執筆・監修:小川 真理子先生(受験アドバイザー/指導歴15年)
「何から手をつければいいか」を、現実的な学習計画に翻訳するのが役目。
推薦に出願しようか迷っている人も、出願して結果を待っている人も、不合格の結果を受け取ったばかりの人もいると思います。まわりからは「推薦なら大丈夫」と言われるけれど、気になって「高校 推薦入試 落ちる 確率」と検索した——そんな中3のあなたに向けて書いています。
先に答えを書きます。高校の推薦入試で落ちる人はいます。そして、何%が落ちるのかという全国共通の数字はありません。ただ、県の教育委員会が公表している人数から、自分で出すことはできます。この記事では、自分の県・自分の志望校の数字を出す手順を置きました。
もうひとつ。数字を知ることよりも結果を変えるのは、結果が出た次の日の動き方です。その順番は、記事の後半に3つで書きました。
なお、この記事は高校の推薦入試の話です。大学の推薦は、対象の学年も制度も別のものです。
まず結論(一問一答)
Q. 高校の推薦入試で落ちる確率は、どのくらいですか?
A. 全国共通の数字はありません。 推薦のしくみも、応募する人数も、合格する人数も、県と学校で違うからです。公表されている実数の例を1つ挙げます。東京都の都立高校の推薦(令和8年度入試・2026年春入学)は、全体の合計で受検人員が 20,475人、合格人員が 9,169人でした(東京都教育委員会「令和8年度都立高等学校の推薦に基づく選抜の入学者選抜合格発表」総括表)。合格人員は受検人員の約44.8%で、半分に届いていません(当協会の計算)。ただし、これは都立高校の推薦全体を合計した数字です。同じ表でも、募集のあった学科の受検倍率は 1.00倍から 4.08倍まで開きがあり、ほかの県には当てはまりません。
Q. 自分の県や志望校の数字は、どこで分かりますか?
A. 県の教育委員会のサイトで、前の年度の結果を探します。 推薦(県によって「特色選抜」「前期選抜」などと呼びます)の「応募状況」「志願者数」「合格発表」といった資料に、学科別や学校別の表が載っていることがあります。そこから応募人員と合格人員を見つけて、引き算と割り算をします。手順は本文に4つで書きました。
Q. 私立高校の推薦は、どうですか?
A. 学校ごとの制度なので、学校ごとに確かめます。 単願推薦・併願推薦といった枠も、基準も、学校で違います。受ける学校の募集要項と、その学校が公表している入試結果を見てください。この記事では、私立の推薦の数字は示しません。当協会が原典で確かめた数字が無いためです。
Q. 推薦に落ちたら、一般入試で不利になりますか?
A. 全国共通の答えはありません。確かめる場所は、県の実施要項(私立は学校の募集要項)です。 そこに、一般入試の合否を何で決めるかが書いてあります。推薦の結果がその材料に入っているかどうかを、自分の県の要項で見てください。読んでも分からないときは、中学校の先生に聞きます。この記事では、根拠を確かめられていないことを「大丈夫」とも「不利」とも書きません。
Q. 落ちたあと、最初にすることは何ですか?
A. 中学校の先生に結果を伝えて、次の出願の締切を確かめることです。 そのあと受験校を決め直し、次の日には一般入試の勉強に戻ります。順番は本文の後半に書きました。
「落ちる確率」に全国共通の数字が無い理由
全国共通の数字が無い理由は、3つあります。
- 推薦の名前としくみが、県で違います
- 募集する人数と応募する人数が、県・学科・学校で違います
- 県の合計の数字は、自分の志望校の数字ではありません
同じ「推薦」でも、県によって名前としくみが違います。特色選抜、前期選抜などと呼ぶ県もあります。呼び名の違いは、保護者向けの記事「高校受験の推薦入試(呼び名は地域で違う)」にまとめています。
数字で見ると、違いがはっきりします。令和8年度入試(2026年春入学)の結果を2つ並べます。
- 東京都(都立高校の推薦に基づく選抜・合計):受検人員 20,475人、合格人員 9,169人。合格人員は受検人員の約44.8%
- 愛知県(公立高校・全日制課程の推薦選抜・合計):志願者数 11,558人、合格者数 8,551人。志願者数に対する合格率は 74.0%(資料の記載)
出典は、東京都は上と同じ総括表(2026年2月2日)、愛知県は愛知県教育委員会「令和8年度愛知県公立高等学校入学者選抜(全日制課程)における推薦選抜等の合格者数及び一般選抜等の募集人員について」(2026年2月9日)です。割合は、東京都は当協会の計算、愛知県は資料に載っている数字です。
この2つは、どちらの県が受かりやすいかを比べるための数字ではありません。推薦で募集する人数の決め方も、選び方も違います。割り算のもとにした数も、東京都は受検人員、愛知県は志願者数で、そろっていません。言えるのは、「推薦で落ちる確率は◯%」と1つの数字で言うことはできない、ということだけです。
県の合計も、そのまま自分に当てはまるわけではありません。東京都の同じ表では、募集のあった学科の受検倍率が、いちばん低い工業科(単位制)の 1.00倍から、いちばん高い芸術科の 4.08倍まで開いています。「◯%」という数字を見かけたら、どの県の、どの年度の、何を合計した数字かを確かめてください。出どころが書かれていない数字は、自分の判断の材料には使えません。
公立の推薦——応募人員と合格人員から、自分で出す
自分の県と志望校の名前を思い浮かべながら読んでください。使う欄は2つだけです。応募人員(受検人員が載っていれば受検人員)と、合格人員です。
自分の志望校の数字を出す4つの手順
- 資料を開く。 県の教育委員会のサイトで、「推薦」(自分の県での呼び名)と、「応募状況」「志願者数」「合格発表」のどれかを組み合わせて探します。載っているのは、前の年度までの結果です。
- 欄を2つ見つける。 「受検人員(受検者数)」があればその数を、無ければ「応募人員(志願者数)」を使います。もう1つは「合格人員(合格者数)」です。県の合計だけでなく、学科別・学校別の表があれば、自分の志望校の行を見ます。
- 引き算と割り算をする。 受検人員から合格人員を引くと、合格しなかった数の目安が出ます。合格人員を受検人員で割ると、合格した割合が出ます。
- 表の注を読む。 何を合計した数か、いつの年度か、が書いてあります。注に書かれていないことは、数字から決めつけません。
計算の例(東京都・令和8年度入試・2026年春入学)
東京都教育委員会「令和8年度都立高等学校の推薦に基づく選抜の入学者選抜合格発表」総括表(2026年2月2日)の、「推薦に基づく選抜合計」の行を使います。
| 欄 | 人数など |
|---|---|
| 募集人員 | 9,395人 |
| 応募人員 | 20,534人 |
| 受検人員 | 20,475人 |
| 受検倍率 | 2.18倍 |
| 合格人員 | 9,169人 |
- 引き算:20,475 − 9,169 = 11,306(受検人員と合格人員の差)
- 割り算:9,169 ÷ 20,475 = 0.4478… → 合格人員は受検人員の約44.8%
- 確かめ算:20,475 ÷ 9,395 = 2.179… → 資料の受検倍率 2.18倍と合います
3つとも当協会の計算です。確かめ算が資料の倍率と合えば、見ている欄は合っています。

この数字を読むときの5つの注意
- 都立高校の推薦全体の合計です。資料の注記によれば、応募人員と受検人員は、一般推薦、文化・スポーツ等特別推薦、理数等特別推薦を合計した数です。
- 学科で大きく違います。同じ表で募集のあった学科の受検倍率は、低いほうから工業科(単位制)1.00倍、科学技術科 1.05倍、産業科 1.18倍、いちばん高いのは芸術科の 4.08倍です。
- 令和8年度入試(2026年春入学)の結果です。次の年度も同じになるとは限りません。
- ほかの県の推薦や特色選抜には当てはまりません。
- 差の 11,306 を、そのまま「不合格になった人の数」とは言い切れません。都立高校では一般推薦と特別推薦を同時に志願でき、同時に志願した人を応募人員・受検人員でどう数えているかは、総括表の注記に書かれていないためです。
学校別の表で、自分の志望校を見る
東京都の同じ発表には、学校別の表もあります。令和8年度の学校別の表にある欄は、募集人員・応募人員・合格人員の3つで、受検人員の欄はありません。この場合は、応募人員を使って同じ計算をします。
学校別に見ても、開きがあります。普通科の表の中には、応募人員が募集人員の約2.9倍の学校もあれば、応募人員が募集人員より少ない学校もありました(学校名は出しません)。
計算して、合格人員のほうが応募人員より多くなる行があったら、その行では計算しないでください。合格人員に、ほかの区分で合格した人が入っていると考えられるからです。その学校の数字は、中学校の先生に聞きます。
自分の県の資料が見つからないときも、中学校の先生に「去年の推薦の応募人員と合格人員が分かる資料はありますか」と聞いてみてください。この通りに言う必要はありません。
私立の推薦——単願推薦・併願推薦という枠と、数字の確かめ方
私立の推薦で出願する人は、この章を読んでください。公立だけの人は、次の章へ進んでかまいません。
私立高校の推薦は、学校ごとの制度です。中学校長の推薦が要る枠があります。また、「合格したら入学する」ことを前提にした単願推薦と、ほかの学校の結果を待てる併願推薦を分けている学校があります。呼び方も条件も学校ごとなので、受ける学校の募集要項で確かめてください。専願・単願・併願という言葉の違いは、別の記事「専願と併願の違い(専願・単願とは何を約束する受け方か)」で扱います。
「基準を満たしていれば合格する」と聞くことがあるかもしれません。ただ、それが自分の受ける学校に当てはまるかどうかは、募集要項と、中学校の先生を通じた確認でしか分かりません。
私立の推薦の数字は、学校ごとに確かめます。見る場所は3つです。受ける学校の募集要項、その学校が公表している入試結果、そして中学校の先生です。受験者数と合格者数が推薦の枠ごとに載っていれば、公立と同じ引き算と割り算ができます。載っていなければ、先生に聞いてください。
推薦ではなく、専願(単願)入試で出願している人の話は、別の記事「私立高校の専願(単願)で落ちる確率と、落ちたらどうなるか」で扱います。
推薦で評価される材料と、不合格につながりやすい準備
推薦で見られる材料として挙げられるのは、調査書、面接、作文や小論文です。学校によっては、実技や適性検査が加わります。何が課されるかは、公立は県の実施要項、私立は学校の募集要項に書いてあります。どれをどのくらい重く見るかも、県と学校で違います。
募集人員や、ほかの受検者の数は、自分では変えられません。変えられるのは、自分の準備です。ここでは、自分で防げることを3つ書きます。
- 要項を読まずに準備を始める。 作文が課されない学校なのに作文ばかり練習する、課される検査を知らないまま当日を迎える。どちらも、募集要項を読めば防げます。
- 書類や面接の答えを、人の言葉で作る。 自分の言葉で書いていない志望理由は、面接で聞かれたときに答えられません。書くのも、話すのも、自分です。
- 推薦の準備をしているあいだ、一般入試の勉強を止める。 止めていた分は、結果が出たあとでは取り戻しにくくなります。推薦の準備は、一般入試の勉強に足すもので、置き換えるものではありません。
出願書類の締切も、自分で守れます。締切を過ぎると、出願できません。中学校に出す締切と、高校に出す締切の両方を、先生に確かめてください。
最後に、結果が思うとおりにならなかったときの動き方を確認します。
落ちたあと——結果が出た日から一般入試まで
もう結果が出た人は、ここから読んでもかまいません。まだの人は、結果の日の前に一度読んでおいてください。
推薦で不合格になっても、その年の受験は続けられます。リードで「次の日の動き方」と書いたのは、次の3つの順番のことです。
落ちたあとの3つの順番
- その日のうちに、中学校の先生に結果を伝え、次の出願の締切を確かめる。 一般入試の出願には締切があります。締切と必要な書類は、県の実施要項と学校の募集要項に書いてあります。ここだけは、気持ちが落ち着くのを待たずに確かめてください。締切を過ぎると、出願できません。
- 受験校を決め直す。 同じ高校を一般入試で受けるか、受ける高校を変えるかを決めます。変えない、と決めるのも「決め直す」に入ります。先生と、おうちの人と話して決めてください。
- 次の日に、一般入試の勉強に戻る。 開く教科と単元を先に決めてあった人は、それを開きます。決めていなかった人は、直近の模試や過去問でいちばん点を落とした教科の、1つの単元から始めます。

自分がどの場合にあたるかで、1と2で確かめることが少し変わります。
| 落ちた推薦 | 併願校(すでに合格した学校・出願を済ませたほかの学校) | 先生と確かめること |
|---|---|---|
| 公立の推薦 | ある | 同じ高校を一般入試で受けるか、変えるか。出願の締切 |
| 公立の推薦 | ない | 上の2つに加えて、これから出願できる私立高校があるか |
| 私立の推薦 | ある | その学校の一般入試を受けられるか(募集要項)。公立高校の出願の締切 |
| 私立の推薦 | ない | 上の2つに加えて、これから出願できるほかの学校があるか。すぐに先生と相談する |
公立と私立の両方の推薦を受けた人は、落ちたほうの行を見てください。
同じ高校を一般入試で受けられるかどうかは、公立は県の実施要項、私立は学校の募集要項で決まります。「受けられるはず」と決めつけずに、先生と要項で確かめてください。
内申が気になる人は、保護者向けの記事「内申点が足りないと言われたら」に確かめる順番をまとめています。
推薦の結果は、もう変えられません。変えられるのは、出願の締切を守ることと、次の日に机に向かうことです。
推薦と一般入試、どちらの準備も止めたくないなら
結果の次の日に開く教科と単元を1つ決めて、おうちの人に見せてみてください。そのうえで、一般入試にも、推薦入試や特色選抜にも対応する高校入試対策の中身を、一緒に見てみてください。
▶ 一般入試・推薦入試・特色選抜に対応する、家庭教師の高校入試対策
よくある質問(FAQ)
推薦で落ちた高校を、一般入試でもう一度受けられますか?
公立は県の実施要項、私立は学校の募集要項で決まります。例を1つ挙げます。東京都の令和8年度(2026年春入学)の実施要綱は、一般入試(第一次募集)に応募できない人として、推薦に基づく選抜の「合格者」を挙げています。不合格だった人は、そこに入っていません。ほかの県と私立高校については、自分の県の要項と、受ける学校の募集要項で確かめてください。
スポーツ推薦で落ちる確率は、どのくらいですか?
全国共通の数字はありません。スポーツや文化活動の推薦は、種目や募集する人数が学校ごとに違います。公立では、種目ごとの募集人員・応募人員・合格人員を、県の教育委員会が学校別に公表している場合があります(東京都は、文化・スポーツ等特別推薦の学校別の表を公表しています)。表があれば、本文の4つの手順で同じ計算ができます。ただし東京都では一般推薦を同時に志願できるので、この表の差も目安です。私立は、学校の募集要項と先生で確かめます。
大学の指定校推薦で落ちる確率を知りたいです
大学の推薦は、高校の推薦とは別の制度です。高校生向けの記事「大学の指定校推薦で落ちることはあるか(高校生向けの記事)」で扱います。
そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。
まとめ|確率は自分で出せる。結果のあとは、締切と次の日
- 高校の推薦入試で落ちる確率に、全国共通の数字はありません。 県・学科・学校で、応募する人数と合格する人数が違うからです
- 例として、東京都の都立高校の推薦(令和8年度入試)は、受検人員 20,475人に対して合格人員 9,169人。 合格人員は受検人員の約44.8%でした(当協会の計算)。都立高校の推薦全体の合計で、学科と学校で大きく違います
- 自分の志望校の数字は、4つの手順で出せます。 資料を開く、欄を2つ見つける、引き算と割り算をする、注を読む
- 私立の推薦は学校ごと。 募集要項と、学校の入試結果と、先生で確かめます
- 落ちたあとは3つの順番。 先生に伝えて出願の締切を確かめる、受験校を決め直す、次の日に一般入試の勉強に戻る
- 推薦の準備をしているあいだも、一般入試の勉強は止めません
今日やることは、自分がいまどこにいるかで決めてください。出願する前の人は、自分の志望校の数字を探して、引き算と割り算を1回やってみます(表が見つからない人と私立の人は、先生に聞きます)。結果を待っている人は、結果の次の日に開く教科と単元を1つ決めて、紙に書きます。不合格の結果が出た人は、中学校の先生に、次の出願の締切を確かめます。
保護者の方へ——結果が出る日の声かけと、翌日に開く教科を先に決めておく
ここからは、保護者の方に向けて書きます。
この記事でお子さんに勧めたのは、落ちる確率を人から聞くのではなく、県の資料から自分で数字を出すこと、推薦の準備中も一般入試の勉強を止めないこと、そして結果が出たら出願の締切を先生に確かめることです。
していただきたいことは、1つです。結果が出る日より前に、「結果の次の日に開く教科と単元」を、お子さんと一緒に1つ決めて、紙に書いておいてください。合格でも不合格でも、その日に開くものとして決めます。こうしておくと、結果が出る前に「落ちたら」という話をしなくて済みます。
反対に、控えていただきたいことも1つあります。結果が出たその日に、原因を聞くことです。「面接でうまく話せなかったの?」と聞きたくなるところですが、その日は「おつかれさま。明日は、決めておいた教科からやろう」のひと言で足ります。この通りに言う必要はありません。ご家庭の言葉に直してください。
受験期の関わり方の全体は、高校受験で親ができることにまとめています。
全国家庭教師協会の高校入試対策は、各県の受験情報をふまえ、一般入試に加えて、推薦入試や特色選抜を目指す生徒にも対応しています。推薦と一般入試の勉強を並べて進めたいときの選択肢の一つとして、覚えておいてください。
推薦の結果を待つあいだの学習を、無料体験で相談してみませんか
推薦の結果がどちらになっても、一般入試に向けた学習は続きます。
まずは無料体験で、お子さんのいまの成績と、推薦・一般入試の予定をご相談ください。入力は30秒、費用はかかりません。
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相談だけのご利用も歓迎です。
【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。



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