受験期のプレッシャーと親の声かけ|メンタルが崩れる前に家庭でできること

受験期のプレッシャーと親の声かけ|メンタルが崩れる前に家庭でできること 勉強法

執筆・監修:佐伯 悠介先生(学習コーチ/指導歴8年)
勉強の前に「机に向かえる仕組み」から。つまずいた子の伴走が専門。

模試を受けて帰ってきた日曜の夜。「おかえり」と言ったきり、お子さんは封筒を持ったまま部屋に入っていった。「どうだった?」と聞きかけて、やめた——中3のお子さんをお持ちの、お母さん・お父さんへ。

先に結論をお伝えします。受験期のプレッシャーは、お子さんの心が弱いから起きているのではありません。 この時期には、ふだんの生活にはない種類の圧が、まとめてかかります。ですから家庭がやることは2つだけです。気づくことと、その場の一言を変えること

ただし——よかれと思ってかける言葉のうち、いくつかは逆に効きます。 それがどの場面のどの一言なのかは、記事の中ほどでお伝えします。

もうひとつ。この時期の「口数が減る」「イライラする」「部屋にこもる」は、反抗期の変化と見分けがつきにくいという問題があります。見分けるための3つの軸も用意しました。

※この記事は、医学的な診断や治療について述べるものではありません。お伝えできるのは、ご家庭で観察できることと、相談できる先の種類までです。

  1. まず結論(一問一答)
  2. 受験期のプレッシャーは「本人の弱さ」ではない
  3. 崩れる前に出る、3段階のサイン
    1. 反抗期の変化との見分け方——3つの軸
  4. やってはいけない声かけと、言い換え——受験期の4場面
    1. 場面①:模試の判定が下がった日
    2. 場面②:勉強していないように見えるとき
    3. 場面③:志望校を下げる話をするとき
    4. 場面④:本人が「もう間に合わない」と言い出したとき
  5. 「動かない」は、サボりではなく消耗のことがある
  6. 親のほうが不安なとき——伝わる経路と、逃がし先
  7. 生活のリズムだけは、家庭が守れる
  8. それでも戻らないとき、相談できる先の”種類”
    1. ① 学校の中の窓口
    2. ② お住まいの自治体の教育相談窓口
    3. ③ 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)
    4. ④ 保護者向けに公開されている国の資料
  9. 受験のプレッシャーとは、別の事情が重なっているとき
  10. 保護者ができること——今日1つだけやるなら
  11. 結果が出た後のことは、今は決めなくていい
  12. よくある質問(FAQ)
    1. 受験生のメンタルが崩れやすいのは、なぜですか?
    2. 子どもが何も話してくれません。放っておいていいですか?
    3. 「頭が痛い」と言う日が増えました。どうすればいいですか?
    4. 受験期のイライラは、反抗期とは違うのでしょうか?
    5. 親の私のほうが不安で、眠れません。
  13. まとめ|見るのは「圧」ではなく、サインのほう
  14. 勉強の部分だけ、家の外に出すという選択肢もあります
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まず結論(一問一答)

Q. 受験期に不安定になるのは、うちの子だけですか?
A. いいえ。判定・決断・比較・残り時間という4つの圧が、この時期にまとめてかかります。性格の問題として扱わないことが出発点です。

Q. どこまでが「よくあること」で、どこからが相談したほうがいい状態ですか?
A. 前兆/進行/要相談の3段階に分けて考えると見通しが立ちます。ただし、これは医学的な判断基準ではありません。 段階に関わらず、不安があればいつ相談してもかまいません。

Q. 反抗期と、受験の消耗はどう違いますか?
A. ①その変化が受験期に入ってから始まったか ②親以外(友達・部活・好きなこと)に対しても同じか ③睡眠と食事に及んでいるか——この3つで見分けます。

Q. 何と声をかければいいですか?
A. 場面によって違います。共通しているのは、その場で解決しようとしないこと。受験期に来やすい4つの場面の言い換えを、後半にまとめました。

Q. 親のほうが不安でつぶれそうです。
A. 親の不安は、言葉を飲み込んでも表情・沈黙・質問の量から伝わります。ですから消すのではなく、家の外に逃がし先を作るのが現実的です。

——この5つのうち、いちばん誤解されているのが最初の答えです。「うちの子が弱いのでは」という見立てから始めると、家庭の対応がまるごとずれます。そこから直します。

受験期のプレッシャーは「本人の弱さ」ではない

中3の秋から冬にかけて、お子さんには次の4つの圧が同時にかかっています。どれも、本人の努力や性格ではどうにもならない種類のものです。

① 定期的に、自分の位置が点数になる
模試は数週間おきに来ます。しかも結果は、点数と判定という逃げ場のない形で返ってきます。大人の生活で、これほど短い周期で自分の位置を数値化される場面はそう多くありません。

② 自分で決める場面が、短い期間に集中する
志望校、併願、出願。人生でほぼ初めての「自分で決める」経験が、いちばん疲れている時期にまとめて来ます。決めること自体が体力を使います。

③ 同級生との差が、見えやすくなる
同じ教室の全員が、同じ日に、同じ模試の結果を持っています。ふだんは見えない差が、この時期だけ可視化されます。

④ 残り時間だけが、減っていく
勉強量は増やせても、残り時間は増やせません。努力しても改善しない唯一の数字が、毎日目の前で減っていきます。

この4つは、家庭の努力では取り除けません。取り除けないものを取り除こうとすると、親の側が先に消耗します。 ですから見るのは「圧」ではなく、そこから出てくるサインのほうです。

崩れる前に出る、3段階のサイン

先にお断りしておきます。これは医学的な判断基準ではありません。段階に関わらず、不安があればいつ相談してもかまいません。 ご家庭で観察できることを、気づきやすい順に並べただけのものです。

段階 ご家庭で観察できること
前兆 口数が減る/返事が短くなる/机に向かうまでの時間が長くなる/寝つく時刻が少しずつ遅くなる/好きだったこと(音楽・動画・友達との連絡)への反応が薄い
進行 朝、起きるのがつらそうな日が増える/「頭が痛い」「おなかが痛い」と言う日が増える/食事の量が変わる/模試や提出物の話題を避ける/機嫌の切り替わりが急になる
要相談 学校に行きづらい日が出てくる/睡眠と食事の両方が同時に崩れている/以前は夜になれば戻っていたのに、戻る時間帯が無くなった/本人が「もうどうでもいい」と口にする

もう一度お伝えします。これは医学的な判断基準ではありません。段階に関わらず、不安があればいつ相談してもかまいません。 「要相談まで待つ」ためのものではなく、前兆の段階で気づくための並びです。

受験期に崩れる前に出る3段階のサインを、前兆・進行・要相談の3段で並べた一覧図。前兆は口数が減る、返事が短くなる、机に向かうまでの時間が長くなる、寝つく時刻が遅くなる、好きだったことへの反応が薄い。進行は朝起きるのがつらそうな日が増える、頭が痛い・おなかが痛いと言う日が増える、食事の量が変わる、模試や提出物の話題を避ける、機嫌の切り替わりが急になる。要相談は学校に行きづらい日が出てくる、睡眠と食事が同時に崩れている、夜になっても戻る時間帯が無くなった、本人がもうどうでもいいと口にする。図の中に「これは医学的な判断基準ではありません。段階に関わらず、不安があればいつ相談してもかまいません」という注記を入れた、受験生のメンタルのサインを段階で示した図

観察するときのコツは、項目の数を数えないことです。見るのは、その子のふだんからの変化。もともと口数が少ないお子さんの「口数が減る」は、サインになりません。

反抗期の変化との見分け方——3つの軸

ここがいちばん迷うところです。「イライラする」「口数が減る」「部屋にこもる」は、反抗期の変化としてもよく知られています。見分ける軸は3つあります。

  1. いつから始まったか。 受験期に入ってから急に始まったのか、それより前から続いているのか。受験期に入ってからなら、状況のほうが原因である可能性が高くなります。
  2. 親以外にも同じか。 友達との連絡、部活の仲間、好きだったこと——それらに対しても反応が薄いのか。親に対してだけなら、反抗期の側の説明がつきます。
  3. 睡眠と食事に及んでいるか。 反抗期の変化は、生活の土台までは崩さないことが多いものです。寝る時刻と食事の両方が変わってきているなら、別の見方が要ります。

反抗期そのものへの向き合い方は反抗期で勉強しない中学生への接し方(逆効果になる声かけ3つと言い換え)にまとめています。

なお、どちらか一方に決める必要はありません。 反抗期と受験の消耗は同時に起きます。この3軸は、原因を当てるためではなく、「生活の土台まで来ているかどうか」を見落とさないためのものです。

そして、サインに気づいたあと、いちばん差がつくのは——その日の夜、最初に何と言うかです。

やってはいけない声かけと、言い換え——受験期の4場面

この章の前提を2つ、先に置かせてください。

① その場で解決しようとしないこと。 受験期の会話は、多くの場合その夜に結論を出す必要がありません。急ぐと、次から話してくれなくなります。
② 以下は台本です。 台本どおりに言えなくても、かまいません。

本文では4つの場面を扱います。図には、そのうち3つと、どの場面でも起きる「何を聞いても『別に』としか返ってこないとき」を加えた4行を載せました。模試の判定が下がった日を表に入れていない理由は、場面①でお伝えします。 なお、図の並び順は本文の場面の順番とは対応していません。

場面①:模試の判定が下がった日

この夜に必要なのは、言い換えではありません。何も分析しない時間です。

判定が下がった日の夜、親がやってしまいがちなのは、その日のうちに原因を探し始めることです。「見せて」「どこが悪かったの」「何が解けなかったの」——どれも正しい質問ですが、タイミングだけが間違っています。 本人がいちばん結果を引きずっている時間帯に、もう一度その結果を開かせることになるからです。

  • その夜の一言:「今日はもう見なくていい。ごはんにしよう」

原因を一緒に探す作業は、翌日以降で間に合います。 そして、そのときに見る数字と順番は決まっています。平均点はどうだったのか、母集団は同じか、どの教科で落ちたのか——模試の偏差値の見方(偏差値が下がったとき、親がまず見るところ)にまとめてありますので、翌日以降に開いてください。

この場面を図の対照表に入れていないのは、ここで必要なのが「別の言い方」ではなく「何も言わない時間」だからです。

場面②:勉強していないように見えるとき

先にこの章と、次のH2の役割を分けておきます。この場面②は「口に出す前に、言うかどうかを決める」話です。次の章(動かないのは消耗かもしれない)は「どう見立てるか」という観察の話です。順番としては、見立てる前に、まず一言を止めます。

「見えている行動」と「実際の消耗」は、しばしばずれます。 机に向かっている時間は、必ずしも進んでいる時間ではありません。逆に、ソファでスマホを見ている時間が、休憩ではなく動けなくて止まっている時間のこともあります。

つまり、見えている行動だけでは、どちらか分かりません。 分からない状態で出てくる一言は、たいてい「進み具合の確認」になります。「集中してる?」「今日はどこまでやったの?」——本人には、監視されているという情報だけが届きます。

  • 言う前に確かめること:昨日、何時に寝ていたか。今週、朝起きるのがつらそうな日は何日あったか
  • その場の一言:「休憩、先に取っちゃえば?」

「勉強しなさい」に代わる声かけそのものは、この記事では扱いません。扱うのは、その一歩手前——言うかどうかを決める場面です。

場面③:志望校を下げる話をするとき

この記事は、下げるべきかどうかを判断しません。 いつまでに決めるべきかも書きません。ここで扱うのは切り出し方だけです。

いちばん避けたいのは、親が結論から入ることです。「もう無理そうだから、そろそろ考えよう」は、内容以前に「あなたはもう届かない」という評価として届きます。

  • その場の一言:「今日は決めなくていい。いま何が引っかかってるか、それだけ教えて」

もうひとつ。「決める話」と「様子を聞く話」を、同じ夜に混ぜないでください。 気持ちを聞くつもりで始めた会話が進路の決定に着地すると、次から気持ちの話ができなくなります。

判断の材料そのものは、別の記事に分けてあります。内申の数字をどう扱うかは内申点が足りないと言われたときに確認する5つのこと、志望校の決め方の手順は高校の志望校の決め方5ステップをご覧ください。材料をそろえるのは、この夜ではない日で構いません。

場面④:本人が「もう間に合わない」と言い出したとき

この一言には、否定も肯定もできません。

「まだ間に合うよ」は励ましのつもりでも、本人には話を聞いてもらえなかったという結果だけが残ります。かといって「そうかもね」とも言えません。ですからここでは、評価をやめて、分解に付き合います。

  • その場の一言:「そう思うくらい、しんどいところまで来てるんだね。いちばん重いのはどれ?」

「間に合うか」は答えの出ない問いですが、「いちばん重いのはどれか」は答えが出ます。数学なのか、暗記の量なのか、周りの空気なのか。答えの出る問いに置き換えるだけで、会話は続きます。

なお、残り時間で何をどれくらいやるかという配分の話は、この場面ではしないでください(夏の時点の配分の考え方は中3受験生の夏休みの過ごし方(40日の勉強配分)にまとめています)。この夜に必要なのは計画ではないからです。

受験期の4つの場面について、やってしまいがちな一言と言い換えを並べた対照表の図。1行目は本人がもう間に合わないと言い出したとき、避けたいのはまだ間に合うよと否定すること、言い換えはそう思うくらいしんどいところまで来てるんだね、いちばん重いのはどれ。2行目は志望校を下げる話を切り出すとき、避けたいのはもう無理そうだからそろそろ考えようと親が結論から入ること、言い換えは今日は決めなくていい、いま何が引っかかってるか教えて。3行目は机には向かっているのに進んでいないように見えるとき、避けたいのは集中してる?と進み具合を確認すること、言い換えは休憩、先に取っちゃえば。4行目は何を聞いても別にとしか返ってこないとき、避けたいのは何か言いなさいと返事を求めること、言い換えは話せるようになったら聞かせて、今日はここまでにしよう。模試の判定が下がった日はこの表に含めず本文で扱うと注記した、受験期の親の声かけ言い換え表

4つの言い換えに共通しているのは、その夜に結論を置いていないことです。受験期の会話は、翌日に続けられれば十分です。

——ただ、その前にもう一つ確かめたいことがあります。「やっていない」ように見えるとき、それはやる気の問題ではないことがあるのです。

「動かない」は、サボりではなく消耗のことがある

同じ「勉強していない」でも、中身がまったく違うことがあります。切り分けの軸は、期間です。

  • ① それがいつから始まったか
  • ② 受験期に入る前は、動けていたか
見えている状態 見立て
受験期の前から、あまり動けていない 勉強への向き合い方そのものの問題として扱う
受験期に入ってから、急に止まった 消耗している可能性を先に考える
動ける日と動けない日の波が、最近大きくなった 生活(睡眠・食事)の側から先に見る

いちばん見落とされるのが真ん中です。以前は自分から机に向かえていた子が、10月・11月に入って動かなくなった——このとき、多くのご家庭で最初に出るのは「気が緩んだ」「中だるみ」という見立てです。ですが、それまで動けていたという事実は、やる気の不足では説明できません。

見分け方はもう一つあります。消耗しているときは、勉強以外も止まります。 部屋の片づけ、風呂に入る時刻、返信のスピード。勉強だけが止まっていて他は動いているなら、消耗より別の理由を考えたほうが早いことが多いものです。

一方、受験期に入る前から動けていなかった場合は、この記事の範囲ではありません。「勉強しない」ことをどう扱うかは勉強しない中学生をほっとくとどうなるか(親の関わり方)にまとめてあります。この記事では、動かし方そのものは扱いません。 消耗している子に「動かす」働きかけをすると、逆の結果になるからです。

そして、この切り分けができたあとに残る問題が一つあります。親のほうが、持たない夜があることです。

親のほうが不安なとき——伝わる経路と、逃がし先

「不安な顔をしないようにしています」——よく聞く言葉です。ですが、親の不安は言葉を飲み込んでも伝わります。 経路は主に3つです。

  1. 表情:結果を見た瞬間の、最初の一瞬。子どもはここだけを見ています
  2. 沈黙:いつもと違う静かさ。何も言われないことが、いちばん強いメッセージになる日があります
  3. 質問の量:1日に何回、進み具合を聞いたか。これは数えられます。 昨日は3回、今日は5回——増えているなら、それは不安が増えたということです

3つのうち、自分で観測できるのは「質問の量」だけです。表情と沈黙は意識してもコントロールしきれません。ですから、手をつけるのは質問の量からです。

そして、消すのではなく逃がします。 不安は、抱えたままにしておくと、たいていどこかから出ます。逃がし先は、家の中に置かないことが大事です。

  • 同じ立場の大人に話す(「うちも同じだった」が聞ける相手)
  • 学校の先生に、事実の確認として聞く(「いまの状況をどう見ていますか」と聞くだけで、不安の輪郭が小さくなることがあります)
  • 紙に書き出す(頭の中にあるうちは無限に広がりますが、書くと数行で終わります)
  • 保護者も相談できる公的な窓口を使う(次の章でまとめます)

お子さんは、逃がし先には入りません。 「あなたのために心配している」と伝えることは、心配を渡すことと同じになりがちだからです。

そして——不安を逃がしながら、親が確実に手をつけられる領域が、ひとつだけ残っています。

生活のリズムだけは、家庭が守れる

勉強の中身に手は出せなくても、生活の土台は家庭にしか整えられません。 ただし、ここで数字の話はしません(何時間眠るべきか、何を食べるべきかは、この記事が答えられる範囲を超えます)。家庭が動かせるのは時刻です。

  • 起きる時刻を固定する。 就寝時刻は本人の都合で動きますが、起きる時刻は動かせます
  • 夕食の時刻を動かさない。 勉強の進み具合に合わせて食事をずらすと、1日の区切りが消えます
  • 一緒に食べる回数を、週に1回でも増やす。 内容ではなく回数です

スマホについては、受験期こそ取り上げないでください。 この時期、スマホは唯一の逃げ場になっていることがあります。ルールを決めるなら、時間の総量ではなく時間帯と置き場所で。決め方の手順は中学生のスマホと成績(取り上げないルールの決め方)にまとめました。

ここまでは、家庭の中でできることです。ただ、家庭の中だけでは戻らないこともあります。

それでも戻らないとき、相談できる先の”種類”

相談先は「病院か、それ以外か」ではありません。中学生とその保護者が最初に当たれる先は、大きく分けて4種類あります。順番に見ていきます。

① 学校の中の窓口

いちばん近く、いちばん情報を持っているのが学校です。担任の先生、学年主任、養護教諭(保健室)、そしてスクールカウンセラー。

学校が強いのは、学習面と生活面の両方を同じ場所で見ていることです。教室での様子、提出物の状況、友人関係——家庭からは見えない部分が、ここには揃っています。スクールカウンセラーがいつ学校に来ているかは、担任の先生か学校に聞くのが確実です。

② お住まいの自治体の教育相談窓口

都道府県や市区町村の教育委員会が、教育相談の窓口を設けています。たとえば東京都の場合は「東京都教育相談センター」(https://e-sodan.metro.tokyo.lg.jp/ )が、子どもに関する相談を受け付けています。

窓口の名称・受付時間・相談方法は自治体によって異なります。 探し方は簡単です。

(都道府県名または市区町村名) 教育相談

で検索するか、教育委員会のサイトの「相談」のページを開いてください。保護者からの相談を受け付けているかどうかも、その案内に書かれています。

③ 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)

電話番号:0120-0-78310

文部科学省が案内している全国共通の電話窓口です。同省のページには、「悩んでいる子供や保護者等」を対象に、「夜間・休日を含め24時間対応可能な相談体制」を整備していること、そして「原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関に接続」されることが記載されています。

つまり、保護者からかけてもかまわない窓口であり、かけた先はお住まいの地域の教育委員会の相談機関につながります。「本人を連れて行かないと相談できない」と思って止まっているご家庭は少なくありませんが、保護者だけで電話できる窓口が実在します。

出典:文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1306988.htm

④ 保護者向けに公開されている国の資料

文部科学省(総合教育政策局健康教育・食育課)は、「子供の心のケアのために」(保護者用)というリーフレットを公開しています。構成は、家庭での健康観察のポイント/メンタルヘルスの基礎知識/家庭での対応のポイント/学校や地域の相談機関の情報などです。

ここでは所在のご案内にとどめます(この記事はリーフレットの中身を引用していません)。ご自身で読まれる場合は、下記のページから確認できます。

出典:文部科学省「『子供の心のケアのために』(保護者用)」 https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/1355565.htm

最後に一つだけ。相談することは、大ごとにすることではありません。 上の4つは、いずれも「深刻になってから」のものではなく、迷っている段階の保護者が使える窓口です。

受験のプレッシャーとは、別の事情が重なっているとき

受験期に始まったことではなく、もっと前から続いていた困りごとが、受験期になって見えやすくなっただけということもあります。

「取りかかるまでに時間がかかる」「同じことでつまずき続けている」という状態が以前から続いているならサボりとの違い12のサインと、特性タイプ別の対応を、学校に行きづらい日が続いているなら不登校の中学生の勉強の進め方(出席扱いの制度と高校受験の道)を、それぞれご覧ください。この記事の範囲とは、扱う軸が違います。

保護者ができること——今日1つだけやるなら

やることを増やすのは、この時期には向きません。今夜やることは1つだけです。

今日1回だけ、進み具合を聞くのをやめてみてください。

「今日はどこまでやったの?」を1回減らす。それだけです。理由は3つあります。①誰でも今夜できる ②親の不安がいちばん漏れる経路(質問の量)を直接下げられる ③その日の夜の家の空気で、効果が分かる。

それでも何かしたい夜は、手を動かす代わりに記録してください。 今日のお子さんの様子を、2〜3行で構いません。「起きるのがつらそうだった」「夕食は半分」「模試の話は避けた」。この記録は、学校や相談窓口に相談するときに、そのまま材料になります。 記憶で話すよりずっと早く伝わります。

受験期全体で親ができることの全体像——時期ごとの動き方や、当日の送り出しまで含めた話は高校受験で親ができること7つ(時期別のサポートカレンダー付き)にまとめています。この記事は、その中の「崩れかけているとき」だけを取り出したものです。

結果が出た後のことは、今は決めなくていい

「もし落ちたらどうするか」を、いま家庭で決めておく必要はありません。その話が必要になるのは、その日が来てからです。 先に決めておいても不安は減らず、決めたこと自体がお子さんに伝わって、もうひとつ圧が増えるだけになります。

いま決めていいのは、明日の朝、何時に起こすかだけです。

よくある質問(FAQ)

受験生のメンタルが崩れやすいのは、なぜですか?

この時期に固有の圧が重なるからです。 数週間おきに自分の位置が点数になり、進路を自分で決める場面が続き、残り時間だけが減っていきます。どれも本人の性格では変えられません。「弱いから」ではなく「そういう時期だから」と捉えるところから、家庭の対応は変わります。

子どもが何も話してくれません。放っておいていいですか?

放っておくのと、待つのは違います。 話すことを求めずに、生活の接点だけ残してください。食事を一緒にとる、朝に一言かける。話題を勉強に寄せないことが条件です。ただし、話さない状態に加えて睡眠と食事が同時に崩れているなら、待つ時間を長くしすぎないでください。

「頭が痛い」と言う日が増えました。どうすればいいですか?

この記事では、その原因について判断できません。 できるのは、いつから・週に何日・どんな時間帯かを記録することです。そのうえで、かかりつけの医療機関に相談するか、学校の養護教諭や担任に伝えるかは、ご家庭での判断になります。記録があると、どちらの場合も話が早くなります。

受験期のイライラは、反抗期とは違うのでしょうか?

3つの軸で見分けます。 ①その変化が受験期に入ってから始まったか ②親以外(友達・部活・好きなこと)にも同じか ③睡眠と食事に及んでいるか。3つとも当てはまるなら、反抗期だけで説明するのは難しくなります。ただし、両方が同時に起きていることもあり、どちらか一方に決める必要はありません。

親の私のほうが不安で、眠れません。

不安を消そうとせず、家の外に逃がしてください。 同じ立場の大人に話す、学校の先生に事実を確認する、紙に書き出す。そして、保護者も相談できる公的な窓口があります——文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)は、悩んでいる子供や保護者等を対象とした24時間対応の相談体制です。

そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。

まとめ|見るのは「圧」ではなく、サインのほう

  • プレッシャーは本人の弱さではありません。 判定・決断・比較・残り時間という4つの圧が、この時期にまとめてかかります
  • サインは前兆・進行・要相談の3段階で見ます(医学的な判断基準ではありません/段階に関わらず、不安があればいつ相談してもかまいません)。反抗期との見分けはいつから/親以外にも同じか/睡眠と食事に及んでいるかの3軸
  • その場の一言は、結論を置かないこと。 判定が下がった夜は分析しない、進み具合を聞く前に睡眠を確かめる、下げる話は結論から入らない、「間に合わない」には答えの出る問いを返す
  • 戻らないときの相談先は4種類。学校の中/自治体の教育相談窓口/24時間子供SOSダイヤル(保護者等も対象)/保護者向けに公開されている国の資料

今日やることは1つだけです。進み具合を聞くのを、1回だけやめてみてください。

勉強の部分だけ、家の外に出すという選択肢もあります

ここまで読んで、「結局は親がやるのか」と感じられたかもしれません。

ひとつだけ、家庭の負担を構造から減らす方法があります。勉強の中身と進み具合の管理を、家の外に出すことです。進み具合を確認する役を外の人が引き受けると、家庭の会話から「今日はどこまでやったの?」を減らせます。 前の章でお伝えした「質問の量」が、意識しなくても下がります。

全国家庭教師協会の1対1の指導では、担当の教師が学習の進み具合を把握し、ご家庭にはその状況をお伝えします。お子さんの心の状態について、ご家庭から詳しくお話しいただく必要はありません。 まずは、いまの学習の状況だけ聞かせてください。

話だけ聞いてみたい方へ

【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。

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