高校受験の志願理由書・志望理由書の書き方|例文と親が手伝える範囲

高校受験の志願理由書・志望理由書の書き方|例文と親が手伝える範囲 高校受験

執筆・監修:小川 真理子先生(受験アドバイザー/指導歴15年・志望校選び/学習計画/進路相談)
「何から手をつければいいか」を、現実的な学習計画に翻訳するのが役目。

学校から渡された「志願理由書」——学校によっては「自己PRカード」「自己申告書」という名前の用紙が、机の上に置いたまま数日経っている。中3のお子さんを持つお母さん・お父さんへ。 とくに、「何を書けばいいか分からない」と言われて、下書きしてあげようかという言葉が一度、頭をよぎった方へ。

先にお伝えしたいことが3つあります。

ひとつめ。「志望理由が思いつかない」は、書く力の問題ではありません。 足りていないのは材料で、集めるものは3種類だけです。

ふたつめ。この紙には、提出したあとにもう一度出てくる場面があります。 そこを知らずに書くと、書いた本人が困ります。

みっつめ。親がどこまで手伝っていいのか。 これは気持ちの問題ではなく、書類の要領に書かれていることです。

まず、いちばん多い疑問だけを先に片づけます。

  1. まず結論(一問一答)
  2. 志願理由書は何を見られる書類か――面接の台本になる
    1. 提出後、この内容から面接で質問される
    2. 書類名は学校で違う(自己PRカード・自己申告書・願書の志望理由欄)
  3. 書く前に集める「材料3種」
    1. ①志望校の事実(学校案内・説明会メモから拾う)
    2. ②自分の行動の事実(中学生活から拾う)
    3. ③入学後にやりたいこと(1つに絞る)
  4. 構成の型――4ブロック(結論/きっかけ/中学での取り組み/入学後)
    1. 400字・600字の配分例
    2. 書き出しは結論から(避けたい定型文つき)
  5. 例文と添削(Before→After)
    1. 志望理由が「家から近い」しかない場合
    2. 部活も委員会もやっていない場合
    3. 校風・カリキュラムに惹かれた場合(根拠の書き方)
  6. 落ちる志願理由書の6パターン
  7. 親はどこまで手を出していいか――代筆の線引き
    1. 要項の言葉=代筆が想定されていないことは制度に書かれている
    2. 親がやってよいこと(材料の聞き出し・事実確認・誤字チェック)
    3. 親がやってはいけないこと(本人が言えない言葉を入れる)
    4. 書類と面接、どちらも初めてで不安なら
  8. 提出前チェック――面接との一貫性を3点で確認
  9. 清書と提出のスケジュール(筆記具・コピー保管・締切)
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|志願理由書は「事実の組み立て」で書ける
  12. 書類と面接の準備を一緒に進めるなら
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まず結論(一問一答)

Q. 何を書けばいい?
A. ①志望理由(結論)②きっかけ ③中学で取り組んだ事実 ④入学後にやりたいこと1つ——この4つを、この順に書きます。この書類が必要になる入試の仕組みは高校受験の推薦入試とはへ。

Q. 親が書いてもいい?
A. 代筆は想定されていません。 埼玉県の例では「志願者が自ら考え、記載する」と要領に示されています。親は材料の聞き出し・事実確認・誤字チェックまでです。

Q. 実績や部活がないと不利?
A. この書類を書くうえでは、不利になりません。 部活や委員会の実績がなくても、続けた行動の事実が1つあれば書けます(出願そのものの条件は学校ごとに異なります)。

Q. 書いた内容は面接で聞かれる?
A. 聞かれる前提で書きます。 埼玉県の例では、面接は自己評価資料を参考に行うとされています。書面と口頭を一致させることが準備の本体です。

Q. どのくらい合否に効く?
A. 学校によって異なります。 点数化する場合もあり、面接の参考資料としてのみ使う場合もあります。候補校の募集要項でしか確認できません。

Q. 用紙の名前が違うけど同じもの?
A. 同じ性質の書類です。 自己PRカード・自己申告書・自己評価資料・願書の志望理由欄など、名称は学校・都道府県で異なります。

——ここまでが結論です。ただし、この6つの答えを使う前に、ひとつ入れ替えておきたい前提があります。この紙は、作文がうまい子が得をする紙ではありません。

志願理由書は何を見られる書類か――面接の台本になる

志願理由書は、文章のうまさを競う紙ではありません。 面接で自分の言葉で話すことを、先に紙に書いておくものです。そう考えると、書く内容の選び方が変わります。うまく書けるかどうかより、口で説明できるかどうかで選びます。

提出後、この内容から面接で質問される

これは印象論ではありません。制度の文書にそう書かれている県があります。

埼玉県の令和9年度(2027年春入学)入学者選抜の面接実施要領では、面接について「自己評価資料を参考に、自らの言葉で表現する」ことを見る、という趣旨が示されています。 さらに同県の選抜要領および面接実施要領では、自己評価資料そのものを評価するのではなく、面接の参考資料として使うという扱いが示されています。

つまりこの紙は、提出した時点では終わっていません。 面接の場で、書いた本人が説明を求められる前提の書類です。

これは埼玉県の例です。 お住まいの地域・志望校がどうなっているかは、必ず候補校の募集要項と中学校の進路資料で確認してください。そして——点数化するか、どの程度重視するかは、学校によって異なります。

面接で実際に聞かれる内容と答え方は高校受験の面接で聞かれること【質問集20】にまとめています。

書類名は学校で違う(自己PRカード・自己申告書・願書の志望理由欄)

お子さんが持ち帰った用紙の名前は、この記事の言葉と違うかもしれません。自己PRカード/自己申告書/自己評価資料/願書の志望理由欄——呼び名が違っても、書く中身と考え方は同じです。

扱いは県・学校で違い、たとえば埼玉県の例では「評価せず、面接の参考にする」とされています。名前ではなく、手元の用紙に印刷されている指示を読んでください。

つまり、この紙の目的は評価されることより、面接で話す内容を自分で決めておくことにあります。

「面接で自分の言葉で説明できることを書く」——そう聞くと難しく感じますが、やることは思い出すことではなく集めることです。集めるものは3種類しかありません。

書く前に集める「材料3種」

学校説明会でもらったパンフレットと、お子さんの通知表を出してきてください。 ここから先は、その2つを見ながら読むほうが早く終わります。

「思いつかない」のは、頭の中を探しているからです。志願理由書は思い出す作業ではなく、集める作業です。集めるのは3種類だけで、しかも2つは紙の上にすでにあります。

志願理由書を書く前に集める材料3種の収集シート。左列「①志望校の事実」=学校案内やホームページから名前のついたもの(コース名・授業名・行事名・施設・時間割の特徴)を3つ書き出す、説明会で見た一場面も使える、「校風がよい」「雰囲気が合う」は感想なので採用しない。中列「②自分の行動の事実」=通知表・部活の記録・提出物のファイル・行事のしおりから「いつから・どのくらい・なぜ始めたか」の3点セットで拾う、委員長でなくてよい、続けた/やめずに通った/頼まれて引き受けたで足りる。右列「③入学後にやりたいこと」=1つに絞る、将来の夢は不要、①と②がつながる場所を1つ選ぶ。保護者が質問して本人が答えて埋める形式であることを示した図

①志望校の事実(学校案内・説明会メモから拾う)

学校案内やホームページから、具体的な名前がついているものを3つ書き出します。コース名・授業の名前・行事の名前・施設・時間割の特徴。

「校風がよい」「雰囲気が合う」は事実ではなく感想なので、ここでは採用しません。一方、説明会で見た一場面(生徒が案内をしていた、掲示物に◯◯が貼られていた)はそのまま使えます。志望校がまだ固まっていない段階なら、高校の志望校の決め方5ステップから先に読んでください。

②自分の行動の事実(中学生活から拾う)

通知表・部活の記録・提出物のファイル・行事のしおりを出してきます。拾うのは「いつから・どのくらい・なぜ始めたか」の3点セットです。

部活も委員会も、委員長でなくて構いません。続けた/やめずに通った/頼まれて引き受けたという事実で足ります。学校が高校へ渡す調査書にどんな活動が記録されるのかは調査書(内申書)には何が書かれるかで扱っています。

③入学後にやりたいこと(1つに絞る)

将来の夢は不要です。 必要なのは「入学後にやりたいこと1つ」だけ。3つ書くと1つも伝わりません。

①で書き出した学校の事実と、②で書き出した自分の事実がつながる場所を1つ選べば、それがそのまま答えになります。

材料が机の上に並んだら、あとは置く順番を決めるだけです。順番は決まっているので、ここで悩む必要はありません。

構成の型――4ブロック(結論/きっかけ/中学での取り組み/入学後)

「私が貴校を志望した理由は——」この定型文は、使ってよいのか。 結論から言うと、使えます。差がつくのはその次の1文です。

型は4つのブロックで、順番を変えません。

志願理由書の4ブロック構成テンプレート。①結論=何をしたいのでこの学校を志望するのかを1文で言い切る(400字なら50〜60字・600字なら70〜90字)、②きっかけ=いつ・何を見て・何を聞いたかの具体の場面(400字なら90〜110字・600字なら140〜170字)、③中学での取り組み=続けた事実を1つ深く書き複数並べない(400字なら130〜150字・600字なら200〜240字)、④入学後にやりたいこと=1つに絞り名前で書く(400字なら90〜110字・600字なら130〜160字)。指定字数があれば9割以上を目安に埋め、枠だけ示されている場合も大きな空白を残さないという注記つきの図

400字・600字の配分例

ブロック 400字の場合 600字の場合 書くこと
①結論 50〜60字 70〜90字 1文で言い切る
②きっかけ 90〜110字 140〜170字 見た・聞いた具体の場面
③中学での取り組み 130〜150字 200〜240字 事実1つを深く(複数並べない)
④入学後 90〜110字 130〜160字 やりたいこと1つ

指定字数がある場合は、9割以上を目安に埋めます。 枠だけが示されている場合も、大きな空白を残さないのが基本です。

書き出しは結論から(避けたい定型文つき)

「私が貴校を志望した理由は◯◯です」——この形は使って構いません。 読み手が最初に知りたいのが結論だからです。問題は、◯◯に入る言葉です。

避けたい書き出しは次の4つです。

  • 「貴校の校風に憧れて」
  • 「自由な雰囲気に惹かれて」
  • 「家から近く通いやすいので」
  • 「友人が受けると聞いて」

どれも、他の高校にそのまま出せてしまう言葉です。◯◯には、H2-2①で書き出した”名前のついた事実”を入れます。文章の型そのものの練習は高校入試の作文・小論文の書き方と共通なので、作文が課される学校を受けるなら合わせて読んでください。

型は分かった。では、うちの子の材料をこの型に入れると、どんな文章になるのか。 いちばん材料が少ないパターンから見ていきます。

例文と添削(Before→After)

以下の3本は、説明のために当社が作成した作例です。 実在の生徒が提出した文章ではありません。学校名・コース名・行事名・数字はすべて架空の設定として読んでください。

弱い材料でも書けます。3本に共通して直した箇所は、実は同じ1箇所だけです。

直し方の手順は3本とも同じです。①形容詞を消す(自由・充実・魅力的・真面目)→ ②その形容詞の根拠になっている事実を書く → ③その事実と自分の行動をつなぐ1文を入れる → ④入学後を1つに絞る。

志望理由が「家から近い」しかない場合

「家から近いから」しか出てこない——それは、お子さんのやる気の問題ではありません。

Before:「私が貴校を志望した理由は、家から近く通いやすいからです。制服もかわいく、部活も盛んだと聞きました。入学したら勉強を頑張りたいと思います。」

弱点は3つあります。①理由が学校の話ではなく自分の都合になっている ②「聞きました」=出典がない ③入学後が「頑張りたい」で中身がない。

「近い」は捨てません。翻訳します。 「近い」→「通学時間が短い」→「そのぶん家庭学習の時間を確保できる」まで言い換えれば、自分の行動計画の根拠として使えます。ただし主役にはしません(主役は学校の事実です)。「部活が盛ん(伝聞)」は、説明会で自分が見た一場面に差し替えます。

After:「私が貴校を志望した理由は、地域探究コースで自分の住む町の課題を調べたいからです。夏の学校説明会で、生徒の方が商店街を取材した掲示物の前で説明してくださり、自分もこういう形で学びたいと思いました。私は中学一年から社会科の新聞づくりを続け、提出を一度も遅らせませんでした。通学時間が短いぶん、家庭学習の時間を下調べに充てられます。入学後は、探究の発表会に自分のテーマで参加したいです。」

本音(近い)を隠す必要はありません。置き場所を変えるだけです。主役は学校の事実、「近い」は③を支える根拠として後ろに回っています。

部活も委員会もやっていない場合

Before:「私は部活に入っていませんが、真面目に生活してきました。貴校の校風に憧れています。入学後は勉強を頑張ります。」

弱点は3つ。①「真面目」=形容詞だけで事実がない ②「校風」=どの学校にも出せる ③部活がないことの言い訳から始まっている。

肩書きのない行動の事実を、4方向から拾います。

  1. 出席・提出物を切らさなかった
  2. 家庭内の役割(弟妹の世話・家事の分担)
  3. 自分で続けた学習(毎朝の単語、苦手教科の取り組み方を変えた)
  4. 校外の活動(地域の行事・習い事・オンライン学習)

いずれも「いつから・どのくらい・なぜ」の3点セットで書けば事実になります。③では「続けた」1つを深く書き、「真面目」という語は使いません。読み手が真面目だと判断する書き方にします。

After:「私が貴校を志望した理由は、朝の読書と小テストを毎日続ける学習リズムのなかで学びたいからです。説明会で、朝の教室が静かに始まる様子を見学し、自分に合うと感じました。私は中学二年の春から、毎朝十五分の英単語を続けてきました。二学期に英語の点が下がったときも、朝の十五分は変えずに、寝る前の音読を足して立て直しました。自分で決めたことを毎日続けるやり方は、貴校の学習リズムとつながると思います。入学後は、この習慣を数学の予習にも広げたいです。」

Afterから「部活に入っていませんが」を消したのは意図的です。 実績がないことは書かなくてよい——書けば、読み手の関心をない材料に向けてしまいます。あわせて点が下がった時期を残しているのは、うまくいかなかった時期を残しても伝わることを示すためです。

肩書きは要りません。続けた事実が1つあれば書けます。

校風・カリキュラムに惹かれた場合(根拠の書き方)

Before:「貴校の自由な校風と充実したカリキュラムに惹かれました。国際教育に力を入れている点も魅力です。入学後は積極的に学びたいです。」

弱点は1つに集約されます。全文が形容詞と抽象語で、学校名を別の高校に差し替えてもそのまま成立してしまいます。

抽象語は制度・授業・場面の名前に置き換えます(「自由な校風」→「行事の運営を生徒が決めている」→「説明会で生徒が説明してくれた場面」)。

After:「私が貴校を志望した理由は、行事の運営を生徒が決める仕組みのなかで、話し合いの進め方を身につけたいからです。説明会では、文化祭の企画を生徒が説明してくださり、決め方まで任されていることに驚きました。私は中学三年の合唱祭で、意見が分かれた曲決めの司会を頼まれ、全員の希望を紙に書き出して整理しました。入学後は、行事の運営に立候補して、この進め方を人数の多い場面で試したいです。」

3本のAfterはいずれも400字枠の核だけを短くした形です。字数に余裕があるときは、②のきっかけと③の取り組みをこの倍まで具体的に膨らませます。

この3本をそのまま写すと、面接で「どこですか」と聞かれた瞬間に答えられなくなります。型だけを借りて、中身はお子さんの材料に置き換えてください。

ここで使える自己チェックが「学校名の差し替えテスト」です。書き終わったら、文章の中の学校名を、受けない別の高校の名前に入れ替えて読んでみてください。それでも成立する文なら、根拠になっていません。

3本とも、直したのは形容詞を事実に置き換えた——この1箇所だけでした。ということは、落ちる書き方も同じところで起きます。 先に知っておけば、書き直すだけで避けられます。

落ちる志願理由書の6パターン

すでに書き上がった原稿が手元にある方は、ここを照らし合わせながら読んでください。 当てはまっていても、いま直せば消えます。

  1. どの高校にも出せる文になっている。 学校名を差し替えても成立する志望理由は、その学校を選んだ理由になっていません。 → 学校案内にある”名前のついた事実”を1つ入れる
  2. 気持ちだけで、事実が1つも入っていない。 「憧れ」「魅力」「頑張ります」は、読み手が確認できません。 → いつ・どのくらい・何をしたかを1つ書く
  3. 盛った話・作った話が混ざっている。 書類は面接で確認されます。話を大きくした部分は、その場でいちばん詳しく聞かれます。 → 事実だけに戻す。小さくても本当のことが強い
  4. 本人の言葉になっていない。 大人の語彙が混ざった文章は、面接で本人が説明できず、その場で崩れます。 → 本人が声に出して読み、言えない言葉は全部削る
  5. 入学後が「頑張ります」で終わっている。 何を頑張るのかが書かれていない文は、入学後の姿が伝わりません。 → やりたいことを1つに絞り、名前で書く
  6. 書式を守っていない。 字数不足・大きな空白・指定外の筆記具・空欄・誤字は、中身を読む前の印象を決めてしまいます。 → 提出前に、書式の指示だけを別で読み直す

6つとも、いま書き直せば消えるものです。逆に言えば、避けなかったぶんだけがそのまま残ります。

ところが、ここでご家庭は次の壁にぶつかります。「親が直していいのか」です。

親はどこまで手を出していいか――代筆の線引き

お子さんが寝たあとに、白いままの用紙を見ながら「私が書いたほうが早いのでは」と思った方へ。 その気持ちは自然です。締切があって、本人が進まないなら、なおさらです。

そのうえで、線引きだけは決めておきましょう。これは道徳の話ではなく、書類の要領に書かれていることだからです。

要項の言葉=代筆が想定されていないことは制度に書かれている

埼玉県の令和9年度(2027年春入学)入学者選抜の調査書等作成要領には、自己評価資料(様式6)について次のことが示されています。

  • 志願者が自筆又はコンピュータ等により作成する
  • 志願者が自ら考え、記載する
  • コピーを提出し、本書(原本)は志願者が保管する

「代わりに書いてはいけません」と道徳として書かれているのではなく、そもそも本人が作るものとして設計されている——それが要項の言葉から分かることです。

これは埼玉県の例です。 他の都道府県・私立高校の書類がどうなっているかは、必ず候補校の募集要項と中学校の指示で確認してください。

親がやってよいこと(材料の聞き出し・事実確認・誤字チェック)

やってよいことは4つです。

  1. 材料の聞き出し。 上の収集シートを机に置いて、質問して本人に答えさせます。「その部活、いつから続けてる?」「説明会で覚えてることある?」——書くのは本人、思い出させるのは親で分担できます
  2. 事実確認。 日付・期間・行事名・コース名を通知表やパンフレットと照合します。大人のほうが速い仕事です
  3. 誤字・書式チェック。 誤字、字数、空欄、筆記具の指示=内容ではなく形を見ます
  4. 読み合わせの相手役。 次の章の3点チェックがそれです

親がやってはいけないこと(本人が言えない言葉を入れる)

してはいけないのは、本人が言えない言葉を入れることです。

たとえば「貴校の教育理念に深く共感し」——この一文を親が入れると、面接で「どの部分に共感したのですか」と聞かれた瞬間に、本人が答えられません。

ここが、代筆がいちばん損になる理由です。書面は面接の参考資料として使われ、面接では「自らの言葉で表現する」ことを見られる(埼玉県・令和9年度の例)。つまり、親の言葉で書いた書類は、面接でわざわざ弱点になるということです。

保護者の関わり方全体の原則は高校受験で親ができること7つに整理しています。

ご家庭が担うのは、材料と段取り、そして読み合わせの相手役です。話す言葉と書く言葉は、本人のものにしておく。 この線引きが、面接の日にいちばん強く効きます。

書類と面接、どちらも初めてで不安なら

志願理由書は「事実の組み立て」なので、材料が揃えば型に沿って書けます。難しいのは、書いたものを面接で同じように話せる状態まで持っていくところです。学年ごとの指導内容は、コースページにまとめています。合いそうかを確かめてから、無料体験に進めます。

線引きが決まったら、提出前に見る場所は3つだけです。採点者の目ではなく、面接官の目で読みます。

提出前チェック――面接との一貫性を3点で確認

読み返すときの目線を変えます。誤字を探すのではなく、「これを聞かれたら答えられるか」で読みます。

  • ①どこを指されても、本人が口で説明できるか。 親が1文ずつ「これ、詳しく言うと?」と質問し、答えに詰まった箇所は書き直します(詰まる=本人の言葉ではないサインです)
  • ②固有名詞と数字が、本人の記憶と一致しているか。 コース名・行事名・続けた期間。書類にあって本人が覚えていないものは削ります
  • ③「入学後にやりたいこと1つ」が、面接で言う答えと同じか。 書面と口頭で違うことを言うのが、いちばん避けたい状態です

なお、埼玉県の令和9年度(2027年春入学)の例では、提出するのはコピーで、原本は志願者が保管するとされています。手元に控えが残る形なら、面接の前に自分の書いたものを読み返せます。 控えを取るかどうかは学校の指示に従ってください。

中身が固まったら、残るのは紙の作業です。ここは中身と違ってあとから取り返しがつきにくいので、順番を決めておきます。

清書と提出のスケジュール(筆記具・コピー保管・締切)

提出が近づいている方へ。 中身の話は終わりました。ここからは、当日に慌てないための手順だけです。

  1. 下書きは別紙に。 用紙に直接書き始めません(消し跡・修正跡が残ります)
  2. 筆記具は指示を確認。 指定がある場合はそれに従います。手書きかコンピュータ作成可かも書式で異なります(埼玉県の例では「自筆又はコンピュータ等により作成する」とされています)
  3. 修正液・修正テープの可否は学校の指示を確認。 判断できないときは書き直すほうが安全です
  4. 提出前にコピーを取る(面接前に読み返すため。控えの扱いは学校の指示に従います)
  5. 名前・受験番号・空欄の最終確認
  6. 締切は学校の指示で確認。 清書は締切当日ではなく、余裕のある日に終える。 年度によって日程が変わるため、この記事では具体的な日付を書きません

清書した書類を願書と一緒にどう出すか、ネット出願の場合はどう進むかは、願書の書き方と出願手続きの流れで確認できます。

細かい疑問は、ここでまとめて潰しておきます。

よくある質問(FAQ)

Q. 志願理由書には何を書けばいいですか?
A. 志望理由(結論)・きっかけ・中学で取り組んだ事実・入学後にやりたいこと1つの4つです。この順に書くと、読み手に伝わる形になります。

Q. NGな書き方はありますか?
A. 学校名を差し替えても成立する文、事実が1つもない文、盛った話、本人の言葉でない文は避けます。いずれも書き直せば消えます。

Q. 書き出しはどう書けばいいですか?
A. 「私が貴校を志望した理由は◯◯です」の形で構いません。◯◯に、学校案内にある具体的な名前(コース・授業・行事)を入れます。

Q. 親が書いてもいいのでしょうか?
A. 代筆は想定されていません。 埼玉県の令和9年度(2027年春入学)の例では、この種の書類は「志願者が自筆又はコンピュータ等により作成する」「志願者が自ら考え、記載する」とされています。親は材料の聞き出し・事実確認・誤字チェックまでにとどめます。

Q. 書いた内容は面接で聞かれますか?
A. 聞かれる前提で書きます。埼玉県の例では、面接は自己評価資料を参考に行うとされています。扱いは学校・都道府県で異なるため、募集要項で確認してください。

最後に、この記事の要点を3つに絞ります。

まとめ|志願理由書は「事実の組み立て」で書ける

  • 「思いつかない」の原因は材料不足。 集めるのは①志望校の事実 ②自分の行動の事実 ③入学後にやりたいこと1つ——この3種類だけです
  • 型は4ブロックで、順番を変えない。 結論→きっかけ→中学での取り組み→入学後。形容詞を事実に置き換えるだけで、文章は見違えます
  • 親が担うのは材料と段取りと読み合わせ。 話す言葉と書く言葉は、本人のものにしておきます

面接の日、お子さんは自分で集めた事実を自分の言葉で話します。その原稿を作る作業が、今日机の上にあるこの1枚です。才能の話ではありません。

もし「書けたけれど、面接で同じことを言えるか」で止まっているなら、そこだけ一緒に確認できます。

書類と面接の準備を一緒に進めるなら

志願理由書でいちばん多いつまずきは、書けたのに、面接で同じことを言えないという状態です。書面と口頭を一致させる作業は、家庭の中だけだとどうしても甘くなります。

全国家庭教師協会では、本人から材料を引き出す質問のしかた、書いたものを面接で説明できるかの確認、答え方の練習を、1対1で一緒に進められます。書くのは本人という前提は崩しません。学習計画と並走させるので、書類の準備で勉強が止まることもありません。一定の条件のもとで授業料の一部を免除する成績保証制度もご用意しています(適用条件は個別にご案内します)。

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