高校入試の規則性の問題|よく出る型と、n番目を式で表す手順

高校入試の規則性の問題|よく出る型と、n番目を式で表す手順 数学

執筆・監修:田村 健一先生(数学・理科指導/指導歴12年)
「方程式が苦手」の本当の原因を、2単元手前まで戻って特定するのが得意。

過去問の規則性の大問で、(1)の「5番目はいくつ?」は図を数えて合っているのに、(2)で「n番目をnの式で」と言われた瞬間に手が止まる——そんな中3のあなたに向けて書いています。

先に答えです。高校入試の規則性の問題は、図形の個数・数の並び・くり返しの3つの型に分けて練習できます(当協会の分類)。そして、どの型も「表をかく→増え方を見る→式にする→確かめる」の同じ4段で解けます。

(2)で手が止まるのは、珍しいことではありません。岐阜県教育委員会が公表した令和8年度(2026年春入学)の入試の結果では、規則性の大問で、図の続きを数えれば求められる(1)の正答率は62%でしたが、19番目の枚数を求める問いは14%、何番目までつくれるかを求める問いは12%でした。図の近くの番号は数えれば届きますが、遠い番号や「何番目か」は、式がないと届きません。その式をつくる4段は、後半の「どの型でも同じ手順」の章で。

もう1つ。何番目かを逆に求めて「24.5」のような答えが出たとき、そのまま書くと×になります。直し方は「逆算」の章で。

まず結論(一問一答)

Q. 規則性の問題では、何を問われますか?
A. 決まりにしたがって並んだ図や数の「何番目」についてです。 問われ方は「◯番目はいくつか」「n番目をnの式で表す」「ある数になるのは何番目か」の3つに分けて練習できます。出るかどうか、どんな形で出るかは、都道府県と年度で違います。

Q. n番目の式は、どう立てればいいですか?
A. 1番目から4番目までを表にして、1つ進むごとにいくつ増えるかを見ます。 毎回同じ数ずつ増えるなら、式は「(増える数)×n+(調整の数)」の形です。調整の数は、nに1を入れたときに1番目の値になるように決めます。

Q. 表は毎回かいたほうがいいですか?
A. かきます。 図形の個数や数の並びなら4番目まで、くり返しの型なら1セットが見えるところまで(「n回目は何番目か」を聞かれたら、4回目まで)で足ります。表がないと、増え方を思い込みで決めたまま式を立ててしまいやすくなります。

Q. 時間が足りないときは?
A. (1)の「◯番目」を表で求めたら、次の大問へ進みます。 表が残っていれば、戻ってきたときに増え方から続けられます。

Q. 規則性は何年生の内容ですか?
A. 学習指導要領に「規則性」という単元はありません。 中1で学ぶ文字式と一次方程式を使って解く問題で、並び方によっては中3の二次方程式も使います。

——では、規則性の問題とはどんな問題なのか。まず全体の地図を見ておきます。

規則性の問題とは——並び方から決まりを見つけて式にする

図形や数がある決まりで並んでいて、その決まりを見つけて「何番目」の数や個数を求めるのが、規則性の問題です。文部科学省の中学校学習指導要領解説(数学編)では、中1の「文字を用いた式」の説明の中で、マッチ棒を並べて正方形をつくるときの本数を式に表す例が挙げられています。規則性は独立した単元ではなく、文字式と方程式を使う「数と式」の応用です。

高校入試の数学の4分野(数と式・関数・図形・確率とデータ)の全体像と、どの分野から点を取りに行くかは高校入試の数学でよく出る問題(頻出単元と、得点源の決め方)にまとめています。ここからは規則性だけに絞り、並び方を3つの型に分けて見ていきます。

高校入試の規則性の問題を3つの型に分けた表。図形の個数・数の並び・くり返しの3行に、見分け方、最初の1手、問われ方の例、この記事の例題を並べ、どの型も最後は表・増え方・式・確かめの4段で解くことを示した図

——最初の型は、図を見ながら数えられる「並べた物の個数」です。

型①図形の個数(碁石・マッチ棒・タイル)

碁石やタイルなどを決まりにしたがって並べ、1番目、2番目…と図が大きくなっていく型です。聞かれるのは、使う物の個数です。最初の1手は、1番目から4番目までの個数を表に書くこと。 図が3番目までしか描かれていなければ、4番目は自分で描いて数えます。

【例1|当協会が作った問題】
長方形のテーブル1台のまわりに、長い辺に2脚ずつ、短い辺に1脚ずつ、合わせて6脚のいすを置く。テーブルを短い辺どうしでつなげて横一列に並べ、つないだところにはいすを置かないとする。
(1) テーブルを5台つなげたときの、いすの数を求めなさい
(2) テーブルをn台つなげたときの、いすの数をnの式で表しなさい

解き方

テーブルの数 n 1 2 3 4
いすの数 6 10 14 18

1台増えるごとに、いすは4脚ずつ増えています。だから式は「4×n+(調整の数)」。n=1 のとき6脚なので、4×1+□=6 より □=2。(2)の答えは 4n+2(脚)、(1)は 4×5+2=22(脚)です。

よくある×は、「4脚ずつ増える」から 4n とだけ書くことです。n=1 を入れると4になり、表の6と合いません。

増え方そのものが増えていくとき

碁石を正方形の形に並べていくと、1番目から 1、4、9、16 個になります。増え方は 3、5、7 で、毎回同じではありません。増え方が毎回同じ数ずつ増えていくときは、式に n² が入ります。 この例なら、n番目は1辺に n 個並ぶので n² 個です。

——図がなく、数が並んでいるだけの問題もあります。

型②数の並び(数表・カレンダー)

数が表やカレンダーのように並んでいて、「◯行目の◯列目の数」や「この数は何行目の何列目か」を聞かれる型です。最初の1手は、1行にいくつ並ぶかを数え、各行の右端の数を表に書くことです。

【例2|当協会が作った問題】
1から順に自然数を、1行に6個ずつ、左から右へ並べていく(7は2行目の1列目にくる)。
(1) 17行目の右端の数を求めなさい
(2) 100は何行目の何列目か求めなさい

解き方

行 1 2 3 4
右端の数 6 12 18 24

1行ごとに6ずつ増え、調整の数は0なので、◯行目の右端は 6×◯。(1)は 6×17=102 です。(2)は 100÷6=16 あまり 4。16行目の右端が96なので、100は17行目の4番目、17行目の4列目です。

よくある×は、割り切れたときです。102÷6=17 あまり 0 は「18行目の0列目」ではなく、17行目の右端(6列目)です。あまりが0のときは、その行の最後と読みます。

カレンダーの問題も同じ考え方で、1行(1週間)に7個並ぶので、すぐ下の数は7大きくなります。

——数の並びのなかでも、同じ並びが何度もくり返されるものは、割り算1回で位置が決まります。

型③くり返し(周期)と、n番目の位置

色・記号・数の同じ並びが、何度もくり返し出てくる型です。最初の1手は、くり返しの1セットが何個かを数え、番号をその数で割ること。 あまりが、セットの中の何番目かを教えてくれます。

【例3|当協会が作った問題】
赤・青・黄・青の4個を1セットとして、ビーズを左からくり返し並べる。
(1) 左から50番目のビーズの色を答えなさい
(2) 1番目から50番目までに、青のビーズは何個あるか求めなさい
(3) 左からn回目に出てくる赤のビーズは何番目か、nの式で表しなさい

解き方

  • (1) 50÷4=12 あまり 2。セットの2番目なので 青
  • (2) 1セットに青は2個。12セットで24個、残りの2個(赤・青)に1個あるので 25個
  • (3) 赤が出る番号を表にすると、1回目=1番目、2回目=5番目、3回目=9番目、4回目=13番目。4ずつ増えるので「4×n+(調整の数)」で、4×1+□=1 より □=−3。4n−3(番目)。n=3 を入れると 4×3−3=9 で、表の3回目=9番目と合います。

(3)を見ると、くり返しの型も最後は表から式をつくっています。調整の数は、このように負の数になることもあります。割り切れたとき(48番目なら 48÷4=12 あまり 0)は、型②と同じくセットの最後、つまり4番目の青です。

——3つの型を解いてみると、どれも途中で同じことをしていました。

どの型でも同じ手順——表→増え方→式→確かめ

リードで「遠い番号や何番目かは、式がないと届かない」と書きました。その式をつくるのが、次の4段です。

  1. 表:1番目から4番目まで(くり返しの型は1セット分。「n回目」を聞かれたら4回目まで)を書く。上の行に番号、下の行に求める数
  2. 増え方:となりどうしの差を、表の下に書く
  3. 式:差が毎回同じなら「(増える数)×n+(調整の数)」。調整の数は0や負の数のこともある。差そのものが毎回同じ数ずつ増えていくなら、n² の入った式を考える
  4. 確かめ:できた式に n=3 などを入れて、表の値と合うかを見る。合わなければ2に戻る

例1のテーブルといすを使った4段の手順の図。1段目は番号1から4といすの数6・10・14・18の表、2段目は増え方がどれも4、3段目は4×n+□に1番目の6を合わせて□=2から4n+2、4段目はn=3を入れて14になり表と一致することと、別の数え方6n−2(n−1)も4n+2になることを示した図。横に、増え方が3・5・7と毎回2ずつ増えていくときはn²を考えることを添えた

4段目の確かめには、もう1つ方法があります。別の数え方で式をつくって、同じ式になるかを見ることです。例1なら、「テーブル1台に6脚。つなぐたびに、つないだところの2脚が置けなくなる」と数えると 6n−2(n−1)。これを整理すると 6n−2n+2=4n+2 で、表からつくった式と一致します。中学校学習指導要領解説も、マッチ棒の本数が数え方によって 4n−(n−1) や 2n+(n+1) のように表せる例を挙げ、式の違いは「マッチ棒の本数の求め方の違いを表現しているとみることもできる」と説明しています。

岐阜県の令和8年度の大問6でも、(1)は図の続きを1つ数えれば答えが出る問いでしたが、19番目や「何番目までつくれるか」は、数えて届く番号ではありませんでした。この大問は、番号が偶数か奇数かでタイルの置き方が変わる並びで、1番目から順に表にすると増え方がそろいません。こういうときは、偶数番目どうし・奇数番目どうしに分けて表をつくると、増え方が見えてきます。表は式をつくるための道具で、式ができれば、番号が大きくても答えが出せます。

——式ができたら、もう1つ聞かれることがあります。今度は逆向きです。

逆算——「何番目か」を方程式で解く

「ある数になるのは何番目か」は、できた式を「=その数」とおいた方程式で解きます。例1の続きで見てみます(テーブルの台数 n が、何番目にあたります)。

【例4|例1の続き】
(1) いすが50脚になるのは、テーブルを何台つなげたときか求めなさい
(2) いすの数が初めて100脚をこえるのは、テーブルを何台つなげたときか求めなさい

解き方

  • (1) 4n+2=50 より 4n=48、n=12(台)
  • (2) まず 4n+2=100 とおくと、4n=98、n=24.5

リードで「24.5のような答えが出たら、そのまま書くと×」と書いたのは、この場面です。台数や番号は1、2、3…と数えるものなので、24.5台はありません。問題が何を聞いているかで、答えを直します。 (2)は「初めてこえる」なので、24.5より大きい最初の整数の 25台。確かめると、24台は 4×24+2=98脚でまだ100以下、25台は102脚で100をこえます。もし「ちょうど100脚になるのは何台か」と聞かれていたら、答えは「ない」です。

増え方が増えていく型の逆算は、中3の二次方程式になります。正方形に並べた碁石なら、169個になるのは n²=169 のときで、n は正の数なので n=13(番目) です。

規則性の(2)から先で×が続いていたら
答案の横に、4段(表・増え方・式・確かめ)のどこで止まったかを書いてみてください。止まった段がいつも同じなら、その答案をおうちの人に見せて、高校入試対策の中身を一緒に見てみてください。
▶ 各県の最新の受験情報を踏まえた、家庭教師の高校入試対策

——では、あなたの県の入試には、規則性の問題が出ているのでしょうか。

過去問で、自分の県に規則性の大問があるかを確かめる

規則性の問題は、大問で出る県もあれば、確認した年度には見当たらない県もあります。公表されている問題を4つの都道府県で開いてみると、出方はばらばらでした。

都道府県・年度 規則性の問題 中身(問題文は載せていません)
岐阜県 令和8年度(2026年春入学) 大問6 2色のタイルで正方形をつくっていく。決まった番号の枚数、nが偶数のときのn番目の式(穴埋め)、19番目の枚数、何番目までつくれるか
埼玉県 令和8年度(2026年春入学)学校選択問題 見当たらない 大問1〜5は小問集合・作図と証明・道のりのグラフ・データの活用・空間図形
北海道 令和7年度(2025年春入学) 見当たらない 大問1〜5は小問集合・確率と標本調査・関数・平面図形・動点と確率
大阪府 令和8年度(2026年春入学)A問題・B問題 規則性ではない 大問3は料金の表から式をつくり、料金から回数を逆に求める問題。表→式→逆算の手順はそのまま使える

ネットで見つけた「よく出る問題」が、自分の県の形と同じとは限りません。練習の比重は、志望校のある県の過去問で決めます。 手順は3つです。

  1. 過去問を3年分そろえ、規則性の問題に印をつける(大問だけでなく、大問1などの小問も見る)
  2. 印をつけた問題に、型(図形の個数・数の並び・くり返し)と、問われ方(◯番目・n番目の式・何番目か)を書く。 2つの型に当たるものは、両方に印をつける。どれにも当たらなければ「その他」と書く
  3. 出ていた型から練習する。 3年とも見当たらなければ、例1〜例4で4段の手順を確かめる程度にして、時間をほかの大問へ回す

数学全体を数える3ステップは「高校入試の数学でよく出る問題」の記事にあり、ここでは規則性の問題だけを型と問われ方で数えます。過去問をいつから何年分やるかは高校受験の過去問はいつから?何年分?で整理しています。

よくある質問(FAQ)

文字式が苦手で、nの式が立てられません。

「4n+2」が「4×n+2」のことだと読めないなら、中1の文字式に戻るのが先です。 表と増え方までは書けて、式のところだけで止まるなら、規則性の問題を増やすより、文字式の表し方を固めたほうが早く進みます。戻る順番は中学数学のつまずきやすい単元と「やり直す順番」にまとめています。

関数の大問とは、つながりがありますか?

あります。 規則性で「増え方が毎回同じなら 4n+2 の形」と見たのは、一次関数で「変化の割合が一定なら y=ax+b の形」と見るのと同じ考え方です。関数の大問でよく出る型と解き方は高校入試の関数でよく出る問題にまとめています。

図をかく時間がありません。

図は3番目か4番目まで、表は4番目まで(くり返しの型は1セット分)で止めます。 大事なのは図のきれいさではなく、表の数字です。図を省いても表だけで増え方が読めるなら、それで十分です。

途中まで分かったら、部分点はもらえますか?

途中の式や表に点が入るかどうかは、県や学校、問題ごとの採点の基準によります。 志望校のある県の過去問の解答例や採点の基準で確かめてください。どちらにしても、表と式を消さずに残しておくと、見直すときに止まった段がすぐ分かります。

何問くらい練習すればいいですか?

当協会の目安は、型ごとに「表から確かめまでを自力で通せた問題が2問続いたら、次の型へ」です。 数をこなすより、4段のどこで止まったかを毎回メモするほうが、次の1問で同じところを越えやすくなります。

家庭教師の利用についての疑問は、よくある質問にまとめています。

まとめ|規則性は「3つの型」と「4段の手順」で解く

  • 高校入試の規則性の問題は、図形の個数・数の並び・くり返しの3つの型に分けて練習する(当協会の分類)
  • どの型も「表→増え方→式→確かめ」の4段。差が毎回同じなら(増える数)×n+(調整の数)、差が毎回同じ数ずつ増えていくなら n² を考える
  • 「何番目か」は、式=その数の方程式で解き、答えが整数でなければ問題の聞き方で直す
  • 出るかどうか、どの型で出るかは県と年度で違う。志望校のある県の過去問3年分で確かめる

今日できるのは1つです。過去問か問題集の規則性の問題を1問選んで、図解②の4段を答案の横に書きながら解いてください。止まった段に印をつけた答案をおうちの人に見せておくと、次に何を練習するかを一緒に決めやすくなります。

保護者の方へ——「4番目まで表に書いた?」と聞く

この記事でお子さんが自分でやることは、3つです。規則性の問題を3つの型に振り分けること、4段の手順(表・増え方・式・確かめ)で解くこと、志望校のある県の過去問で出方を確かめることです。

保護者の方にお願いしたいのは、1つだけです。規則性の答案を一緒に開いて、「4番目まで表に書いた?」「式に3を入れて、表と合うか確かめた?」と聞いてください。数学の解き方が分からなくても構いません。表がなければ止まったのは1段目、表はあるのに式がなければ2段目か3段目、式があるのに×なら4段目の確かめに戻ります。

やらないでほしいのは、答えの式だけを覚えさせることです。式を覚えても、並び方が少し変わった問題では、また表から始めることになります。

「4番目まで表に書いた?」と聞く役を続けるのが難しい場合や、答案を一緒に見られる大人が身近にいない場合は、家庭教師という方法もあります。

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