高校受験の自己PR|面接で30秒・1分で話す組み立てと、言い終わり方(例文つき)

高校受験の自己PR|面接で30秒・1分で話す組み立てと、言い終わり方(例文つき) 高校受験

執筆・監修:小川 真理子先生(受験アドバイザー/指導歴15年)
「何から手をつければいいか」を、現実的な学習計画に翻訳するのが役目。

面接の練習で「では、1分で自己PRをしてください」と言われた。話しはじめて20秒で、言うことがなくなった。あるいは、書いておいた自己PRを読んだら、1分を過ぎても終わらなかった——そんな中3の人に向けて書いています。

先に答えを書きます。長さを決めて話す自己PRは、強みを1つ、それが本当だと分かる出来事を1つ、そして高校でどうするかを1文で話します。

そして、30秒でも1分でも、最初の1文と最後の1文は同じです。変えるのは真ん中だけです。どこを足し、どこから削るかは、30秒版と1分版の例文を並べて見せます。

もう1つ、本番の途中で頭が真っ白になったときの抜け方も書きます。最初から言い直す方法ではありません。

まず結論(一問一答)

Q. 面接の自己PRでは、何を話せばいいですか?
A. 自分の強みを1つと、それが本当だと分かる出来事を1つです。 最後に、高校でどうするかを1文で言います。

Q. 30秒と1分では、何が違うのですか?
A. 話す強みと出来事は同じです。 1分のときは、出来事のきっかけと、その後どう変わったかの2つを足します。最初の1文と最後の1文は変えません。

Q. 部活や委員会の実績がなくても、自己PRはできますか?
A. できます。 続けてきた行動の事実が1つあれば話せます。話す材料の集め方は、志願理由書の書き方をまとめた保護者向けの記事にあり、この記事の後半で紹介します。

Q. 「長所を教えてください」と聞かれるのと、何が違うのですか?
A. 自分から、決められた長さで、ひとまとまりに話す点が違います。 長所と短所の質問への答え方は、高校入試の面接で「長所と短所」を聞かれたら(答え方と例文)にまとめています。

Q. 志願理由書や自己PRカードに書いた内容と、同じでいいですか?
A. 同じ強みと同じ出来事で話してください。 変えるのは言葉だけです。書いた文を声に出して読み、言いにくいところを、ふだんの言い方に直します。

——では、そもそも面接官は、自己PRで何を聞こうとしているのでしょうか。

「自己PRをしてください」と言われたら——面接で聞かれていること

「自己PRをしてください」は、何を話すかも、どこで終えるかも、自分で決めなければならない質問です。

面接全体で何が見られているか、ほかにどんな質問があるかは、高校受験の面接で聞かれること【質問集20】にまとめています。この記事では、その中の自己PRだけを扱います。

自己PRで面接官に伝えたいのは、2つです。どんな強みがあるか。そして、それが本当だと分かる出来事です。立派な実績がなくても、出来事が具体的なら、強みは伝わります。

長さは、「30秒で」「1分で」のように指定されることがあります。指定がないこともあり、前もって分かるとは限りません。だからこの記事では、30秒版と1分版の両方を用意します。

——では、30秒と1分で、何を残して何を削るのか。まず、どちらにも共通する骨組みから作ります。

30秒・1分の組み立て——話すことを1つに絞る

骨組みは、面接の質問集の記事で紹介した「結論→具体→つなぎ」の3文です。自己PRに当てはめると、次のようになります。

3文構成 自己PRで言うこと 30秒版 1分版
結論 自分の強み(1つ) ①強み ①強み
具体 それが本当だと分かる出来事(1つ) ②出来事 ②きっかけ/③出来事/④その後の変化
つなぎ 高校でどうするか ③高校で ⑤高校で

この記事が足すのは、長さに合わせて、どこを残してどこを削るかです。決まりは2つだけです。

  1. 最初の1文(強み)と最後の1文(高校で)は、長さが変わっても同じにします。
  2. 伸び縮みさせるのは、真ん中の出来事だけです。 1分のときは、出来事の「きっかけ」と「その後どう変わったか」を足します。

30秒版は3文、1分版は5文になります。文の数は、この記事での目安です。

強みの候補が2つ以上あるときは、出来事を具体的に言えるほうを選びます。言い方は、「明るい」「真面目」のような性格の言葉で終えず、「◯◯できる」と行動の形にします。

——骨組みができたら、実際の文で見てみます。同じ強みを30秒と1分の2通りで話すと、こうなります。

30秒版と1分版——同じ材料を伸ばす・縮める

以下は、説明のために当協会が作った例です。実在の生徒が話したものではありません。

30秒版(3文)

①私の強みは、分からないことを、その日のうちに聞きに行けることです。
②中学2年の秋から、授業で分からなかった問題に印を付け、その日の放課後に先生に聞きに行くことを続けています。
③高校でもこの習慣を続けて、授業が速く進んでも、分からないところを残さずに学びたいと考えています。

1分版(5文)

①私の強みは、分からないことを、その日のうちに聞きに行けることです。
②きっかけは、数学の定期テストで点が下がったときに、分からなかった問題を授業のあともそのままにしていたと気づいたことです。
③中学2年の秋から、授業で分からなかった問題に印を付け、その日の放課後に先生に聞きに行くことを続けています。
④続けるうちに、聞きに行く問題は少しずつ減り、3年生になってからは友達に解き方を聞かれて説明する側に回ることも増えました。
⑤高校でもこの習慣を続けて、授業が速く進んでも、分からないところを残さずに学びたいと考えています。

30秒版の3文は、1分版の①・③・⑤と一字一句同じです。1分版は、②のきっかけと④のその後の変化を足しただけで、長さは30秒版のおよそ2倍になっています。リードで「変えるのは真ん中だけ」と書いたのは、このことです。

読む速さで秒数は変わるので、この例も、次の章のやり方で自分の声で測ってみてください。

この例をそのまま覚えて話すと、「それは、どんな問題でしたか」と聞かれた瞬間に答えられなくなります。 強みと出来事は、必ず自分のものに入れ替えてください。借りるのは、文の順番と、最初と最後の1文を変えない決まりだけです。

高校受験の面接で話す自己PRを、30秒版と1分版で並べた図。30秒版は、強み、出来事(いつから何を続けてきたか)、高校でどうするかの3文。1分版は、強み、きっかけ(なぜ始めたか)、出来事、その後の変化(続けてどう変わったか)、高校でどうするかの5文で、きっかけとその後の変化の2文が1分で足す部分。30秒版の3文と、1分版の1文目・3文目・5文目は同じ文で、強みは1つ、最初の1文と最後の1文は長さが変わっても同じであること、文の数はこの記事での目安であること、何秒になるかは話す速さで変わるので自分の声で測ることを注記した、高校受験 自己PR の組み立ての図

——ただ、紙の上でちょうどよく見えても、声に出すと思っていた長さと違うことがあります。次は、それを確かめる方法です。

声に出して時間を測る——長すぎ・短すぎの直し方

用意するのは、書いた自己PRと、スマートフォンのストップウォッチです。

  1. 書いた文を、声に出して読みながら測ります。 面接と同じように座り、面接官に話すつもりの声の大きさで読みます。
  2. 長すぎたら、削ります。 削る順番は、①その後の変化、②きっかけ、③出来事の中の説明です。最初の1文と最後の1文は削りません。
  3. 短すぎたら、足します。 足す順番は、①きっかけ、②その後の変化、③出来事の中の1つの場面(初めてやった日など)です。2つ目の強みを足して埋めることはしません。
  4. 指定の長さより、少し早く言い終わるところまで直します。 練習では、30秒なら25秒前後、1分なら55秒前後で言い終わる形を目安にしています(この記事での目安)。本番では、練習と話す速さが変わることがあるからです。
  5. 最後は、紙を見ずに話して、もう一度測ります。

面接の質問集の記事では、覚えるのは出来事だけで十分、と書きました。長さが決まった自己PRで、もう1つ覚えておくのは、最後の1文です。最後の1文が決まっていると、どこで終えるかで迷いません。

入退室や服装は、高校受験の面接マナー(入退室・服装)で確かめられます。

高校受験の面接で話す自己PRの練習シート。自分の強み1つと最後の1文を書く欄、30秒版と1分版をそれぞれ声に出して測った秒数を書く欄(紙を見ずに測る欄を含む)、長すぎたら削る順(その後の変化、きっかけ、出来事の中の説明。最初の1文と最後の1文は削らない)、短すぎたら足す順(きっかけ、その後の変化、出来事の中の1つの場面。2つ目の強みは足さない)、言い終わりのチェック(強みは1つ、読点が3つ以上の文はない、最後の1文まで言えた、指定より少し早く言い終わった=30秒なら25秒前後・1分なら55秒前後はこの記事での目安)、途中で詰まったときの言い方(1分版のきっかけの途中なら「失礼しました」と言って出来事の文へ、出来事やその後の変化の途中なら最後の1文へ、最初の1文なら「失礼しました。初めから話します」と言って強みの1文から)を並べ、秒数は話す速さで変わることを注記した、高校受験 自己PR の練習用の図

——時間に収まるようになっても、本番で崩れる形があります。どれも、長さが決まっているから起きるものです。

長さで崩れる3つの型と、言い終わり方

長さが決まった自己PRで崩れる形は、次の3つです。

① 長すぎて、最後の1文までたどり着かない
出来事の説明がふくらんで、指定の時間を過ぎる形です。時間を過ぎると、面接官に途中で止められることがあります。そうなると、いちばん伝えたかった高校での1文が言えません。

② 強みを2つ、3つと並べる
「責任感があり、明るく、努力家です」のように並べると、出来事を話す時間がなくなります。どの強みも、裏づけのない言葉のまま終わります。強みは1つにして、ほかの強みは、別の質問で聞かれたときのためにとっておきます。

③ 最後の1文がなく、「以上です」で切れる
出来事を話し終えたところで言葉が止まり、「……以上です」で終わる形です。高校でどうするかが伝わらないまま、自己PRが終わります。最後の1文を先に決めて、そこだけは必ず言えるようにしておきます。

言い終えたら、面接官のほうを見て口を閉じます。「以上です」を付けるかどうかは、中学校の先生に聞いておけば足ります。大事なのは、その前の1文です。

出来事の途中で言葉が出なくなったら、最初から言い直す必要はありません。「失礼しました」と一言入れて、最後の1文に進みます。強みは最初の1文で伝えてあるので、最後の1文まで言えれば、自己PRとしてまとまります。リードで「最初から言い直す方法ではありません」と書いたのは、このことです。

1分版のきっかけの文で詰まったときは、最後の1文ではなく出来事の文(30秒版の2文目と同じ文)に進みます。出来事を言わないまま最後の1文に進むと、強みが裏づけのない言葉のまま終わるからです。

ただし、最初の1文で詰まったときは、「失礼しました。初めから話します」と言って、強みの1文から言い直します。強みが伝わらないままでは、残りの話がつながらないからです。

——ここまでが、話す自己PRの作り方です。最後に、先に出した書類との関係を確かめておきます。

書いた自己PRと、話す自己PRをそろえる

面接より前に、志願理由書や自己PRカードなどの書類を出す人もいるはずです。面接官の手元に、その書類があることもあります。書類に書いた強みと、面接で話す強みが違うと、どちらが本当なのかが伝わりません。

そろえるのは、強みと出来事です。言葉までそろえる必要はありません。書類は目で読む文、面接は耳で聞く言葉だからです。書いた文を声に出して読み、次の2つを直します。

  1. 言いにくい言葉を、ふだんの言い方に替えます。 「貴校の教育方針に深く共感し」のような、ふだん使わない言い方は、話すと詰まる原因になります。
  2. 1つの文に「、」が3つ以上あったら、2つの文に切ります。 耳で聞く文は、短いほうが分かりやすいからです。

書類に何を書くか、書く前に何を集めるかは、志願理由書・自己PRカードの書き方(書く前に集める「材料3種」)にまとめています(保護者向けの記事です)。部活も委員会もやっていない人の材料の拾い方も、その記事にあります。書類の名前は学校によって違いますが、書く中身の考え方は同じです。

自己PRの準備で、入試の勉強を止めたくないなら
30秒版と1分版を声に出して測ったら、その紙をおうちの人に見せてみてください。そのうえで、公立・私立を問わず、推薦入試や特色選抜にも対応している高校入試対策の中身を、一緒に見てみてください。
▶ 公立・私立を問わない、家庭教師の高校入試対策

よくある質問(FAQ)

長さを言われずに、「自己PRをしてください」とだけ言われたら?

受ける学校の面接で、自己PRの長さが決まっているかどうかを、中学校の先生に前もって聞いてみてください。分からないまま本番になったら、30秒版で話します。面接官が続けて出来事のことを聞いてきたら、1分版で足した、きっかけやその後の変化を答えれば足ります。

「2分で」と言われたら、何を足せばいいですか?

強みは増やさず、出来事を詳しくします。1分版の③で、何をどう続けたかを、1つの場面に絞って話します。たとえば、初めて先生に聞きに行った日のことです。最初の1文と最後の1文は、ここでも変えません。

集団面接で、前の人と同じ強みだったら?

無理に変える必要はありません。強みの言葉が同じでも、そのあとの出来事は自分だけのものです。前の人に合わせて言い方を変えると、決めておいた最後の1文まで崩れやすくなります。

推薦入試の面接でも、同じ組み立てでいいですか?

組み立ては同じです。推薦入試で面接が行われることはありますが、面接をどう扱うかは、都道府県や学校によって違います。推薦入試の仕組みは、高校受験の推薦入試にまとめています(保護者向けの記事です)。

自己PRと志望動機が、同じ話になってしまいます。

話の出発点を分けます。自己PRは中学校で続けてきたことから、志望動機はその学校の何に引かれたかから話します。最後が高校の話になるのは、どちらも同じでかまいません。

そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。

まとめ|強み1つと出来事1つ。最初と最後の1文は変えずに、真ん中で長さを合わせる

  • 自己PRは、強みを1つ、それが本当だと分かる出来事を1つ、高校でどうするかを1文で話します
  • 30秒版は3文、1分版は5文です(この記事での目安)。1分版で足すのは、きっかけと、その後どう変わったかです
  • 最初の1文と最後の1文は、長さが変わっても同じです
  • 声に出して測り、長すぎたら、その後の変化、きっかけ、出来事の中の説明の順に削ります
  • 途中で詰まったら、「失礼しました」と言って最後の1文へ進みます(1分版のきっかけで詰まったときは、出来事の文へ)。最初の1文で詰まったときだけ、初めから言い直します
  • 書類と面接で、強みと出来事をそろえます

今日やることは1つです。30秒版の3文を紙に書き、声に出して読みながら、ストップウォッチで測ってください。

保護者の方へ——聞き役になり、時間を測る役だけ引き受ける

ここからは、保護者の方に向けて書きます。

この記事でお子さんに伝えたのは、自己PRは強み1つと出来事1つで話すこと、30秒版と1分版で最初と最後の1文を変えないこと、そして声に出して時間を測ることです。

していただきたいことは、1つです。お子さんの自己PRの聞き役になって、時間を測ってください。測り終えたら、秒数と、いちばん印象に残ったところを1つだけ伝えます。直す場所を探すより、何が伝わったかを返すほうが、お子さんが自分で直しやすくなります。

反対に、控えていただきたいことも1つあります。言い回しを、保護者の言葉で書き直すことです。お子さんがふだん使わない言葉が入ると、面接で詰まる原因になります。気になるところがあれば、「ここ、ふだんならどう言う?」と聞いてください。言い方は、この通りでなくてかまいません。

受験期の関わり方の全体は、高校受験で親ができることにまとめています。

全国家庭教師協会の高校入試対策は、公立・私立を問わず、推薦入試や特色選抜を目指すお子さんにも対応しています。面接の準備で入試の勉強の時間が削られないか心配なときの、選択肢の一つとして覚えておいてください。

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自己PRの準備は、ご家庭で進められます。この記事の30秒版・1分版の作り方と、ストップウォッチがあれば足ります。

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