執筆・監修:宮本 彩香先生(英語指導/指導歴10年・中高英語/定期テスト・入試対策)
文法の丸暗記より「なぜそうなるか」で、英語を得点源に変える指導が得意。
過去問の英作文で、言いたいことは日本語なら浮かぶのに、1文目の英語が出てこない。そのまま時間が過ぎて、解答欄が空いていた――そんな中3の人に向けて書いています。
先に結論です。英作文は、「考え→理由→しめくくり」の順に、知っている英語だけで書けば形になります。
ただし、英語を書く前にやることが1つあります。問題文から「条件」を書き出すことです。ここを飛ばすと、英文が正しくても点がもらえないことがあります。もう1つ、いちばん迷う1文目は、問題の形で決められます。
まず結論(一問一答)
Q. 高校入試の英作文はどう書けばいい?
A. 「考え→理由→しめくくり」の順で、知っている英語だけで書きます。 1文目で問われたことへの答えを言い切り、2文目から理由を足し、最後にしめくくりの1文を置きます。書く前に、問題文から条件を書き出します。
Q. 英作文はどんなテーマが出る?
A. 都道府県と年度で違います。「よく出るテーマ」を当てにせず、志望校が受ける問題の過去問3年分で、出た問題の形を数えるほうが確かです。
Q. 何語くらい書けばいい?
A. 問題文の指定に従います。指定は県や問題で違い、指定のない問題もあります。数え方の注意書きがあれば、それにも従います。
Q. 難しい単語を使ったほうが点は上がる?
A. 上がるとは限りません。自信のない単語で間違えるより、中学で習った単語と文の形で正しく書くほうを選びます。
Q. 英作文の練習はどうすればいい?
A. 1つのテーマで3回書きます。1回目は時間を気にせず、2回目は指定の語数に合わせて、3回目は反対の立場で書きます。
――ただし、この5つの答えには前提が1つあります。英作文の形も語数の指定も、都道府県で違うことです。
英作文の出題は都道府県で違う――過去問3年分で「形」と「語数」を数える
公立高校の入試問題は都道府県ごとに、私立高校は学校ごとに作られます。ネットで見かける「よく出るテーマ」が、自分の入試に当てはまるとは限りません。同じ県でも、学校によって受ける問題の種類が分かれ、英作文の形や語数が違うことがあります。
志望校が受ける問題(私立なら学校)の過去問3年分で、英作文の問題について次の4つを数えます。
- 問題の形:意見・賛否/説明・紹介/絵・場面・メールへの返答、の3つのどれか
- 語数の指定:「◯語以上」など(なければ「なし」)
- 文の数の指定:「◯文以上」など(なければ「なし」)
- 使う語句の指定:「次の語を使って」などの指示
3つの形に入らない問題(日本語の文を英語に直す、対話の空所に1文を入れる など)は「その他」として数え、次の節の条件の書き出しだけを使います。
3年分を並べると、同じ形が続いているか、語数はどのくらいかが見えてきます。過去問をいつから、何年分使うかは、高校受験の過去問はいつから、何年分そろえるかにまとめています。
数え終わったら、問題文をもう一度読んでください。英語を書く前に、抜き出すものがあります。
書く前に、問題文から条件を書き出す
問題文を読んだら、すぐに英語を書き始めている人へ。1文目の前に、問題用紙の余白へ次の6つをメモします。お題は自作です(入試問題ではありません)。
お題A(自作):勉強は一人でするのと、友だちと一緒にするのとでは、どちらがよいと思いますか。どちらかを選び、理由を2つ挙げて、25語以上の英語で書きなさい。
| 書き出すこと | 問題文の言い方 | お題Aのメモ |
|---|---|---|
| 問われていること | 「何について」「理由をいくつ」 | 一人か友だちとか・理由2つ |
| 語数 | 「◯語以上」「◯語程度」 | 25語以上 |
| 文の数 | 「◯文以上」 | なし |
| 使う語句 | 「次の語を使って」 | なし |
| 立場 | 「どちらかを選び」「賛成か反対か」 | どちらか1つ |
| 相手 | 「〜へのメールで」「〜に紹介する」 | なし |
条件は、英文が正しいかとは別に見られます。メモがあれば、書いたあとに照らし合わせられます。立場は、理由を英語で書きやすいほうを選んでかまいません。
例文の語数は、コンマやピリオドを数えていません(短縮形なし)。入試では、問題の注意書きに従ってください。
条件がそろったら、1文目です。何を書くかは、問題の形で決まります。
「考え+理由」の組み立て方――問題の形ごとの書き出し
英作文は、次の4つのマスで組み立てます(図解①は印刷して書き込めます)。
- 考え(1文目):問われたことへの答えを言い切る
- 理由・くわしいこと(1つめ)
- 理由・くわしいこと(2つめ)
- しめくくり:考えをもう一度まとめるか、相手への一言。新しい理由は足さない
指定が少ないときは3つめと4つめを短くするか省き、1文だけを求める問題なら1つめだけを使います。国語の作文の3部構成と同じ考え方で、高校入試の作文の書き方(3部構成)の型を英語に移したものです。

意見・賛否を問う問題――1文目で立場を1つに決める
賛否や「どちらがよいか」を聞かれたら、1文目で立場を1つだけ言い、まぜません。お題Aなら、たとえば次のとおりです。
I think studying alone is better. First, I can study at my own pace. Second, nobody talks to me, so I can keep studying for a long time. For these reasons, I like to study alone.(36語)
First と Second の文が理由2つ、最後の文がしめくくりです。
説明・紹介する問題――1文目で「何を紹介するか」を言う
お題B(自作):海外から来た友だちに、あなたの町でおすすめの場所を1つ紹介します。3文以上の英語で書きなさい。
条件は「3文以上」「相手=海外から来た友だち」。相手がいるので、you で話しかけられます。
My favorite place in my town is the park near the river. In spring, you can see a lot of cherry blossoms there. We can also play soccer together in the park. Please come to the park with me next spring.(4文)
絵・場面・メールに答える問題――1文目で、聞かれたことに答える
お題C(自作):留学生のトムから届いた次のメールに、トムの質問に答える文を2文以上の英語で書きなさい。
Hi! I am going to stay in Japan this winter. What Japanese food should I try?
条件は「2文以上」「相手=トム」。1文目で、質問にそのまま答えます。
You should try ramen. Hot ramen is very good on cold winter days. There are many ramen shops near my house. I want to take you to my favorite one.(4文)
絵の問題なら、1文目は絵の中で起きていること(In the picture, a boy is helping an old woman.)。場面の問題なら、その場面で言う言葉(駅で困っている人になら Can I help you?)です。

例文は、組み立て方を見せるためのものです。そのまま覚えて使わず、自分の考えで書いてください。
長文を読んで考えと理由を書く設問の答え方は、英語長文で、考えと理由を書く設問の答え方で扱っています。
ほかに使える表現は、次の節にまとめます。
4つのマスが、どうしても埋まらない形があったら
図解①のシートを、おうちの人に見せてみてください。家庭教師の中学生コースのページには、各県の最新の受験情報を踏まえた高校入試対策の内容が載っています。一緒に見てみてください。
▶ 中学生コースの高校入試対策(公立・私立、一般・推薦・特色選抜に対応)
中学で習った形だけでつなぐ――理由・例・しめくくりの表現
考え・理由・しめくくりには、次の表の表現が使えます。どれも中学で習った形です。
| 役割 | 表現 |
|---|---|
| 考えを言う | I think (that) 〜. / I agree with 〜. |
| 紹介する・すすめる | My favorite 〜 is …. / You should 〜. |
| 理由を並べる | First, 〜. Second, 〜. |
| 理由・結果でつなぐ | 〜 because …. / 〜, so …. |
| 付け足す・例を挙げる | also / For example, 〜. |
| しめくくる・誘う | For these reasons, 〜. / Please 〜. / I want to 〜. |
それでも手が止まるのは、日本語で考えた文が、そのまま英語にならないときです。
書いた英文の直し方――日本語で言い直してから英語にする
日本語なら言えるのに英語で手が止まる人へ。原因は、浮かんだ日本語が英語にしにくい形をしていることがよくあります。次の3つの順で直します。
- 言いたいことを、日本語で1文に書く
- 「誰が」「どうする」が見える短い日本語に言い直す
- 知っている英語にする
たとえば「留学生にも日本のよさを知ってほしい」は、「私は、トムに日本の食べ物を楽しんでほしい」と言い直せば I want Tom to enjoy Japanese food. で書けます。意味が少し変わっても、問われたことへの答えになっていれば構いません。
書き終えたら、条件メモの6つに1つずつ印をつけます。英文そのもののどこを見直すかは、英文法の記事の英作文で減点される4つの型(英文法の8つのチェック)にまとめています。
あとは練習です。新しい問題を探さなくても、1つのテーマから3回分の練習が取れます。
練習のしかた――1つのテーマを3回書く
- 1回目:時間を気にせずに書く。 条件メモ→4つのマス→英語の順を確かめます
- 2回目:指定の語数に合わせて書く。 多ければくわしいことを削り、足りなければ For example の文を足します
- 3回目:反対の立場で書く。 お題Aなら1文目を
I think studying with friends is better.に変え、理由を2つ考え直します
3回書くと、同じテーマでどちらの立場を聞かれても書けます。紹介やメールのお題では、3回目は紹介する場所やすすめる食べ物を変えます。英語全体を入試までの時期にどう分けるかは、中3の9月からの英語の総復習計画(5か月を3期に分ける)で整理しています。
よくある質問(FAQ)
語数が足りないときは、どうすればいいですか?
理由のマスに、For example の文か、so でつなぐ文を1つ足します。同じ文のくり返しや、very の重ねで埋めるのはやめましょう。
瞬間英作文はやめたほうがいいですか?
目的で決めます。短い日本語をすぐ英語にする練習は、習った形を素早く思い出すのに役立ちます。入試では条件を読み、考えと理由を並べる力も要るので、「3回書く」練習も入れてください。
スペルに自信がない単語は、どうしたらいいですか?
書ける別の語に言い換えます。delicious に自信がなければ very good、beautiful なら very nice です。
英検のライティングと同じ練習でいいですか?
考えから理由へ、という組み立ては共通なので無駄にはなりません。違うのは形で、英検は級ごとに形と語数の目安が決まっていますが、高校入試は県や学校で違います。過去問で条件を書き出す練習も入れてください。
英作文の練習は、毎日どれくらいやればいいですか?
時間ではなく、「1つのテーマを3回書き切る」を1区切りにします。1日で書いても、3日に分けても構いません。
そのほかの疑問は、よくある質問もあわせて見てみてください。
まとめ|英作文は「条件メモ→考え→理由→しめくくり」の順で書く
- 書く前に、条件を書き出す。 問われていること・語数・文の数・使う語句・立場・相手の6つ
- 1文目は、問題の形で決める。 意見なら立場、紹介なら紹介するもの、メールなら質問への答え
- 練習は、1つのテーマを3回。 時間を気にせず、語数に合わせて、反対の立場で
まずは過去問1年分で、条件メモを書いてみてください。図解①のシートが1枚埋まったら、おうちの人にも見せてみてください。
保護者の方へ――英語を直さずに、「日本語で言うと何?」と聞く
ここからは、保護者の方に向けて書きます。
この記事でお子さんが自分でやることは、過去問3年分で英作文の形と語数を数えること、問題文から条件を書き出すこと、図解①のシートに「考え→理由→しめくくり」の順で書くこと、1つのテーマを3回書くことです。シートを見せてもらったら、4つのマスが埋まっているかどうかが分かれば十分です。
保護者の方にお願いしたいのは1つです。お子さんが書いた英文を指して、「これ、日本語で言うと何?」と聞いてください。 英語が分からなくても構いません。確かめるのは英文の正しさではなく、考えと理由が日本語ではっきり言えるかどうかです。「一人で勉強するほうがいい。自分のペースで進められるから」くらいの短さで言えれば、順番は合っています。言えなかったマスが、もう一度考える場所です。
反対に、やらないでほしいことも1つあります。英文のつづりや文法を、その場で赤ペンで直すことです。直されたところを写すだけになりやすく、お子さんが自分で考えと理由を並べる練習になりません。
受験期の関わり方を全体で整理したものは、高校受験で親ができることにまとめています。
こうした確認を家庭の中だけで続けるのが難しい場合の相談先として、家庭教師があります。最後に、当協会の中学生コースの内容をご紹介します。
お子さんに合う高校入試の英語の進め方を、無料体験で確かめてみませんか
条件の書き出しも、4つのマスも、3回書く練習も、お子さん自身でできます。難しいのは、県の形に合わせた練習を入試まで続けることと、つまずきが前の学年の文法にあるとき、どこまで戻るかを見極めることです。
全国家庭教師協会の中学生コースでは、各県の最新の受験情報を踏まえた高校入試対策を、公立・私立、一般・推薦・特色選抜に対応して行っています。必要に応じて前の学年までさかのぼる基礎の見直しも、マンツーマンの個別指導で行います。まずは無料体験で、お子さんに合う進め方かどうかを確かめてみませんか。入力は30秒、費用はかかりません。相談だけのご利用も歓迎です。
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