執筆・監修:小川 真理子先生(受験アドバイザー/指導歴15年)
「何から手をつければいいか」を、現実的な学習計画に翻訳するのが役目。
推薦や私立の面接に向けて、「長所と短所を教えてください」の答えを考えはじめた。長所はなんとか書けたのに、短所のところで手が止まっている——そんな中3の人に向けて書いています。
先に答えを書きます。長所も短所も1つずつ、それが出た出来事と一緒に言います。そして、答えの最後は、短所を直すために今していることで終えます。
ただ、気をつけたいのは、どの短所を選ぶかです。選び方によっては、正直に答えたのに「高校に入ってから困りそうだ」と受け取られやすくなります。言ってよい短所と避けたい短所の分かれ目は、この記事の真ん中で書きます。
もう1つ。短所を答えたあと、面接官が続けて聞くことがある質問があります。例文を写しただけの答えは、その質問で止まりやすくなります。どんな質問か、どう備えるかは後半で書きます。
まず結論(一問一答)
Q. 長所と短所の質問では、何を言えばいいですか?
A. 長所を1つと短所を1つ、それぞれ出来事と一緒に言います。 最後は、短所を直すために今していることで終えます。
Q. 短所は正直に言っていいですか?
A. 正直に言ってかまいません。 ただし、時間を守る・提出物を出すといった、高校で毎日求められることに直接ふれる短所は避けます。どこで線を引くかは、短所の選び方の章で書きます。
Q. 「短所はありません」と答えてもいいですか?
A. その答えは避けてください。 自分のことをよく見ていない、と受け取られやすくなります。
Q. 長所と短所が、同じ性格の裏返しになってもいいですか?
A. かまいません。 ただし、長所と短所で話す出来事は、別のものを用意します。
Q. ネットや本の例文を、そのまま使っていいですか?
A. そのままは使わないでください。 借りるのは文の順番だけです。短所・出来事・直すための行動は、自分のものに入れ替えます。
長所・短所の質問で、面接官が確かめていること
面接全体で何が見られているかは、高校受験の面接で聞かれること【質問集20】(面接で見られている3つのこと)にまとめています。当日の入退室や服装の作法は、高校受験の面接マナー(入退室・服装)にあります。この記事では、長所と短所の質問だけを扱います。
長所と短所の質問で伝わるのは、次の2つです。
- 自分のことを、出来事で説明できるか。 「明るい」「真面目」と言うだけでなく、それが出た場面を言えるかどうかです。
- 短所に対して、自分で手を打っているか。 短所があること自体より、それにどう向き合っているかが伝わります。
立派な長所や、小さな短所を探す必要はありません。
——では、この2つを、どんな文で言えばいいのか。文の形は、もう決まっています。
答え方は3文——長所・短所の質問に当てはめる
答えの形は、面接で聞かれることをまとめた記事にある「結論→具体→つなぎ」の3文構成を使います。この記事の長所と短所の例文は、すべてこの形で書いています(例文は、どれも当協会が説明のために作ったもので、実在の生徒の答えではありません)。
| 3文構成 | 長所を言うとき | 短所を言うとき |
|---|---|---|
| 結論 | 長所を1つ | 短所を1つ |
| 具体 | それが出た出来事 | それで困った場面 |
| つなぎ | 高校でどう生かすか | 直すために今していること |
長所と短所を続けて聞かれたときは、長所のつなぎを省き、短所の3文で終えます。最後に聞こえるのが、直すための行動になるからです。数を言われなければ、長所も短所も1つずつにします。
たとえば、長所と短所を続けて聞かれたら、次のようになります。
①私の長所は、いくつかの方法を比べてから決められるところです。(長所の結論)
②修学旅行の班の行き先を決めたとき、3つの案の移動時間を調べて表にし、全員が納得できる案を選べました。(長所の具体)
③短所は、優柔不断なところです。(短所の結論)
④友達と昼食の店を選んだときも、なかなか決められずに、話し合いを長引かせてしまいました。(短所の具体)
⑤今は、小さなことは先に時間を決めてから選び、大事なことだけ時間をかけて比べるようにしています。(短所のつなぎ)
⑤のように、短所の最後の1文は「今は、〜しています」の形にします。前に1回やったことではなく、今も続けていることを言うのがポイントです。長所と短所は同じ性格の裏返しですが、②と④の出来事は別のものにしてあります。

——形が決まったら、次は中身です。短所は、どれを選んでもいいわけではありません。
短所の選び方——言ってよい短所、避けたい短所
ここからは、当協会の考えです。どの短所がどう受け取られるかは、学校や面接官によって違います。そのうえで、選ぶときの線を1本引いておきます。
避けたいのは、高校で毎日求められることに、直接ふれる短所です。
| 避けたい短所の例 | 高校で毎日求められること |
|---|---|
| 遅刻が多い | 時間を守る |
| 提出物を期限までに出せない | 期限を守る |
| 約束を忘れてしまう | 約束を守る |
| カッとなって、人を傷つける言い方をしてしまう | 人を傷つけない |
こうした短所は、正直に答えたのに「高校に入ってから困りそうだ」と受け取られやすくなります。リードで「正直に答えたのに」と書いたのは、この種類の短所のことです。
言ってよいのは、性格や物事への向き合い方の短所です。人見知り、心配性、負けず嫌い、飽きやすい、優柔不断、頑固、せっかち、マイペース——この記事で例文を載せているのも、この種類です。
選んだ短所は、次の3つで確かめます。3つとも「はい」なら、言ってよい短所です。
- それで困った場面を、1つ言えるか
- 直すために今していることを、1つ言えるか
- その場面は、時間・期限・約束を守れなかった話や、人を傷つけた話とは別の場面か
同じ短所の名前でも、場面によって分かれます。たとえば「マイペース」でも、困った場面が「提出物が期限に間に合わなかった」なら、避けたい側に入ります。「忘れ物が多い」も同じで、困った場面が宿題や提出物なら、避けたい側に入ります。場面を作るのではなく、ほかに本当に困った場面がないかを探してください。
「頑張りすぎるところです」のような、短所に見えにくい短所にも気をつけます。それだけでは、困った場面が伝わりません。言うなら、それで本当に困った場面を1つ添えます。
——短所が決まったら、もう1つ用意しておくと話しやすくなるものがあります。同じ性格を、長所の側から見た言葉です。
長所と短所は裏返し——言い換え表と、長所の例文
1つの性格には、困る面と役に立つ面があります。言い換えは、短所をごまかすためのものではありません。同じ性格の両面を、自分で分かっているということです。
| 短所 | 長所の側から見ると |
|---|---|
| 人見知り | 相手の話をよく聞ける |
| 心配性 | 準備を早めに始められる |
| 負けず嫌い | 目標に向かって粘れる |
| 飽きやすい | 新しいことに進んで取り組める |
| 優柔不断 | いくつかの方法を比べてから決められる |
| 頑固 | 自分の考えをはっきり言える |
| せっかち | 思い立ったらすぐ動ける |
| マイペース | 周りに流されずに続けられる |

使い方は2つです。
- 長所が思いつかないときは、左の列から自分に当てはまる短所を探し、右の列を長所の候補にします。
- 長所と短所を続けて言うときは、裏返しの組にしてもかまいません。ただし、出来事は別のものにします。同じ出来事で両方を言うと、続けて質問されたときに話すことがなくなりやすいからです。
短所を聞かれたのに、右の列の言葉だけを言って終えるのは避けます。短所の質問に答えていないことになるからです。
右の列のうち7つを長所として話すと、次のようになります(優柔不断の裏返しは、答え方の章の例文にあります)。
相手の話をよく聞ける(人見知りの裏返し)
①私の長所は、相手の話をよく聞けるところです。②班長として班の話し合いを進めたとき、全員の意見を聞いてから案をまとめたので、決まったあとに反対が出ませんでした。③高校でも、話し合いでは先に人の意見を聞いてから自分の考えを言うようにしたいです。
準備を早めに始められる(心配性の裏返し)
①私の長所は、準備を早めに始められるところです。②合唱コンクールで指揮者になったとき、本番の1か月前から練習の予定表を作り、毎週クラスで確かめました。③高校でも、行事や課題は早めに予定を立てて進めたいと考えています。
目標に向かって粘れる(負けず嫌いの裏返し)
①私の長所は、目標に向かって粘れるところです。②陸上部で100メートルの記録が半年伸びなかったときも、スタートの練習を毎日続けて、3年の大会で自己ベストを出せました。③高校でも、結果がすぐに出ないことほど、やり方を変えながら続けたいと考えています。
新しいことに進んで取り組める(飽きやすいの裏返し)
①私の長所は、新しいことに進んで取り組めるところです。②中学2年の職場体験では、希望者の少なかった保育園を選び、子どもに読み聞かせをする係を引き受けました。③高校でも、初めての活動に自分から加わりたいと思っています。
自分の考えをはっきり言える(頑固の裏返し)
①私の長所は、自分の考えをはっきり言えるところです。②学級会でそうじ当番の決め方を話し合ったとき、全員が同じ回数になる案を理由と一緒に出し、その案に決まりました。③高校でも、話し合いでは自分の考えを理由と一緒に伝えたいです。
思い立ったらすぐ動ける(せっかちの裏返し)
①私の長所は、思い立ったらすぐ動けるところです。②地域の清掃活動のお知らせを見た日に申し込み、同じクラスの友達も2人誘って参加しました。③高校でも、気になった活動には自分から手を挙げたいと思っています。
周りに流されずに続けられる(マイペースの裏返し)
①私の長所は、周りに流されずに続けられるところです。②友達が部活や習い事で忙しくなるなか、図書委員の朝の当番を2年間続け、貸し出しの記録を毎回つけました。③高校でも、自分で決めたことは周りに合わせてやめずに続けたいと考えています。
——では、短所のほうは、実際の文にするとどうなるのか。短所ごとに見ていきます。
短所別の例文——人見知り・心配性・負けず嫌い など7つ
どの例文も、①短所(結論)②困った場面(具体)③直すために今していること(つなぎ)の3文です。
人見知り
①私の短所は、人見知りなところです。②中学2年でクラスが変わったとき、1か月ほど自分から話しかけられず、班で意見を出すのが遅れました。③今は、新しい場では最初の日に1人だけ、自分から話しかけるようにしています。
心配性
①私の短所は、心配性なところです。②テストの前の日に、終わった範囲を何度も見直してしまい、寝るのが遅くなることがありました。③今は、見直す範囲を前の日の夕方に紙に書き出し、書いた分が終わったら寝るようにしています。
負けず嫌い
①私の短所は、負けず嫌いなところです。②部活の練習試合で負けたとき、悔しさが顔に出てしまい、片付けのあいだ誰とも話さなかったことがありました。③今は、試合のあとはまず仲間と相手に声をかけ、悔しかった点は家でノートに書くようにしています。
飽きやすい
①私の短所は、飽きやすいところです。②中学1年で始めたギターの練習が、2週間ほどで止まってしまったことがあります。③今は、何かを始めるときは最初の1か月の目標を決めて、カレンダーに書くようにしています。
頑固
①私の短所は、頑固なところです。②文化祭の出し物を決める話し合いで、自分の案にこだわり、ほかの人の案をなかなか聞けなかったことがありました。③今は、話し合いでは自分の案を言う前に、ほかの人の案の良いところを1つ口に出すようにしています。
せっかち
①私の短所は、せっかちなところです。②数学の問題を早く解こうとして、問題文を最後まで読まずに解き始め、聞かれていないものを答えてしまったことが何度もありました。③今は、問題文の「求めなさい」の部分に線を引いてから、解き始めるようにしています。
マイペース
①私の短所は、マイペースなところです。②体育祭の練習で、自分の動きを確かめるのに集中してしまい、全体の合図に気づくのが遅れたことがありました。③今は、みんなで動くときは、始める前に周りの人の動きを一度見るようにしています。
例文の場面をそのまま話すと、次の章で紹介する続けての質問に、2つ目の場面で答えられなくなります。 使ってよいのは3文の順番だけです。短所・場面・行動の3つは、自分の中学校生活から選び直してください。
短所の3文が書けたら、入試の勉強のことも1つ話しておく
書いた紙をおうちの人に見せたら、入試までの勉強をどう進めるかも、一緒に話してみてください。全国家庭教師協会の「高校入試対策」は、各県の最新の受験情報も踏まえて進める中学生コースの指導です。
▶ 中学生コースの「高校入試対策」を見る
——例文の形が分かったところで、最後にもう1つ。短所を答えたあとに、面接官が続けて聞くことがある質問です。
短所を言ったあとの追加質問——3つの聞かれ方と、答えを広げる材料
短所を答えると、面接官がそこから続けて質問することがあります。何を聞かれるかは学校や面接官によって違いますが、次の3つの形に備えておくと、話が途切れにくくなります(質問も答えも、当協会が作った例です)。
- 「たとえば、どんなときですか?」——2文目の場面を、いつ・どこで・誰と、の3つまで詳しく話します。
- 「最近、それが出たのはいつですか?」——2文目とは別の、最近の場面をもう1つ話します。
- 「直そうとして、何か変わりましたか?」——小さな変化を1つ話します。まだ直りきっていなくてもかまいません。
リードで「続けて聞くことがある質問」と書いたのは、2つ目です。例文を写しただけの答えには、2つ目の場面がありません。だから、ここで言葉が止まりやすくなります。
備えは2つで足ります。最近の場面をもう1つと、直そうとして変わったことを1つです。人見知りの例文に、2つ目と3つ目の質問が続いたとすると、次のようになります。
面接官:最近、それが出たのはいつですか?
受験生:夏に参加した高校のオープンスクールで、ほかの中学校の人と同じ班になったときです。最初は黙っていましたが、休憩のときに隣の人に自分から話しかけたら、そのあとは班の発表の分担を話し合えました。
面接官:直そうとして、何か変わりましたか?
受験生:前はクラスが変わってから1か月ほど話しかけられませんでしたが、今は最初の日に1人とは話せるようになりました。
2つ目の答えの「隣の人に自分から話しかけた」は、例文の3文目で言った「今していること」と同じ行動です。今していることが本当なら、最近の場面も自然に出てきます。
長所にも、続けて質問されることがあります。「ほかに、その長所が出た場面はありますか?」と聞かれたときのために、長所の出来事も2つ目を用意しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
長所が思いつきません。
長所は、人と比べて目立つことでなくてかまいません。言い換え表の左の列から自分に当てはまる短所を探し、右の列を長所の候補にしてください。おうちの人に「自分のいいところを1つ挙げるなら?」と聞いてみるのも1つの方法です。
「短所を2つ教えてください」と言われたら?
2つ目も、同じ3文の形で答えます。2つとも、短所の選び方の章の3つの確かめに通るものを選びます。友達との場面と勉強の場面のように、場面の種類が違う短所を2つ用意しておくと、話が重なりません。
集団面接で、前の人と同じ短所だったら?
変えなくてかまいません。同じ「人見知り」でも、困った場面と直すための行動は、人によって違います。その場で別の短所に替えると、場面も行動も用意していない答えになりやすくなります。
書類に書いた長所と、面接で言う長所は同じでいいですか?
同じ長所にしてください。書類と面接で長所が違うと、どちらが本当なのかが伝わりにくくなります。書類の書き方は高校の志望理由の書き方と例文(志願理由書・面接で使える型)(保護者向けの記事です)、話す長さを指定された自己PRは高校受験の自己PR(面接で30秒・1分で話す組み立て)にまとめています。
推薦入試の面接でも、答え方は同じですか?
答え方は変わりません。面接があるか、どんな形で行うかは学校によって違うので、受ける学校の募集要項で確かめてください。推薦入試を受けるかどうかの考え方は、保護者向けの高校受験の推薦入試(保護者が見る判断基準)にあります。
そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。
まとめ|長所も短所も1つずつ。短所は「今していること」で終える
- 長所も短所も1つずつ、出来事と一緒に言います
- 短所の答えは、短所→困った場面→直すために今していること、の3文です
- 時間・期限・約束を守れなかった話や、人を傷つけた話になる短所は避けます
- 長所と短所は同じ性格の裏返しでもかまいません。出来事は別のものにします
- 例文は文の順番だけを借り、場面と行動は自分のものにします
- 「最近、それが出たのはいつですか?」に備えて、2つ目の場面を用意します
今日することは1つです。短所を1つ選び、直すために今していることを1行で書いてください。
保護者の方へ——家族から見た長所を1つ渡す
ここから先は、保護者の方へ向けた内容です。
お子さんが長所と短所の答えを考えはじめたら、お願いしたいことは1つです。家で見ていて長所だと思うところを、そのときの場面と一緒に1つ伝えてください。「◯◯のとき、最後まで△△していたよね。あれはいいところだと思う」という言い方です。長所が思いつかないお子さんにとって、場面つきの一言は、そのまま答えの材料になります。
反対に、控えていただきたいことが2つあります。1つは、短所を保護者の側から言うことです。「あなたの短所は◯◯でしょう」と言われると、お子さんは自分で選ぶ前に、その言葉を使いやすくなります。もう1つは、答えの文を代わりに作ることです。本人の言葉でない文は、続けて質問されたときに崩れやすくなります。
面接に限らない受験期の関わり方は、高校受験で親ができることにあります。
答えの準備と並行して、入試の勉強を進めるなら
長所と短所の答えは、ご家庭で準備できます。短所を選び、場面と行動を書くところまでは、お子さん本人の手で進められます。
そのあいだも、入試に向けた教科の勉強は続きます。全国家庭教師協会の中学生コースの「高校入試対策」は、一般入試だけでなく、推薦入試や特色選抜での進学を目指すお子さんにも対応しています。まずは無料体験で、ご相談ください。
話を聞いてみようと思われたときに
相談だけのご利用も歓迎です。
【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。


コメント