小学生の偏差値の見方|全国統一小学生テストの結果と、偏差値40・50・60の受け止め方

小学生の偏差値の見方|全国統一小学生テストの結果と、偏差値40・50・60の受け止め方 勉強法

執筆・監修:小川 真理子先生(受験アドバイザー/指導歴15年)
「何から手をつければいいか」を、現実的な学習計画に翻訳するのが役目。

受けた塾から返ってきた成績表を、夕食のあとテーブルに広げた。学校のテストではいつも90点前後なのに、ここでは点数が思ったより低く、偏差値は48——。全国統一小学生テストの結果を前に、「この数字は、いいの? 悪いの?」と手が止まった小学生の保護者の方に向けて書いています。

先に答えを書きます。偏差値50は、このテストを受けた子のほぼ真ん中です。悪い数字ではありません。 点数が低く見えるのにも、はっきりした理由があります。

ただ、この偏差値を「全国の小学生の中で、上から何番目か」と読むと、受け止め方を間違えます。なぜそう言えるのか。手がかりは、テストの公式ページにある、受けている子どもたちについての一文です。「誰が受けたか」の章で紹介します。

もう1つ。成績表には、偏差値より先に見てほしい欄があります。次の勉強を決めるのは、その欄です。

まず結論(一問一答)

Q. 小学生の偏差値50は、どのくらいですか?
A. そのテストを受けた子の、ほぼ真ん中です。 偏差値は、平均点をとった子がちょうど50になるように計算する数字です。全国統一小学生テストは、公式ページで「結果は正規分布し」と説明されているテストなので、50はおよそ真ん中の位置と読めます。悪い数字ではありません。

Q. 偏差値40は、どのくらいのレベルですか?
A. 受けた子の中では、平均より下の位置です。 点数が平均のまわりに集まるテストなら、下からおよそ16%のあたりです(目安)。ただ、1回の偏差値は、その回の問題との相性や、受けた子の顔ぶれでも動きます。40のときに見るのは、どの分野で点を落としたかです。

Q. 小学生の偏差値の平均は、いくつですか?
A. どのテストでも、平均点の子が50です。 偏差値は、そう決めて計算する数字だからです。ただし、同じ50でも、どんな子が受けたテストかによって、表している学力は違います。

Q. 全国統一小学生テストで偏差値60は、どのくらいですか?
A. 受けた子の中で、上からおよそ16%の位置です(目安)。 点数が正規分布するときの換算です。ただし、これは受けた子の中での位置です。学校の成績や、志望校の偏差値には置き換えません。

Q. 学校のテストは90点なのに、なぜ点数が低いのですか?
A. テストの作り方が違うからです。 全国統一小学生テストは、平均点が配点の何%になるかを学年ごとに目安として決め、その目安に合わせて問題を作っていると、公式ページに書かれています。年長生80%、1年生70%、2・3年生60%、4・5・6年生55%です。学校のテストと同じ感覚で点数を見ると、低く見えます。

偏差値とは——定義は1段落だけ

偏差値は、テストを受けた人の中で、自分の点数が平均からどれだけ離れているかを表す数字です。平均点ならちょうど50、平均より上なら50より大きく、下なら小さくなります。点数が平均のまわりに集まるテストでは、偏差値を「上から何%の位置か」に置き換えることもできます(60ならおよそ上位16%)。そして、同じ学力でも、受けた人の集団(母集団)が違えば、偏差値は変わります。計算の式や、偏差値と上位何%の対応表は、中学生向けの記事模試の偏差値の見方(平均との差・上位何%・母集団)にまとめています。

この記事で大事なのは、最後の「受けた人の集団」です。小学生の偏差値は、ここで読み方が決まります。

小学生の模試の偏差値は「誰が受けたか」で決まる——全国統一小学生テストの対象

全国統一小学生テストは、四谷大塚が主催するテストです。公式ページの実施要項では、対象は「小学1~6年生、年長生」、受験料は「無料招待」とされています。学年のほかに、受ける条件は書かれていません。中学受験をする予定があるかどうかも、条件ではありません。

では、実際に受けているのは、どんな子どもたちなのでしょうか。公式ページのQ&Aには、こう書かれています。

「全国統一小学生テストでは、自ら果敢にチャレンジをする意識の高い子どもたちが受験するため、平均点は年長生が配点の80%、1年生が70%、2・3年生が60%、4・5・6年生が55%を目安に試験問題を作成しています。」

リードで「手がかりになる一文」と書いたのは、この前半です。誰でも申し込めるテストですが、実際に受けるのは、申し込んだ子どもたちです。公式自身が、その子どもたちを「意識の高い子どもたち」と説明しています。

ですから、このテストの偏差値は、同じ学年で受けた子の中で出す「受けた子の中での位置」です。「全国の小学生全体の中での位置」ではありません。 公式ページには「全国規模で自分の位置を明確に把握することができます」ともあります。この記事では、この「全国」を、全国から受けた子の集団として読みます。偏差値50は受けた子のほぼ真ん中で、全国の小学生の真ん中かどうかは、このテストからは分かりません。たとえば、受けた子の多くが学校の授業より先の内容まで勉強していたとすると、学校の授業についていけている子でも、偏差値は50を下回ることがあります。偏差値は、受けた子の集団をものさしにした数字だからです。

同じ理由で、別のテストの偏差値とは比べません。 中学受験をする子が中心に受ける模試と、このテストとでは、受けている子の集団が違います。どちらの数字が高く出るか、低く出るかを決めつける根拠も、この記事は持っていません。比べるのは、同じテストの前回と今回です。学校のテストの点とも、そのままは比べられません。受けている子の集団も、テストの作り方も違うからです。

——受けている子が分かると、もう1つの疑問が解けます。学校のテストより、点数が低く見える理由です。

点数が低く見えても——学年ごとに、平均点を配点の55〜80%に置いて作られている

先ほどの公式の一文の後半を、もう一度見てください。このテストは、平均点が配点の何%になるかを、学年ごとに目安として決めて作られています。

学年 平均点の目安(配点に対して)
年長生 80%
1年生 70%
2・3年生 60%
4・5・6年生 55%

全国統一小学生テストが、平均点を配点の何%に置いて問題を作っているかを学年ごとに示した棒グラフ。公式の目安は、年長生80%、1年生70%、2年生と3年生60%、4年生から6年生55%で、学年ごとに55〜80%と違う。4〜6年生は配点を100点に置き換えると55点前後が平均になる目安であること、数字は公式ページのQ&Aにある目安で実際の平均点は回と学年で上下すること、学年をまたいで得点だけを比べないことを注記した、小学生の偏差値と点数の見方の図

たとえば5年生なら、配点を100点に置き換えて55点前後が平均になるように作られている、ということです(算数と国語は150点満点、理科と社会は100点満点です)。学校のテストでいつも90点のお子さんが、ここで配点の6割(100点に置き換えて60点)だったとしても、それだけで「できていない」とは言えません。点数は、平均点と並べて初めて読めます。

注意したいことが2つあります。

  1. これは「目安」です。 実際の平均点は、回と学年によって上下します。その回の平均点が成績表に載っていれば、そちらで確かめてください。
  2. 学年で目安が違います。 55%は4〜6年生の目安で、年長生は80%、1年生は70%です。低学年ほど、平均点は高めに置かれています。きょうだいの点数を比べるときや、去年の点数と比べるときは、この違いを頭に入れておいてください。

公式ページは、このテストを、基本問題から応用問題まで出題し、どこを理解していて、どこでつまずいているかを学年ごとに明らかにするテストだと説明しています。点数より、どこでつまずいたかを見るためのテストだということです。

——点数の低さに理由があると分かったら、次は成績表です。偏差値より先に見てほしい欄は、7つの項目の4番目にあります。

成績表の項目を順に読む——全国順位・都道府県別順位・偏差値・領域別成績

成績表は、受けた塾から返されます。公式ページの案内では「最短、テスト実施から8日で返却。」、ただし「受験された塾によっては少し遅れる場合があります。」とされています。

公式ページの「提供資料」には、次の7つが並んでいます。

①全国順位 ②都道府県別順位 ③偏差値 ④領域別成績 ⑤講評 ⑥解答解説 ⑦テスト結果分析

公式ページには「※成績表は変更になる場合がございます」ともあります。手元の成績表と名前や並びが違うときは、近い欄に置き換えて読んでください。読む順番は、次の4段です。

1. 位置を見る——③偏差値と、①②の順位
偏差値は、ここまでに書いたとおり、受けた子の中での位置です。順位も、受けた子の中での順番です。都道府県別順位は、その都道府県で受けた子の中での順位です。受けた人数は都道府県によって違うので、同じ順位の数字でも、表している位置は同じではありません。前回と比べるときは、順位より偏差値を使ってください(成績表に全国と都道府県別の欄があれば、同じ欄どうしで)。受けた人数は、回ごとに違うことがあるからです。

2. 場所を見る——④領域別成績
リードで「偏差値より先に見てほしい欄」と書いたのが、ここです。名前のとおり、教科の中の分野(領域)ごとの成績です。偏差値は「どのくらいの位置か」を教えてくれますが、「次に何をするか」は教えてくれません。それを教えてくれるのが、この欄です。教科ごとに、ほかの分野より出来の低い分野を1つ探します。

3. 1問に絞る——⑥解答解説
2で見つけた分野の中から、間違えた問題を1つだけ選び、解答解説を見ながら解き直します。全部を解き直す必要はありません。

4. ことばで確かめる——⑤講評と⑦テスト結果分析
1〜3で見たことを、講評やテスト結果分析の文章で確かめます。中身は回によって違うことがあるので、手元のものを読んでください。

全国統一小学生テストの成績表を、保護者が読む4段に分けた図。公式ページの提供資料にある7つの項目(①全国順位、②都道府県別順位、③偏差値、④領域別成績、⑤講評、⑥解答解説、⑦テスト結果分析)を左に並べ、右の4段につないでいる。1段目は位置を見る(③偏差値と①②の順位。受けた子の中での位置で、前回と比べるときは順位より偏差値で)、2段目は場所を見る(④領域別成績。教科ごとに、ほかより出来の低い分野を1つ探す。偏差値より先に見てほしい欄)、3段目は1問に絞る(⑥解答解説。その分野で間違えた問題を1問だけ解き直す)、4段目はことばで確かめる(⑤講評と⑦テスト結果分析)。項目名は公式の呼び方で、成績表は変更になる場合があること、偏差値と順位は受けた子の中での位置と順番であることを注記した、小学生の偏差値の見方の図

——読む順番が決まったら、残るのは数字そのものの受け止め方です。

偏差値40・50・60をどう受け止めるか——次の回と、どう比べるか

3つの数字を、受けた子の中での位置として並べると、次のようになります(点数が正規分布するときの目安)。

偏差値 受けた子の中での位置(目安) 成績表で次に見るところ
60 上からおよそ16% 領域別成績で、ほかより低い分野が残っていないか
50 ほぼ真ん中 領域別成績で、分野ごとの出来の差
40 下からおよそ16% 領域別成績で、点を落とした分野がどこか

45や55、70のような間の数字も、50からどれだけ離れているかで同じように読みます。対応表は、「偏差値とは」の章で紹介した中学生向けの記事にあります。どの数字でも、次に見るのは領域別成績です。偏差値で分かるのは「受けた子の中で、どのくらいの位置か」までです。志望校や、中学受験に向いているかどうかは、この数字からは決めません。

受け止め方の決まりは3つです。

  1. 1回で判断しない。 1回の偏差値は、その回の問題との相性や、受けた子の顔ぶれでも動きます。2回、3回と続けて同じ向きに動いたときに、初めて傾向として読みます。
  2. 比べるのは、同じテストの次の回。 公式のQ&Aには、前回と同じ受験番号で続けて受けると、返ってくる成績帳票に「これまでの科目別の得点が表示され、学力の推移を見ることができます。」とあります。今回の受験番号を、成績表と一緒に控えておいてください。次に申し込むとき、その番号を使えるかどうかは、申し込む先で確かめます。
  3. 得点の上下だけでなく、偏差値と領域別成績で比べる。 平均点の目安は学年で変わります。3年生から4年生に上がると、目安は配点の60%から55%に変わります。成績表に前回までの得点が並んでいても、学年をまたいで得点の上下だけを比べると、変化を読み違えます。

お子さんに結果を伝えるときは、数字より先に、いちばん出来のよかった分野を言います。たとえば「計算のところは、ほとんど合ってたね。図形のところを、1問だけ一緒に見てみようか」。言葉はこのままでなくてかまいません。お子さんの成績表にある分野の名前に入れ替えてください。

年長生と1・2年生のお子さんは、偏差値の上下より、領域別成績で、どの分野が身についているかを見てください。

領域別成績で弱かった分野が、学校の授業のどこに当たるか
全国家庭教師協会の小学生コース「学校授業サポート」では、お子さんが使っている教科書に沿って、授業で分かりにくかった部分を1対1で扱います。
▶ 小学生コースの「学校授業サポート」を見る

——では、成績表を受け取ったその日に、家では何をすればいいのでしょうか。

結果を受け取った日に、家でやること

結果を受け取った日にすることは、3つだけです。

  1. 領域別成績で、出来の低い分野を1つ選ぶ。 2つ以上あっても、今日は1つにします。
  2. 学校の教科書で、同じ分野の単元を探す。 すでに習った単元なら、教科書の例題を1問、お子さんに解いてもらいます。まだ学校で習っていない単元だったら、今は追わなくてかまいません。
  3. その分野で間違えた問題を1問、解答解説を見ながら解き直す。 保護者が解き方を説明するのではなく、お子さんに「どう考えたか」を話してもらいます。解き直せたら、その日はそこまでにします。

公式ページは、成績表で、お子さんが解けたはずの問題を示し、どの問題から復習すればよいかを提案すると説明しています。手元の成績表にそうした欄があれば、3の1問はそこから選んでください。

算数で、4年生の単元(わり算の筆算・小数・分数・がい数・角の大きさ・面積)に×が集まっていたら、小4算数でつまずきやすい6単元と、家庭でできる確かめ方に、単元ごとの1問チェックがあります。分数に×が集まっていたら、分数の教え方(つまずく場所と、家庭で教える順番)も参考にしてください。

結果を受け取った日に、点数や偏差値の話をお子さんと長くする必要はありません。

よくある質問(FAQ)

志望校の偏差値と、このテストの偏差値を比べてもいいですか?

比べないでください。志望校の偏差値は、どのテストの受験者をもとにした数字かで変わります。全国統一小学生テストの偏差値は、このテストを受けた子の中での位置です。集団が違う数字どうしは並べられません。なお、公式ページには「※小学6年生は志望校判定も行います。」とあります。判定の読み方は、受けた塾の説明で確かめてください。

中学受験を考え始めました。何から決めればいいですか?

中学受験を目的にするなら、いつから何を始めるかと、その前に家庭で決めておくことがあります。小学生の塾はいつから(目的①中学受験)にまとめています。このテストの偏差値だけで、中学受験をするかどうかは決めないでください。

うちの子が中学受験に向いているかは、偏差値で分かりますか?

偏差値だけでは分かりません。向いているかどうかは、学力のほかに、3年間続けられる生活かどうか、家庭が送迎や費用を引き受けられるかでも変わります。子ども側と家庭側の両方を確かめるチェック表を、中学受験に向いてる子・向かない子(チェック表)に載せています。

何年生から受ければいいですか?

公式の対象は、年長生から小学6年生までです。何年生から受けるべきかは、この記事では決めません。受けるなら、同じテストを続けて受けると、前回のお子さん自身と比べられます。

偏差値が前回より下がりました。どこを見ればいいですか?

3つの順に見ます。①得点が下がったのか、偏差値だけが下がったのか。得点が同じでも、その回の平均点や受けた子の出来によって、偏差値は動きます。②学年が変わった回なら、平均点の目安も変わっています(たとえば3年生は配点の60%、4年生は55%)。③領域別成績で、前回と同じ分野で点を落としていないか。同じ分野が続いていたら、その分野の単元を学校の教科書で確かめます。1回の下がり方では判断しません。

そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。

まとめ|偏差値は「受けた子の中での位置」。次の一手は領域別成績に書いてある

  • 偏差値50は、受けた子のほぼ真ん中で、悪い数字ではありません。60はおよそ上位16%、40は下からおよそ16%の位置です(目安)
  • 全国統一小学生テストの偏差値は、受けた子の中での位置で、全国の小学生全体の中での位置ではありません。別のテストの偏差値や、志望校の偏差値とは比べません
  • 点数が低く見えるのは、平均点を配点の55〜80%(学年で違います)に置いて作っているからです
  • 成績表は、位置(偏差値・順位)、場所(領域別成績)、1問(解答解説)、ことば(講評・テスト結果分析)の順に読みます
  • 比べるのは、同じテストの次の回です。得点の上下だけでなく、偏差値と領域別成績で比べます

成績表が手元にあるなら、最初にすることは1つです。領域別成績を開き、出来の低い分野を1つだけ選んでください。まだ返ってきていなければ、返ってきた日に、この記事の4段の順番で開いてみてください。

弱かった分野を、学校の教科書の単元までたどれたら

ここまでのことは、ご家庭だけで進められます。成績表の読み方にも、1問の解き直しにも、外の力は要りません。

領域別成績で見つけた分野を、学校で習った単元から確かめ直したい——そう思われたときに、1対1の家庭教師という方法もあります。全国家庭教師協会の小学生コースでは、お子さんが使っている教科書に沿って授業の分かりにくかった部分を扱う「学校授業サポート」をはじめ、学年や目的に合わせた指導をご案内しています。

話を聞いてみようと思われたときに

相談だけのご利用も歓迎です。

【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました