内申点が足りないと言われたら|志望校を諦める前に確認する5つと逆転の条件

内申点が足りないと言われたら|志望校を諦める前に確認する5つと逆転の条件 高校受験

執筆・監修:小川 真理子先生(受験アドバイザー/指導歴15年・志望校選び/学習計画/進路相談)
「何から手をつければいいか」を、現実的な学習計画に翻訳するのが役目。

三者面談で、先生から「この内申だと、志望校は少し厳しいですね」と言われた——帰り道の車の中が、ずっと静かだった。11月から12月にかけて、このご相談が一気に増えます。

まずお伝えしたいのは、「内申が足りない=不合格」ではないということです。高校入試は内申点と当日の学力検査の合計で判定されるのが一般的で、その比重は都道府県によってまったく違います。内申の比重が小さい地域なら、当日点で十分に埋められる差もあります。

ただし、正直に申し上げると、逆転が現実的でないケースもあります。 その線引きをどこで引くのか——ここを曖昧にしたまま12月・1月を過ごすのが、いちばん危険です。判断の基準は、記事の後半でお伝えします。

この記事では、①諦める前に確認する5つのこと、②逆転できる条件と、厳しい条件、③2学期の内申はまだ確定していない、④志望校を変更する判断の期限を、順にお伝えします。

まず結論(一問一答)

Q. 内申が足りないと言われたら、志望校は変えるべき?
A. まだ判断できません。内申と当日点の比重、何点差なのか、入試方式の選択肢——この3つを確認してからです。

Q. 内申の比重は、どこで確認できる?
A. 各都道府県教育委員会が公表している入学者選抜の実施要項です。中学校の進路指導の先生にも確認できます。

Q. 当日点で逆転できるの?
A. 内申の比重が小さい地域や、当日点重視の選抜方式なら可能性があります。「何点差か」を数字にすれば見えます。

Q. 今からでも内申は上げられる?
A. 2学期の内申は、12月の評定が出るまで確定しません。提出物と定期テストで動く余地は残っています。

Q. 志望校を変えるなら、いつまで?
A. 出願直前まで変更できる地域もありますが、現実的には12月の三者面談〜1月が判断の期限です。

諦める前に確認する5つのこと

「足りない」と言われた時点では、まだ情報が足りていません。次の5つを順に確認してください。

① その内申は「どの学年の、どの数字」か

都道府県によって、内申点として使われる学年が違います。3年生の成績だけを使う地域、1〜3年生すべてを使う地域、3年生を重く重みづけする地域——扱いはさまざまです。

さらに、9教科すべてを同じ重さで見る地域と、実技4教科を2倍で計算する地域があります。この計算方法によって、「あと何点必要か」の答えがまったく変わります。

② 内申と当日点の「比重」

ここがいちばん重要です。合否判定における内申と当日点の比率は、地域や選抜方式によって大きく異なります。

内申点と当日点の比重イメージ図。左に「内申の比重が大きいタイプ(内申が重い選抜・推薦/特色選抜など)」、右に「当日点の比重が大きいタイプ(学力検査重視の選抜・私立の一般入試など)」を並べ、同じ内申不足でも前者では挽回が難しく後者では当日点で埋められる可能性があることを、志望校ラインとの距離とあわせて示した図。比率は都道府県・選抜方式で異なるため必ず実施要項で確認する旨の注記つき

内申の比重が大きい選抜では、当日点での挽回は難しくなります。逆に、学力検査を重く見る選抜なら、当日点で埋められる範囲は広がります。同じ「内申が足りない」でも、打つ手がまったく違うということです。

③ 「何点足りないか」を数字にする

「少し厳しい」という言葉のままにしないでください。志望校の合格ラインと、お子さんの内申の差を、点数で出します。

差が小さければ、残りの学期で埋められる可能性があります。差が大きい場合でも、当日点でどれだけ必要になるかを計算すれば、それが現実的な目標なのかが判断できます。数字にした瞬間に、話が「気持ち」から「計画」に変わります。

④ 選べる入試方式が他にないか

多くの地域で、推薦・特色選抜と一般選抜など、複数の入試方式があります。内申を重く見る方式と、学力検査を重く見る方式がある場合、後者を選ぶだけで状況が変わることがあります

私立であれば、当日の学力試験の結果で判定する方式を持つ学校も多くあります。選択肢の広げ方は私立高校の併願の決め方にまとめました。

⑤ 模試の判定と、内申の評価は別物

模試の判定は、主に当日点の実力を測ったものです。内申が足りないという話と、模試でA判定が出ているという話は、矛盾しません。両方をそろえて見てください。判定の読み方は模試の偏差値の見方をご覧ください。

「うちの子の場合はどうすれば?」と思ったら
学年ごとの指導内容と料金は、コースページにまとめています。合いそうかを確かめてから、無料体験に進めます。
中学生コース(指導内容と料金)を見る

逆転できる条件と、厳しい条件

ここが、冒頭でお伝えした線引きです。両方を正直にお伝えします。

逆転が現実的な条件

  • 当日点の比重が大きい選抜方式を選べる
  • 内申の差が、当日点で埋められる範囲にある(数字で確認できている)
  • 模試の判定がC以上、または志望校ラインとの偏差値差が小さい
  • 11月時点で、まだ2学期の評定が確定していない(=内申自体が動く余地がある)
  • 苦手教科が特定できていて、残り期間で戻れる量である

逆転が厳しい条件

  • 内申の比重が大きい選抜しか選べない
  • 内申の差が大きく、当日点で満点近くが必要になる計算になる
  • 模試の判定がE判定のまま複数回推移している
  • 提出物の未提出が慢性的で、2学期の評定も上がる見込みが薄い
  • 苦手教科が複数あり、戻る量が残り期間に収まらない

厳しい条件に複数当てはまる場合は、志望校の変更を含めて検討する段階です。これは諦めではなく、合格できる高校で3年間を始めるための判断です。

内申が足りないときの判定フロー図。「内申と当日点の比重を確認」から始まり、当日点重視の方式が選べるか→何点差かを数値化→当日点で埋められる範囲か→模試の判定は→の順に分岐し、「逆転を狙う(残り期間の学習計画へ)」「方式を変える(当日点型の入試を選ぶ)」「志望校を見直す(12月〜1月が判断期限)」の3つの結論に至る流れを示した図

E判定からの立て直し方については、E判定からの逆転は可能?も参考になります。

2学期の内申は、まだ確定していない

11月の時点では、2学期の評定はまだ出ていません。ここを見落とすご家庭が多いのですが、内申は今この瞬間も動いています。

残り期間で動かせるのは、主に次の3つです。

① 提出物
未提出・遅れは、評定に直接影響します。いま出していないものがあれば、まずそこです。締切を過ぎたものでも、受け取ってもらえるか先生に相談する価値があります。

② 2学期期末テスト
2学期の評定を決める最大の要素です。5教科だけでなく、実技4教科も忘れないでください。実技を2倍で計算する地域では、実技1教科の1ポイントが5教科の2ポイント分に相当します。

③ 授業中の取り組み
発言や振り返りシート、グループ活動への参加など。評価の観点は通知表に書かれています。何が足りていないのかを、通知表の観点別評価から逆算できます。

具体的な行動は内申点を上げる方法に5つの行動としてまとめました。三者面談で何を聞くべきかは三者面談で聞くこと10選をご覧ください。

指導事例:11月の三者面談で「内申があと3足りない」と言われた中3生を担当したことがあります。まず県の実施要項を一緒に開き、当日の学力検査の比重が大きい選抜方式があることを確認しました。3の差を当日点に換算すると、5教科合計であと18点という計算になりました。模試の結果を見ると、社会の失点が突出しており、そのうち大半が地理の基本問題。そこで2学期の残りは、社会の地理と、評定に直結する提出物・実技教科の期末対策に時間を寄せました。結果として2学期の内申が2上がり、必要な当日点は18点から12点に下がりました。やったのは、差を数字にして、動く場所から順に手をつけただけです。(※個人の事例であり、結果を保証するものではありません)

志望校を変更する判断の期限

判断を引き延ばすと、どちらの準備も中途半端になります。目安は次のとおりです。

時期 判断の内容
11月 実施要項で比重を確認。差を数字にする。逆転を狙うか、方式を変えるかを仮決め
12月 前半 2学期の評定が出る。三者面談で最終的な相談。ここが実質的な判断期限
12月〜1月 出願先の確定。私立の受験校もあわせて最終決定
1月以降 変更できる地域もあるが、過去問対策が間に合わなくなるため現実的ではない

12月の面談を「決める場」にするために、11月のうちに数字をそろえておく——これが、いちばん後悔の少ない進め方です。

よくある質問(FAQ)

内申が足りなくても、受験させてもらえますか?

出願自体は、多くの場合できます。中学校の先生が「厳しい」と伝えるのは、受けさせないためではなく、併願先を確保してほしいという意味であることがほとんどです。実際、確実校を用意したうえで挑戦するご家庭は多くあります。

私立なら内申は関係ないのでしょうか?

学校と入試方式によります。内申の基準を設けている方式と、当日の学力試験で判定する方式の両方があるのが一般的です。「私立だから内申は関係ない」とは言えないので、志望校の募集要項で方式ごとの扱いを確認してください。

3年生の1学期の内申が悪いのですが、もう手遅れですか?

手遅れではありません。多くの地域で2学期(または学年末)の評定が使われ、その評定はまだ確定していません。ただし、1学期の内申が低かった原因(提出物か、テストか、実技か)を特定しないまま同じ過ごし方を続けると、同じ結果になります。原因を1つに絞って手を打つことが大切です。

志望校を下げたら、子どもがやる気を失いませんか?

「下げる」ではなく「合格して3年間を始められる学校を選び直す」と伝え方を変えるだけで、受け止め方は変わります。また、変更を決めたあとのほうが、勉強に集中できる子は多いです。宙ぶらりんの状態がいちばん力を奪います。学校選びの基準は高校の志望校の決め方をご覧ください。

そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。

まとめ|「足りない」を、まず数字に変える

内申が足りないと言われたときにやることは、3つでした。

  • 確認する(対象学年と計算方法/内申と当日点の比重/何点差か/選べる方式/模試との照合)
  • 見分ける(逆転が現実的な条件か、厳しい条件か。両方を正直に見る)
  • 決める(12月の三者面談までに。引き延ばすと、どちらの準備も中途半端になる)

そして、2学期の内申はまだ確定していません。提出物・期末テスト・実技教科——動かせる場所は残っています。まずは県の実施要項を開いて、「あと何点なのか」を数字にするところから始めてみてください。

「あと何点か」の計算から、一緒に取り組むなら

内申と当日点の比重は地域で違い、必要な点数の計算は思いのほか複雑です。そこを間違えると、努力の向け先まで間違えます。

1対1の家庭教師なら、志望校の選抜方式と実施要項を一緒に読み込み、必要な当日点を計算したうえで、残り期間の教科別の時間配分まで具体的に決められます。内申を動かすための提出物・実技対策も、同時に組み込めます。

まずは無料体験で、いまの内申と志望校ラインの差を一緒に整理してみませんか。入力は30秒、費用はかかりません。相談だけのご利用も歓迎です。

【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。

すぐに相談したい方へ

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました