執筆・監修:小川 真理子先生(受験アドバイザー/指導歴15年・志望校選び/学習計画/進路相談)
「何から手をつければいいか」を、現実的な学習計画に翻訳するのが役目。
学校からのプリントで三者面談の日程を見て、「何を話せばいいんだろう」と手が止まっている——中学生のお子さんを持つお母さん・お父さんへ。とくに、前回の通知表で下がった数字を見なかったことにしたまま当日を迎えようとしている、中2・中3のご家庭へ。
先にお伝えしておきたいことが2つあります。
ひとつめ。中学の三者面談は、多くの学校で15〜20分程度しかありません。世間話と近況報告で終わってしまうご家庭が本当に多い。だからこそ、親が準備するのはたった3点で足ります。
ふたつめ。先生の「もう少し頑張れば大丈夫でしょう」という言い方には、実は決まった型があります。この一言が”励まし”なのか”警告”なのかを見分ける方法は、記事の後半でお伝えします。
そして——三者面談でいちばん差がつくのは、面談中の15分ではありません。終わったあとの3日間です。
中学の三者面談は「15分」しかない。親の準備は3点でいい
まず、当日の流れを押さえておきます。中学の三者面談は一般的に、7月(1学期末)と11〜12月(進路)の年2回行われることが多く、時間は15〜20分程度。※回数・時間は学校や自治体によって異なりますので、配布されたプリントを必ずご確認ください。
流れはおおむね「学校生活の様子 → 成績の確認 → 進路の話(中3中心)→ 保護者からの質問」。ここで保護者の質問時間は、体感で最後の3〜5分です。この短さを前提に準備しましょう。
持ち物3点セット
- 直近の通知表と、定期テストの結果——手元にないと数字の話が抽象論になります
- 質問メモ(3つまで)——後述の学年別リストから選びます
- 志望校・目標のメモ——中3は志望校3つまで、中1・中2は「どんな高校に行きたいか」の方向性だけで構いません
質問は「3つまで」に絞る
聞きたいことは10個あると思います。でも、3〜5分で答えられるのは3つが限界です。4つ以上あると、先生の回答が浅くなり、結局どれも中途半端になります。
持ち物と質問数が決まったら、あと一つだけ準備があります。しかもこれは、前日の夜に5分あればできます。
面談前夜の「親子ミーティング5分」——子どもに聞く3つの質問
三者面談は、親と先生の面談ではなく、子どもが同席する場です。ところが実際には、本人が一言も話さないまま終わることが少なくありません。
前夜に、この3つだけ聞いておいてください。
- 「先生に言われたくないことある?」——ここを共有しておくと、当日に子どもが黙り込む事故が防げます
- 「いま、いちばん困ってる教科は?」——本人の自己申告と、先生の見立てのズレが分かります
- 「先生に聞いてみたいことある?」——1つでも本人の質問が出れば、面談は本人のものになります
このミーティングの目的は、詰めることではありません。「面談は君を裁く場じゃない」と伝えることそのものが目的です。
準備が整ったら、次は本題です。ただし「何を聞くか」は、お子さんの学年でまったく変わります。
【学年別】三者面談で先生に聞くことリスト
お子さんは今、何年生ですか。ここから先は、該当する学年だけ読んでいただいて構いません。

中1:「つまずきの地点」を特定する5問
中1で聞くべきは、成績の順位ではありません。どこで詰まりかけているかです。
- 授業中の様子はどうですか(発言・集中・ノート)
- 提出物は期限内に出せていますか
- いまつまずきかけている単元はどこですか——この1問がいちばん価値があります
- 友人関係で気になることはありますか
- 家庭でやったほうがいいことはありますか
中1で見えなかったつまずきは、中2で数字になって表れます。
中2:内申が動き出す学年。下降のサインを聞く5問
中2は、内申点が本格的に効いてくる学年です(多くの都道府県で中2・中3の評定が入試に使われます。※算定方法は都道府県により異なります)。
- 前回と比べて、下がっている教科はどれですか
- その教科は「テストの点」と「提出物・授業態度」のどちらが原因ですか
- いまの評定を1つ上げるには、何が足りませんか——先生がいちばん具体的に答えられる質問です
- 部活と勉強の両立はできていますか
- 中3に向けて、この冬までにやっておくべきことは何ですか
内申点そのものの上げ方は、別記事で詳しくまとめています(参考:内申点を上げる方法)。
そして、中2の秋に聞き逃した1問が、中3の12月に効いてきます。
中3(11〜12月):合否と出願を確定させる6問
中3の進路面談は、この記事でいちばん重要な15分です。ここで確認すべきは6つ。
- 現時点の内申点と、志望校の合格ラインとの差はどれくらいですか
- いまの成績で、第一志望は「受けられる」水準ですか——遠回しな答えが返ってきたら、次章の「翻訳」を思い出してください
- 併願校として、どのあたりを想定しておくべきですか
- 出願の締切と、進路希望の最終提出はいつですか
- 当日点で挽回する場合、何点必要ですか
- 残りの定期テストは、内申にどこまで反映されますか
志望校の組み方そのものに迷いがある場合は、こちらも参考にしてください(参考:高校の志望校の決め方5ステップ)。
ここまでが「聞くこと」。ですが、返ってきた答えをそのまま受け取ると、判断を誤ることがあります。
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先生の言葉を「翻訳」する——遠回しな言い方が示すサイン
誤解のないように先にお伝えします。先生は意地悪をしているわけではありません。学校の先生は立場上、「絶対に受かります」「まず無理です」と断定できません。断定して外れたときの責任を負えないからです。だから、どうしても遠回しな言い方になる——これは制度上の必然です。
だからこそ、親の側が意図を正確に汲み取る必要があります。

上の表は、指導の現場で繰り返し見てきた対応関係です。判断に迷ったら、その場で確かめてください。
「ありがとうございます。確認なのですが、いまのままだと届かない、という理解で合っていますか?」
この一言で、先生はほぼ正直に答えてくれます。遠回しな表現は、親が踏み込めば具体化されます。逆に、踏み込まないまま帰ってしまうと、その曖昧さが2月まで残ります。
翻訳の結果、厳しい現実を告げられたら——その場での親の反応で、その後の3か月が決まります。
「成績が厳しい」と言われた時、やってはいけない3つとやるべき1つ
面談の場で、先生から厳しい見通しを告げられる。このときの対応が、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
やってはいけない①:先生と一緒に子どもを叱る
いちばん多く、いちばん影響が大きい対応です。その場で親まで責める側に回ると、子どもにとって面談は「2対1で詰められる場」になります。次の面談から本音を話さなくなり、成績の情報が家庭に入ってこなくなります。
やってはいけない②:その場で「やります」と約束させる
「じゃあ今日から毎日2時間やります」——この場の空気で出た約束は、ほぼ守られません。守られないと、「約束を破った」という失敗体験だけが残ります。
やってはいけない③:黙って持ち帰る
気まずさから何も聞かずに帰るのが、実はいちばんもったいない。具体化されないまま持ち帰った不安は、家庭で言い合いになるだけです。
やるべきこと:「では家で、何を、いつまでに」を先生と一緒に決める
たった一つ、これだけです。
「では、家では何を優先すればいいでしょうか。次のテストまでに、どの教科のどこをやるのが効きますか」
この質問をすると、面談は叱責の場から、設計の場に変わります。そして何より、この瞬間に先生と親と子どもが同じ側に立ちます。先生は敵ではなく、お子さんの学習状況をいちばん近くで見ている情報源です。
面談で「やること」は決まりました。しかし、面談では決して決まらないことが1つだけ残っています。
面談で決まらないのは「家でどう回すか」——本番は面談後72時間
面談から帰る車の中、あなたはお子さんに何と声をかけますか。
現場で見ていて確信しているのは、面談の効果は、その後3日で決まるということです。面談で気持ちが動いている期間は、そう長くありません。1週間経つと、面談の記憶は「なんか言われたな」に薄まります。
72時間でやることは、3つだけ
- 当日中:先生の言葉を、そのままメモに書き出す(記憶は翌日には変質します)
- 翌日:優先する教科を1つだけ決める。3教科は回りません
- 3日以内:その1教科を「いつ・どこで・何分」やるか、週の予定に書き込む
ポイントは、やることを増やさないことです。面談後に張り切って計画を膨らませたご家庭ほど、2週間で元に戻ります。
家庭で回すか、手を借りるか
ここで、選択肢は現実的に3つです。①自力でやる ②塾に通う ③家庭教師や個別で伴走してもらう。
判断の基準はシンプルで、「決めた1教科を、家で回せるかどうか」です。回せるなら自力で構いません。回らない原因が「本人が始められない」「どこまで戻ればいいか分からない」にあるなら、そこだけ手を借りるのが最短です。塾に通っていても成績が動かない場合は、原因が別にあることもあります(参考:塾に行っても成績が上がらない中学生)。
なお、無料の体験授業では、面談で先生に言われた内容をそのままお持ちいただければ、そこから逆算した学習プランをご提案しています。
2学期の三者面談(10〜11月)は「進路を決める面談」——1学期とはここが違う
同じ三者面談でも、2学期の面談は性格が変わります。1学期が「学校生活の様子をすり合わせる場」だったのに対し、2学期(多くの学校で10〜11月)は、志望校を実際に絞り込む場になるからです。中3であれば、2学期の内申点がほぼ見えてきたところに、実力テストや模試の結果が重なり、先生の側にも「この学校なら」と言える材料が揃います。
そのため、聞くことも1学期とは変えたほうがいい。2学期の面談で確認しておきたいのは、次の3点です。
- 今の内申点と実力テストで、どのあたりの学校が現実的か(「安全圏・実力相応・挑戦」の3層で聞く)
- 併願をどう組むか(私立の併願優遇・推薦の条件があるか、その基準を満たしているか)
- 12月の最終決定までに、何がどれだけ変われば選択肢が広がるか(内申か、当日点か、どちらで詰めるのか)
とくに3つ目が重要です。2学期の面談で「厳しい」と言われても、12月の最終面談までにはまだ2か月あります。そこで何を動かせば判定が変わるのかを、面談の場で具体的に聞いておくと、残り期間の勉強の優先順位がはっきりします。「頑張ります」で終わらせず、「何を、いつまでに、どこまで」を先生と共有して帰るのが、2学期面談のいちばんの成果です。
なお、志望校の最終決定は12月の面談という学校が多く、2学期の面談はその手前の「方向づけ」にあたります。この時点で第一志望を諦める必要はありません。判断材料を揃える場だと考えて臨んでください。
よくある質問(FAQ)
中学の三者面談は何を話しますか?
学校生活の様子、成績の確認、進路(中3中心)、保護者からの質問、という流れが一般的です。時間は15〜20分程度で、保護者が質問できるのは最後の3〜5分ほど。そのため質問は3つまでに絞り、通知表・定期テストの結果・志望校メモを持参して臨むのが効果的です。※進行や時間は学校により異なります。
三者面談で親は何を聞けばいいですか?
学年によって変わります。中1は「いまつまずきかけている単元はどこか」、中2は「いまの評定を1つ上げるには何が足りないか」、中3は「現時点の内申と志望校の合格ラインの差」「第一志望は受けられる水準か」「出願と進路希望の提出期限」が最優先です。
三者面談で「成績が厳しい」と言われたらどうすればいいですか?
その場で子どもを叱らない、その場で約束をさせない、黙って持ち帰らない——この3つを避けてください。代わりに「では家では何を優先すればいいですか。次のテストまでにどの教科のどこをやるのが効きますか」と質問します。これで面談が叱責の場から設計の場に変わります。
先生の「もう少し頑張れば大丈夫」はどう受け取ればいいですか?
学校の先生は立場上、合否を断定できないため遠回しな表現になります。判断に迷ったら、その場で「いまのままだと届かない、という理解で合っていますか」と確認してください。踏み込めば具体的な答えが返ってきます。曖昧なまま持ち帰ると、その曖昧さが入試直前まで残ります。
そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。
まとめ|面談は「評価される場」ではなく「次の3か月を設計する場」
- 準備は3点だけ——通知表・テスト結果/質問メモ(3つまで)/志望校メモ
- 前夜に5分の親子ミーティング——「言われたくないこと」を先に共有しておく
- 聞くことは学年で変わる——中1はつまずき地点、中2は評定を1つ上げる条件、中3は内申と合格ラインの差
- 先生の遠回しな言い方は、その場で確認して具体化する——「届かない、で合っていますか」
- 厳しいと言われたら、叱らない・約束させない・黙って帰らない。「家で何を、いつまでに」を一緒に決める
- 本番は面談後72時間——メモ化 → 1教科に絞る → 予定に書き込む
三者面談は、お子さんが評価される場ではありません。先生・保護者・本人の3人が、次の3か月の設計図を一緒に描く場です。15分をそう使えたご家庭は、次の通知表で数字が動きます。
面談で言われた課題を、そのままお聞かせください
「何を優先すればいいか」までは分かっても、その1教科をどこまで戻って埋めるかは、家庭では判断が難しい部分です。
全国家庭教師協会では、三者面談で先生に言われた内容をそのままお伝えいただければ、いまのつまずきがどの単元まで戻るのかを特定し、次の定期テストまでの学習プランを無料体験授業でご提案しています。成績が上がらなければ授業料免除の成績保証制度もご用意しています。
【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。
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