ。人づてで判断しないでください。 「上の子のときはこうだった」「同じ塾の保護者がこう言っていた」は、年度が違えば変わりますし、志望校が違えば無関係です。要項に書かれていないことは、その学校では起きません。

手順は分かりました。ただ、手順より先に期限のほうが来てしまうご家庭があります。ここは制度の話ではなく、ご家庭の段取りの話なので、はっきり書きます。

「いつまでに取るか」は、検定日ではなく出願書類の提出時期から逆算する

起点は検定の日ではありません。起点は、志望校の出願書類の提出時期です。これは要項に書かれています。そこから、次の順にさかのぼってください。

  1. 出願書類の提出時期(要項に記載)
  2. 証明書類が手元に届くまでの期間(合格証明書などは、申請してから届くまでに日数がかかります)
  3. 合否が分かる時期
  4. 二次試験(面接)
  5. 一次試験
  6. 申込の締切

ここで多くのご家庭が見落とすのが、2の「証明できる状態になるまで」です。合格した時点がゴールではありません。「出願書類に添えられる状態」になって、はじめてゴールです。

そして、この逆算をすると、「次の回で取ればいい」がある時点から使えなくなることが分かります。中3のあいだに受けられる回数は限られていて、後ろの回ほど、結果が出てから出願までの余白が薄くなります。間に合わない回を目標に設定してしまうと、勉強した時間はそのまま残るのに、入試での扱いだけがゼロになります。

これは制度の問題ではありません。ご家庭のカレンダーの問題なので、今日、要項を1枚開けば回避できます。

ここまで読んで、「では何級を目指せばいいのか」と思われたはずです。その順番が、実は逆です。

何級を目指すかは、「級」から決めない

冒頭でお伝えした「級を決めるより先に決めておくもの」とは、志望校と、その要項に書かれた優遇の型です。

「一般的には◯級から」という情報をよく見かけますが、その一般論は、あなたの志望校の要項より弱い情報です。 要項に書かれた対象級が答えであり、それ以外に答えはありません。

決める順番はこうです。

  1. 志望校の要項で、対象になる級と扱いの型を確認する(前の章の手順)
  2. お子さんの現在地を確認する(学校の英語で、いまどこまで理解できているか)
  3. 出願書類の提出時期から逆算して、残っている回数を数える
  4. 受験勉強との時間配分を決める

要項に記載がなかったときに、それでも打てる手

前の章でお約束した「なかったとしても打つ手はある」の中身です。志望校の要項に検定の記載がなかった場合、選択肢は3つあります。

  1. 併願先を確認する。 公立に記載がなくても、併願する私立では扱いが違うことがよくあります。 併願校の募集要項をもう一度見てください。ここで①〜④のどれかに当たれば、取得の意味は残ります
  2. 英語そのものの得点力に振り替える。 検定の優遇がなくても、入試本番の英語の点数は全員に効きます。 英検の学習で身につく語彙・読解・リスニングは、そのまま入試の得点に乗ります。「優遇のため」から「本番の点のため」に目的を書き換えるだけで、やることはあまり変わりません
  3. 時間配分を戻す。 優遇がないと確認できたなら、級を追うのをやめて5教科に戻すのも、立派な判断です。これは後退ではなく、確認した結果として選んだ配分です

つまり、確認した結果が「記載なし」でも、取れる行動は必ず残ります。 困るのは、確認しないまま何となく続けてしまうことのほうです。

ただし逆に、正直にお伝えしておくべきこともあります。「英検を取れば内申が上がる」わけではありませんし、受験勉強の時間を削って級を追うと、5教科の総合点を落とすことがあります。 ここは天秤にかけてください。

英語そのものの進め方はこの記事の範囲を超えるので、中学英語の勉強法と、中3の9月から始める高校受験英語の総復習計画にまとめています。

——ここまで英検の話をしてきましたが、ご家庭からいただくご質問で次に多いのは、実は別の検定のことです。

英検以外の検定はどうか——漢検・数検で、保護者が必ず聞かれること

結論から言うと、漢検も数検も、英検とまったく同じです。 優遇の有無も中身も学校・都道府県ごとに違いますし、確認の手順も同じです(前の章の3ステップがそのまま使えます)。

英検との違いを1つだけ挙げるとすれば、英語は入試の教科なので、③得点換算や④試験免除といった型と結びつけて説明されやすいという点です。一方で漢検・数検は、学校による扱いの差がさらに大きくなりやすいため、「よその学校がこうだから」がいっそう通用しません。

ご家庭からのご相談で、英検と同じくらい多いのが「漢検は意味がありますか」というご質問です。同じことを気にされているご家庭は、たくさんあります。

もうひとつ、よく聞かれるのが「複数取れば有利になるか」です。数を並べるより、要項で扱いが確認できたものに絞るほうが、時間の使い方として無理がありません。 確認できていない検定に時間を割くのは、逆算の観点からおすすめしません。

取っても残るもの、戻らないものも書いておきます。漢字・語彙の力や、計算・単元の理解は、入試の得点に直結します。一方で、受験勉強から差し引いた時間は戻りません。

最後に、検定と内申点の関係を整理します。ここを混同すると、努力の向け先を丸ごと間違えます。

検定は内申点とは別枠——混同しないための整理

通知表の評定(内申点)は、授業・提出物・定期テストなどで決まります。検定は、その評定を直接動かすものではありません。調査書の資格の欄などに記載される、評定とは別の材料です。

つまり、「英検を取ったから内申が上がる」ではなく、「内申とは別に、書ける材料が1つ増える」が正確な理解です。この2つを混同すると、内申を上げるべき時期に検定対策に時間を使ってしまう、ということが起きます。

推薦入試そのものの判断基準は、高校受験の推薦入試は受けさせるべき?で扱っています。

よくある質問

Q. 英検を持っていれば内申点は上がりますか?
上がりません。内申点は授業・提出物・定期テストなどで決まるもので、検定はそれとは別枠の材料です。

Q. 3級では意味がないと聞きました。
「意味がない」とは言い切れません。対象になる級は学校ごとに違うため、志望校の要項でしか判断できません。 一般論より要項が優先です。

Q. 中1・中2で取ったものも入試で使えますか?
使える場合と、取得時期に条件がある場合があります。要項に「いつまでに取得したもの」という条件が書かれていることがあるので、そこを確認してください。

Q. 受け方(本会場・準会場・コンピュータを使う方式)で扱いは変わりますか?
変わることがあります。要項で対象となる受験の形式が指定されている場合があるため、必ず確認してください。

Q. 提出する書類は何ですか?
学校によって、合格証明書・証書の写しなど指定が異なります。申請から手元に届くまで日数がかかるので、逆算に含めてください。

Q. 受験勉強と英検対策、どちらを優先すべきですか?
志望校の要項で扱いが確認できているかどうかで変わります。確認できていない段階で受験勉強を削るのは避けてください。

まとめ

この記事でお渡ししたのは、4つの型と、確認する場所と、逆算の順番の3つです。数字の一覧ではありません。ですが、この3つがあれば、お子さんの志望校について、ご家庭で正確な答えにたどり着けます。

今日できることは1つだけです。志望校の要項を1枚開いて、「加点」「出願資格」「換算」「免除」の4語を探してみてください。

要項は確認できた。でも、うちの子に今から間に合うのかが分からない——そこから先は、お子さんの現在地を見ないと答えが出ません。全国家庭教師協会では、いまお子さんの英語がどこでつまずいているかを、無料の体験授業のなかで確かめていただけます。

【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。

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