執筆・監修:佐伯 悠介先生(学習コーチ/指導歴8年)
勉強の前に「机に向かえる仕組み」から。つまずいた子の伴走が専門。
部活から帰って夕食を済ませた夜9時。机に向かう前に「ほかの高校生は、毎日どれくらい勉強しているんだろう」とスマホで調べた——そんな高1・高2・高3の人に向けて書いています。
先に、国の調査の答えです。2001年に生まれた同じ子どもたちを毎年追っている文部科学省の調査(高1〜高3相当の回は2017〜2019年)では、平日に2時間以上勉強する人は、高1相当16.0%、高2相当19.9%、高3相当39.5%と、学年ごとに増えていました。一方で、家や塾での勉強を「しない」人も、どの学年にも4人に1人以上いました(2時間以上の合計は当協会の計算)。
ただし、この数字をそのまま自分の目標にすると、ずれることがあります。どこがずれるのかは表のすぐあとで、自分に必要な時間の決め方は後半の「何に使うか」の章で書きます。よく見かける「学年+2時間」という目安を、この記事の基準にしない理由も途中で。
まず結論(一問一答)
Q. 高校生は、平日にどれくらい勉強していますか?
A. 平日に2時間以上勉強する人は、高1相当16.0%、高2相当19.9%、高3相当39.5%と学年ごとに増えます。一方で、家や塾での勉強を「しない」人も、どの学年にも4人に1人以上います。 文部科学省「21世紀出生児縦断調査」で、2001年に生まれた同じ子どもたちを追った2017〜2019年の結果です(2時間以上の合計は当協会の計算)。
Q. 高校生の平均勉強時間は、何時間ですか?
A. この調査は時間の区分ごとの割合で発表されていて、平均値(何時間何分)は出ていません。 真ん中の人がいる区分は、平日なら高1相当・高2相当で「1時間未満」、高3相当で「1時間〜2時間未満」です(同じ調査・2017〜2019年・2001年生まれ。当協会の計算)。
Q. 学年別の勉強時間の目安はありますか?
A. 国が示した目安は、当協会が探した範囲では見当たりませんでした。 よく見かける「学年+2時間」などの目安も、国の調査や研究の数字まではたどれませんでした。当協会は、時間数ではなく「その週にやると決めたことが終わったか」で足りているかを見る、という考えです。
Q. 偏差値65や70を目指すなら、1日何時間勉強すればいいですか?
A. 偏差値と勉強時間を結びつけた公的なデータは、当協会が探した範囲では見当たりませんでした。 この記事では、偏差値ごとの時間は書きません。志望校の受験科目と、いまやり切れていないことから時間を決める方法を、後半で紹介します。
Q. 塾にいる時間も、勉強時間に入りますか?
A. この調査では入っています。 質問は、授業の予習・復習や受験勉強を「家や塾などで」どのくらいしているか、でした。自分の時間と比べるときは、塾の時間を入れるかどうかをそろえてください。
1つ目の答えの数字を学年ごとに並べると、もう少しはっきりした形が見えてきます。
国の調査で見る高1・高2・高3の勉強時間——平日と休日
使うのは、文部科学省の「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)」です。2001年の1月と7月の決まった期間に生まれた同じ子どもたちに、毎年答えてもらっている調査で、高1相当の回は2017年、高2相当は2018年、高3相当は2019年に行われました。質問は「あなたはふだん、授業の予習・復習や受験勉強を家や塾などでどのくらいしていますか。」(第18回の集計表の表記)で、平日と休日に分けて答えます。集計しているのは、学校に在学している人の答えです。
| 平日の勉強時間 | 高1相当(2017年) | 高2相当(2018年) | 高3相当(2019年) |
|---|---|---|---|
| しない | 25.4% | 29.5% | 28.4% |
| 1時間未満 | 29.3% | 23.0% | 15.0% |
| 1時間〜2時間未満 | 27.7% | 25.5% | 14.8% |
| 2時間〜3時間未満 | 11.9% | 13.7% | 12.0% |
| 3時間〜4時間未満 | 3.2% | 4.5% | 9.6% |
| 4時間〜5時間未満 | 0.6% | 1.2% | 6.9% |
| 5時間〜6時間未満 | 0.2% | 0.3% | 4.0% |
| 6時間以上 | 0.1% | 0.2% | 7.0% |
| 無回答 | 1.6% | 2.2% | 2.2% |
| 2時間以上の合計 | 16.0% | 19.9% | 39.5% |
出典:文部科学省「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)」第16回〜第18回(在学者の回答)。「2時間以上の合計」は当協会の計算。
平日に2時間以上勉強する人は、高1相当16.0%、高2相当19.9%、高3相当39.5%と、毎年増えています。一方で、勉強を「しない」人は、高1相当の25.4%から高2相当で29.5%に増え、高3相当でも28.4%いました。長く勉強する人が増えていく一方で、しない人も4人に1人以上のまま、という形です。
休日も同じ形です。高3相当の休日では、3時間以上勉強した人が36.4%、「しない」人が30.3%で、どちらもこの調査のこれまでの回でいちばん高い割合になりました。文部科学省は、この結果について「二極化の傾向が見られる」と書いています。

つまり、「高校生は平日に何時間」と1つの数字では言えません。同じ学年の中に、2時間以上勉強する人も、しない人もいます。
ただ、この表を自分の目標にする前に、知っておいてほしいことがあります。
この数字から言えないこと——平均値・いまの高校生・答えた時期
表を読むときは、次の点に気をつけてください。
- 平均値は出ていません。 発表は区分ごとの割合だけです。この記事で「真ん中」と書くのは、少ない順に並べたときに真ん中の人がいる区分のことです(当協会の計算)。
- いまの高校生の数字ではありません。 2017〜2019年の調査で、答えたのは2001年生まれの人たちです。
- 「ふだん」の時間です。 定期テスト前の時間を聞いたものではありません。
- 塾の時間が入っています。 学校の授業の時間は入っていません。
- 答えた時期が、生まれ月で半年ずれています。 高3相当の回では、1月生まれの人は2019年の1〜2月、7月生まれの人は7〜8月に答えました。1月生まれの人は、高3の1〜2月、大学入試の時期に答えたことになります(調査の時期から当協会が読み取ったもの)。
- 志望校や偏差値ごとの数字ではありません。
中学生については、別の全国調査(全国学力・学習状況調査)の数字を中学生の平均勉強時間(データで見る実態)にまとめています(中学生向けの記事です)。質問の区切り方が違うので、この記事の表と並べて比べないでください。同じ調査の中3相当のときの数字は、最後のよくある質問で紹介します。
では、よく見かける「学年+2時間」のような目安は、どこから来たのでしょうか。
「学年+2時間」はどこから来た目安か
高校生の勉強時間を検索すると、「学年+2時間」や「高1は平日1.5〜2時間」といった目安がよく出てきます。当協会が確かめた範囲では、こうした目安を、国の調査や研究の数字までたどることはできませんでした。
目安そのものを否定するわけではありません。ただ、出どころを確かめられない数字なので、この記事の基準にはしません。
もう1つ、目安と実態は別のものです。上の調査では、高1相当(2017年・2001年生まれ)の平日に2時間以上勉強していた人は16.0%でした(当協会の計算)。目安を「みんながこれくらいやっている時間」と読むと、実態とずれることがあります。
目安を基準にしないなら、自分に必要な時間は何で決めればいいのか。ここからが本題です。
必要な時間は「何に使うか」から決める——定期テスト・評定・受験
必要な時間は、人と比べて決めるものではなく、やることの量から出すもの——これが当協会の考えです。手順は3つです。
1. 週の初めに、使い道ごとに「今週やること」を書く。
勉強の使い道を、次の5つに分けます。
- ①授業の予習・復習(学校の宿題・課題を含む)
- ②定期テストの準備(テスト範囲のワーク・プリントなど)
- ③受験に向けた勉強(模試の復習を含む)
- ④塾や家庭教師の授業
- ⑤その他(英検などの資格の勉強)
書く量は、①なら授業のあった日の分、②ならテスト範囲を残りの週に分けた分、③なら志望校の受験科目に向けて、塾や学校、自分で決めた計画の分です。塾の宿題や自習室での勉強は、中身に合わせて①〜③のどれかに入れます。学校の授業や補習の時間は書きません。
2. 1週間、使った時間を使い道ごとに書く。
図解②の表に、毎日、分で書きます。
3. 週の終わりに、やり切れなかった分だけ来週に足す。
足す時間は、残った量×1つにかかった時間で見積もります。たとえば数学のワークが6ページ残り、1ページに15分かかっていたなら、来週は90分を足します。足すのは、やり切れなかった使い道だけです。全部の使い道を一律に増やしません。④は記録するだけで、やり切れたかどうかは、塾の宿題を入れた①〜③の欄で見ます。

やり切れなかったことが1つも無い週は、いまの時間で足りています。反対に、やり切れているのに定期テストで同じところを落とすなら、時間ではなく中身の問題です(よくある質問で触れます)。
足す時間を置ける日が無いときは、時間より先に、やることの量を見直します。どの曜日に置くかは、高校生の勉強法(1週間の回し方——「置く日」を決める)の考え方と同じ向きです。
5つの使い道のうち、どれが中心になるかは学年で変わります。
学年で変わる時間の使い道——高1・高2・高3
高1・高2:中心は①授業の予習・復習と②定期テストの準備
高校の評定は、定期テストの点だけでなく、提出物なども含めて付けられるのが一般的です。大学入試には、評定の平均が出願の条件になる方式もあります。高1・高2のうちは、①と②をやり切れているかを先に見てください。受験科目の見当がついてきたら、③を少しずつ加えます。
高3:受験の方式で、中心になる使い道が変わる
学力試験を中心にした一般選抜を目指すなら、③が中心になります。学校推薦型選抜や総合型選抜を考えるなら、出願までの定期テスト(②)と、書類や面接の準備(表では③に書きます)が続きます。方式ごとに、いつから何を始めるかは大学受験の勉強はいつから(方式で変わる開始時期)にまとめています。
国の調査でも、高3相当(2019年・2001年生まれ)の休日に6時間以上勉強した人は、大学に進むことを考えている人では26.7%でした。高2相当(2018年)の、大学に進むことを考えている人では2.4%です。一方で、ほかの進路を考えている人では「しない」人が増えていて、文部科学省は「進学希望別により状況が大きく異なる」と書いています。同じ高3でも、どの進路を考えているかで、時間の形が大きく違うということです。
授業そのものについていけないと感じるときは、時間を足す前に、どこで止まっているかを確かめます。高校の勉強についていけない(学年別の原因)に、学年ごとの原因と確かめ方があります。
「定期テストの準備」の欄が、毎週やり切れないなら
その1週間の表を、おうちの人に見せてみてください。そのうえで、通っている高校の教科書に沿って指導する、家庭教師の「定期テスト対策」の中身を一緒に見てみてください。
▶ 高校生コースの「定期テスト対策」を見る
よくある質問(FAQ)
部活がある日は、どれくらい勉強すればいいですか?
時間を決めるより先に、その日に置く使い道を1つ決めます。授業のある日は①授業の予習・復習を短くても置き、②の定期テストの準備や③の受験の勉強は、部活の無い日や週末に回す、という考え方です。上で紹介した勉強法の記事の「置く日」と同じ向きです。
休日は、みんな何時間くらい勉強していますか?
休日も、長く勉強する人と、しない人に分かれています。休日に2時間以上勉強した人は高1相当27.0%、高2相当31.3%、高3相当44.6%で、「しない」人も26.3%、29.9%、30.3%と増えていました(2017〜2019年・2001年生まれ。2時間以上は人数から当協会が計算)。真ん中の人がいる区分は、高2相当・高3相当で「1時間〜2時間未満」、高1相当は「1時間未満」と「1時間〜2時間未満」のほぼ境目です(無回答を除いた当協会の計算)。
勉強時間を増やしているのに、成績が上がりません。
時間の合計ではなく、使い道の内訳を見てください。合計が増えても、増えたのが④塾や家庭教師の授業だけで、①授業の予習・復習が0分のままなら、授業で分からないところは残りやすくなります。授業そのものが分からないなら、時間を足す前に、どこで止まっているかを確かめるほうが先です。確かめ方は、上で紹介した「ついていけない」の記事にあります。
スマホを長く使っていると、勉強しなくなりますか?
同じ調査の高2相当(2018年・2001年生まれ)では、休日にスマートフォン等(タブレット・パソコンを含む)を使う時間が1時間未満の人のうち、休日に勉強を「しない」人は14.8%、6時間以上使う人では55.3%でした(文部科学省の発表)。ただ、この数字は2つの答えを並べたもので、スマホが原因で勉強しなくなるかどうかまでは分かりません。気になるなら、使う時間を減らす前に、図解②の表で、どの使い道がやり切れていないかを見てください。
高校に入って、中学のときより勉強時間が減りました。大丈夫ですか?
減った人は少なくありません。同じ調査で、平日に勉強を「しない」人は、中3相当(2016年)の6.0%から、高1相当(2017年)では25.4%になっていました(2001年生まれの同じ子どもたち)。比べる相手は中3の自分ではなく、いまの定期テストの範囲です。①と②をやり切れているなら、時間が減ったことだけで心配しなくてかまいません。
家庭教師の利用についての疑問は、よくある質問にまとめています。
まとめ|平均の数字より、1週間の使い道を見る
- 国の調査(2017〜2019年・2001年生まれ)では、平日に2時間以上勉強する人は高1相当16.0%→高2相当19.9%→高3相当39.5%と増え、「しない」人もどの学年にも4人に1人以上いる
- 平均値は出ていない。真ん中は、平日なら高1相当・高2相当で「1時間未満」、高3相当で「1時間〜2時間未満」
- 「学年+2時間」などの目安は、出どころを確かめられない。この記事の基準にはしない
- 必要な時間は、使い道ごとに「今週やること」を書き、やり切れなかった分だけ足して決める
- 中心になる使い道は学年で変わる。高3は受験の方式で違う
今日やることは1つです。今夜、図解②の表に、今週やることを使い道ごとに書いてみてください。
保護者の方へ——時間の長さを比べず、1週間の中身を一緒に見る
ここからは、保護者の方に向けて書きます。
この記事でお子さんに勧めたのは、国の調査の数字をそのまま自分の目標にしないこと、そして1週間の勉強時間を5つの使い道に分けて書き、やり切れなかった使い道の分だけ時間を足すことです。調査には平均値が無く、同じ学年の中に、長く勉強する人も、しない人もいました。表を書くのも、足す時間を決めるのも、お子さんです。
していただきたいことは、1つです。1週間たったら、お子さんに表を見せてもらい、「やり切れなかったこと」の欄を1つだけ一緒に見てください。見るのは合計の時間ではなく、どの使い道が残ったかです。
反対に、控えていただきたいことも1つあります。勉強時間の長さで比べることです。「◯◯さんの家は毎日3時間だって」「ネットには高1で2時間とあった」といった比べ方は、この記事がお子さんに勧めた見方と逆になります。
高校生の保護者が関われる範囲の全体は、高校生の保護者が関われる3つの窓口(情報・お金・学校)にまとめています。
表のうち「定期テストの準備」の欄が毎週やり切れないときの相談先として、家庭教師という方法もあります。全国家庭教師協会の高校生コースには、お子さんの高校で使っている教科書に沿って指導する「定期テスト対策」があります。
1週間の使い道の表を手に、無料体験で相談してみませんか
お子さんの表で、どの使い道がやり切れていないかが見えたら、それが相談の出発点です。高校生コースの定期テスト対策では、お子さんの高校で使っている教科書に沿って、よく出るポイントや弱いところを指導します。
まずは無料体験で、いまの学習の様子をご相談ください。入力は30秒、費用はかかりません。
話を聞いてみようと思われたときに
相談だけのご利用も歓迎です。
【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。



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