公募推薦とは|指定校推薦との違いと、評定平均・出願時期

公募推薦とは|指定校推薦との違いと、評定平均・出願時期 その他

執筆・監修:小川 真理子先生(受験アドバイザー/指導歴15年)
「何から手をつければいいか」を、現実的な学習計画に翻訳するのが役目。

「公募推薦」という言葉を、学校の先生や先輩の話で耳にして、検索窓に打ち込んだ――という高校生と、その保護者を想定しています。この記事でいう公募推薦は、大学入試の学校推薦型選抜の話です。高校受験(中学生が受ける高校入試)にも「推薦」という言葉が使われますが、対象の学年も制度もまったく別のものです。

「公募推薦」「指定校推薦」という呼び方が、そもそも国の実施要項に書かれた公式な区分なのか、気になった方もいるはずです。確認した結果を、このあと示します。評定平均が基準に届かないと分かっても、選択肢はまだ残っています。後半で確認先とあわせて示します。

まず結論(一問一答)

Q. 公募推薦とは、どんな入試ですか?
A. 学校推薦型選抜のうち、指定校でなくても、大学が示す出願条件を満たし、高校長の推薦を受けて出願できる形です。

Q. 指定校推薦とは、何が違いますか?
A. どちらも学校推薦型選抜という同じ入試区分の中の呼び方です。 実施要項が定める入試の区分は、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3つで、「公募推薦」「指定校推薦」という名前そのものは、大学や高校の間で使われている呼び方です。

Q. 評定平均はいくつ必要ですか?
A. 全国共通の数字はありません。 大学・学部ごとに大学が決めるもので、自分の志望校の基準は募集要項で確認します。

Q. いつ出願しますか?
A. 令和9年度(2027年度入学)の実施要項では、学校推薦型選抜の出願は11月1日以降、結果は12月1日以降とされています。

Q. 併願できますか?
A. 大学ごとに扱いが違います。 専願を条件にしている大学もあれば、他の大学と併願できる枠を設けている大学もあります。

——ただ、結論だけでは、なぜそう言えるのかが分かりません。まず、言葉の意味から確認します。

公募推薦とは――学校推薦型選抜のうち、大学が示す条件を満たし、高校長の推薦を受けて出願する形

公募推薦とは、学校推薦型選抜のうち、指定校でなくても、大学が示す出願条件を満たし、高校長の推薦を受けて出願できる形です。

ここでいう学校推薦型選抜は、文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項で、「出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ」評価する入試とされています。同じ要項には「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく」ともあり、実施要項等に関するQ&Aでも「学校長の推薦がなければ受験できない学校推薦型選抜」と説明されています。

つまり公募推薦は、本人が出願したいと思っただけでは出願できず、高校長の推薦が前提になる入試です。大学が示す出願条件を満たしているかどうかの確認と、高校長が推薦するかどうかの判断は、別の手続きです。条件を満たしているように見えても、校内の推薦手続きを経なければ出願にはつながりません。

なお、高校受験の推薦(中学生が受ける推薦入試)とは、対象の学年も制度も異なります。

似た名前の指定校推薦と、何が違うのか。この呼び方自体が公式なものなのかも、あわせて確認します。

指定校推薦との違い――どちらも「学校推薦型選抜」の中の呼び方

公募推薦と指定校推薦は、どちらも学校推薦型選抜という同じ入試区分の中の呼び方です。

実施要項が定める入試の区分は、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3つで、「公募推薦」「指定校推薦」という名前そのものは、大学や高校の間で、出願の仕方の違いを指して使われている呼び方です。

指定校推薦は、大学入試の「学校推薦型選抜」の一つで、一般に、大学が指定した高校の生徒が、高校長の推薦を受けて出願する形を指します。

実施要項の学校推薦型選抜の箇所には、「非公募型の学校推薦型選抜」という言い方が、面接の要否を定める場面で登場します。「公募制」という語自体は、実施要項では総合型選抜の説明の中で「入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格に鑑み」という形で使われています。

出願できる高校の範囲、校内での推薦手続きや選考の中身、専願か併願かといった違いは、大学・高校ごとに扱いが異なるため、募集要項と学校の進路指導で確認します。

公募推薦・指定校推薦に共通する前提を整理すると、次の4点になります。出願には出身高校長の推薦が要り、本人の意志だけでは出願できないこと。評価の材料は調査書が主な資料になること。面接等の評価を行うのが原則であること。そして、出願と結果の時期は、公募推薦・指定校推薦のどちらも同じ規定にかかることです。

一方で、違いが出やすいのは次の3点です。出願できる高校の範囲は、公募推薦は指定校でなくても出願できるのに対し、指定校推薦は大学が指定した高校の生徒に限られます。校内の推薦手続きは、公募推薦では、大学が示す出願条件を満たしたうえで、高校長が推薦するかどうかを校内の手続きで判断します(校内選考を行う高校もあります)。指定校推薦は、校内選考を経て代表者が推薦される形が一般的です。専願か併願かは、公募推薦は大学によって併願できる場合があるのに対し、指定校推薦は専願が原則とされることが多いといわれます。ここまでは一般に言われている傾向で、実際の扱いは大学・高校ごとに違います。 どちらに当てはまるかは、募集要項と学校の進路指導で確認してください。

学校推薦型選抜の中にある公募推薦・指定校推薦、2つの呼び方の比較図。共通する前提(高校長の推薦・調査書中心・面接原則・出願結果の時期)と、大学ごとに違う出願範囲・校内選考・専願併願の違いを示す

学校推薦型選抜の中の話が分かったところで、総合型選抜・一般選抜とは何が違うのかも整理しておきます。

総合型選抜・一般選抜との違い

総合型選抜は、実施要項で「入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格に鑑み」と説明されている入試です。実施要項等に関するQ&Aでも「公募型の総合型選抜」と説明されています。高校長の推薦が前提になる学校推薦型選抜とは、この「自分の意志だけで出願できるかどうか」という点が異なります。評価の材料は、志望理由や活動の内容など、学校推薦型選抜より幅が広くなる傾向があります。

一般選抜は、学力検査(試験)を中心に評価する入試です。調査書や評定平均の扱いは大学の募集要項によって違いますが、一般選抜で評定平均が出願の条件になる場面は多くありません。

3つの方式を並べると、出願の主体(本人の意志だけで出願できるか、高校長の推薦が要るか)と、評価の中心(学力検査か、調査書か、志望理由や活動か)という2つの軸で整理できます。公募推薦は、高校長の推薦が前提で、調査書を主な資料としながら、面接等の評価もあわせて行う入試、という位置づけです。

どの方式で「いつから」動くかは、方式ごとに基準が分かれるため、大学受験の勉強を始める時期を扱った記事で時期を比べています。

制度の違いが分かったところで、多くの家庭が気にする「評定平均はいくつ必要か」に進みます。

評定平均はいくつ必要か――大学・学部ごとに違い、基準は募集要項で確かめる

公募推薦では、評定平均が出願条件になる大学があります。ただし、その基準は実施要項が定めた全国共通の数字ではなく、大学・学部ごとに大学が決めるものです。評定平均そのものの出し方や、目標まで「あと何点」必要かという逆算の考え方は、評定平均の出し方と「あと何点」の逆算に計算式つきで整理しているため、ここでは再掲しません。

評定平均が出願条件になるかどうかも、大学・学部によって扱いが分かれます。条件として明示している大学もあれば、出願の目安として示すだけの大学、評定平均そのものを条件にしていない大学もあります。同じ大学の中でも、学部・学科ごとに基準が違うことも珍しくありません。「公募推薦は評定平均が◯以上あれば出願できる」という一律の言い方ができないのは、このためです。

逆算した結果、基準に届かないと分かったときも、確かめられることは残っています。まず確かめたいのは、その基準が自分の志望校のどの学部のものかということです。基準は大学・学部ごとに違うため、先生から聞いた数字がどの大学・学部を指すかをはっきりさせます。そのうえで、評定平均の条件があるかどうかも大学・学部ごとに違う総合型選抜、学力検査が中心で評定平均が出願条件になる場面が多くない一般選抜という選択肢もあります。どの方式が選べるかは、志望校の募集要項と、担任の先生や進路指導室で確かめられます。どの科目を自分の力だけで進め、どの科目を外の力に頼るかの決め方は、推薦を使わない場合の、どの科目を外に出すかの決め方で整理しています。

評定平均の話が済んだら、次は「いつ」の話です。実施要項の規定日で確認します。

出願時期と選考の流れ――令和9年度は11月1日以降に出願、12月1日以降に結果

令和9年度(2027年度入学)の実施要項では、学校推薦型選抜の出願は11月1日以降、結果は12月1日以降とされています。この時期の規定は、公募推薦・指定校推薦を問わず、学校推薦型選抜全体にかかるものです。

公募推薦の出願から結果までの流れ図。令和9年度実施要項にもとづき、募集要項の確認・校内の推薦手続き・出願(11月1日以降)・選考・結果(12月1日以降)・不合格時は一般選抜へ、の6ステップを示す

選考の中身は、面接等の評価を必ず行うのが原則です。ただし実施要項には、次のようなただし書きがあります。

高等学校との緊密な連携により、意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断することができる。

つまり、高校との緊密な連携を前提にした非公募型の学校推薦型選抜のうち、合格したら入学することを確約して受験するものについては、大学の判断で面接の要否を決められるという規定です。「公募推薦は必ず面接がある」「指定校推薦は面接がない」と単純に分けられるものではなく、実際にどうなるかは大学ごとに確認します。

共通テストについては、実施要項で「各大学は、総合型選抜、学校推薦型選抜においても大学入学共通テストを利用することができる」とされています。課すかどうかは大学・学部ごとの判断です。

出願から結果までの流れを順に並べると、次のようになります。まず募集要項で出願条件を確かめ、次に校内の推薦手続きを進めます(時期・方法は高校ごとに違います)。そのうえで11月1日以降に出願し、共通テストを使う大学・使わない大学それぞれの方法で選考が行われ、12月1日以降に結果が出ます。ここで不合格だった場合は、一般選抜を受けることができます。校内の推薦手続きにかかる時間は高校によって差があるため、出願を考え始めたら早めに担任の先生や進路指導室に相談しておくと、直前になって慌てずに済みます。

方式ごとに動き出す時期の基準を並べて比べたい場合は、受験方式によって、勉強を始める時期の基準が違うで確認できます。

出願と結果の時期が分かったところで、併願できるか・不合格だったらどうなるかを確認します。

併願できるか・不合格のとき――大学ごとの扱いと、一般選抜の準備を並行させる

併願できるかどうかは、大学ごとに扱いが違います。専願を条件にしている大学もあれば、他の大学と併願できる枠を設けている大学もあります。専願は、合格したら必ずその大学に入学することを約束して出願する形で、併願は、合格しても入学を約束せず、ほかの大学も受けられる形です。どちらの条件になっているかは、同じ「公募推薦」という呼び方の中でも大学ごとに違うため、自分が受けようとしている大学の募集要項で、専願か併願かを必ず確認してください。

不合格だったときは、一般選抜を受けることができます。ここで大事なのは、公募推薦の結果が出るのを待ってから一般選抜の準備を始めるのではなく、出願の段階から一般選抜の準備を並行して進めておくことです。結果が出る12月1日以降から一般選抜の試験期日までの期間は限られています。公募推薦に向けた対策だけに時間を使い切ってしまうと、不合格だったときに一般選抜の準備が間に合わなくなります。推薦を検討し始めた時点で、一般選抜を受けるなら何の科目をどこまで仕上げておく必要があるかを、あわせて確認しておくことが必要です。

ここまでは制度の話でした。最後に、保護者の立場から見ておきたいことを4つ書いておきます。

保護者が見ておきたいこと――受けるかどうかを決める前に確かめる4つ

ここからは、保護者の方に向けて書きます。

公募推薦を検討するかどうかを決める前に、保護者として確かめておきたいことが4つあります。

1つ目は、評定の推移を手元にそろえておくことです。評定平均は高1からの積み上げで決まり、あとから過去の学年の数字を書き換えることはできません。いつの時点で何点になっているかを親子で把握しておくと、三者面談で先生と話すときの土台になります。具体的な整理のしかたは、高1のうちに、評定の数字を1枚にしておく方法で確認できます。

2つ目は、志望する大学の募集要項をいつ入手できるかです。大学によって公開の時期が異なるため、早めに大学のサイトや進路指導室で確認します。募集要項が出るまでは、評定平均の基準や出願条件の詳細が分からないことも多く、「早めに動く」というのは、この募集要項をいつ手に入れるかという意味でもあります。

3つ目は、校内の推薦手続きの締切です。校内選考の時期や方法は高校ごとに違うため、担任の先生や進路指導の先生に確認しておきます。校内の締切は、大学への出願締切よりも前に設定されていることが多く、ここを見落とすと出願そのものができなくなります。

4つ目は、不合格だったときに一般選抜の準備とどう両立させるかです。推薦の準備だけに偏らないよう、一般選抜に向けた学習も並行して進められているかを、本人と一緒に確認しておきます。家庭からの声かけとしては、「推薦がダメだったら」という聞き方より、「一般選抜のほうは、いまどこまで進んでいる?」と、両方を同時に進めている前提で聞くほうが答えやすいことがあります。

本文で答えきれなかった質問は、FAQでまとめて回答します。

よくある質問(FAQ)

推薦がなくても公募推薦に出願できますか?

できません。学校推薦型選抜は、出身高校長の推薦が前提になる入試です。実施要項でも「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく」とされています。

公募推薦と指定校推薦、どちらが有利ですか?

一律には比べられません。指定校推薦は校内選考を通れば合格しやすいと言われることがありますが、対象になる高校が限られます。公募推薦は対象の高校が限られない分、大学が示す出願条件を自分で満たす必要があります。どちらが合うかは、志望校・評定平均・校内での位置づけで変わるため、担任の先生や進路指導室に相談してください。

浪人生でも公募推薦を受けられますか?

大学によって扱いが異なります。出願資格に、現役生に限る・卒業後の年数を定める等の条件を設けている大学もあるため、募集要項で確認してください。評定平均の条件がある場合も、既卒者にどう当てはめるかを含めて、出願資格の欄で確かめます。

国公立大学にも公募推薦はありますか?

実施するかどうかも、共通テストを課すかどうかも、大学・学部ごとに違います。志望校の募集要項で確認してください。

評定平均が足りないときの選択肢はありますか?

あります。まず確かめたいのは、その基準がどの大学・学部のものかということです。評定平均の基準は大学・学部ごとに大学が決めるもので、全国共通の数字ではありません。そのうえで、評定平均の条件があるかどうかが大学・学部ごとに違う総合型選抜や、学力検査が中心の一般選抜という選択肢もあります。担任の先生や進路指導室に、確認できる基準と選べる方式をあわせて相談してください。

そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。

まとめ|断定できる枠組みと、大学ごとに違うもの

公募推薦は、学校推薦型選抜のうち、指定校でなくても、大学が示す出願条件を満たし、高校長の推薦を受けて出願できる形です。制度の枠組み――高校長の推薦が前提であること、出願と結果の時期、面接の原則――は実施要項にもとづいて断定できます。一方で、評定平均の基準値、合格率、共通テストを課すかどうか、併願できるかどうかは、大学・学部ごとに違い、この記事では断定していません。

「公募推薦」という言葉を検索窓に打ち込んだときの疑問は、ここまでで一通り整理できたはずです。募集要項と学校の進路指導で、自分の志望校の条件を確認するところから始めてみてください。

公募推薦の仕組みが分かったら、次にできること

公募推薦の制度と、大学ごとに違う部分が分かったら、次に考えられるのは、志望校の募集要項を確認し、評定平均や校内の手続きのスケジュールを整理することです。

全国家庭教師協会の指導現場では、高校生一人ひとりの志望する入試方式や評定平均の状況に合わせて、指導の内容を決めています。

話を聞いてみようと思われたときに

相談だけのご利用も歓迎です。

【全国家庭教師協会の実績】 入会後の成績アップ率 96.1%/お客様満足度 97.3%/志望校合格率 97.6%(2025年度・自社調べ)。※学習効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。

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ここでいう公募推薦は、大学入試の学校推薦型選抜の一種です。高校受験(中学生が受ける高校入試)の推薦とは、対象の学年も制度も異なります。

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