中3の9月から始める高校受験英語|残り5か月の総復習計画と優先順位

中3の9月から始める高校受験英語|残り5か月の総復習計画と優先順位 英語

執筆・監修:宮本 彩香先生(英語指導/指導歴10年・中高英語/定期テスト・入試対策)
文法の丸暗記より「なぜそうなるか」で、英語を得点源に変える指導が得意。

「夏休みに英語だけ手をつけられなかった」「模試の英語が一番低い」——2学期に入ってから、このご相談が増えます。英語は積み上げの教科なので、遅れを自覚したときには、どこから戻ればいいのか分からなくなっているのが普通です。

先に結論をお伝えします。中3の9月からでも、英語は十分に立て直せます。 ただし、4月から始めた子と同じやり方はできません。残り5か月を3つの期間に分け、時期ごとに「やらないこと」を決めるのが前提になります。英語は範囲が広く、全部に手を出すと必ず中途半端になります。

この記事では、①5か月をどう3期に分けるか、②9〜10月に戻るべき文法の順番、③11〜12月に長文とリスニングをどう伸ばすか、④単語をいつやるか、⑤いまの得点帯別の時間配分を、順にお伝えします。

まず結論(一問一答)

Q. 中3の9月から英語を始めて間に合う?
A. 間に合います。ただし全範囲をやり直す時間はないため、入試で配点の大きいところから逆算して絞る必要があります。

Q. 5か月をどう分ける?
A. 9〜10月=文法の穴を埋める/11〜12月=長文とリスニングを得点源にする/1〜2月=過去問と本番形式、の3期です。

Q. 文法はどこから戻る?
A. 中1の動詞(be動詞と一般動詞の使い分け・時制)が最優先です。ここが曖昧なまま現在完了や関係代名詞をやっても積み上がりません。

Q. 単語はいつやる?
A. 期間を区切らず、5か月間ずっと毎日続けます。単語は英語の土台で、長文もリスニングも語彙が不足していると伸び方が頭打ちになります。

Q. 中3の2学期に習う単元(関係代名詞など)はどうする?
A. 学校の授業と並行して、習ったその週のうちに定着させるのが最も効率的です。あとでまとめてやり直す時間はありません。

9月から英語を立て直す全体像——5か月を3期に分ける

英語は「単語・文法・長文・リスニング」の4要素でできています。9月から始める場合、この4つを同時に伸ばそうとしないことが最大のコツです。時期ごとに主役を決めます。

中3の9月から入試までの5か月を3期に分けた英語の総復習カレンダー。9〜10月は文法の穴埋めが主役で単語は毎日、11〜12月は長文とリスニングが主役、1〜2月は過去問と本番形式。単語だけは全期間を通して継続することを示した図

時期 主役 やらないこと
9〜10月 文法の穴を特定して埋める 長文の量をこなす
11〜12月 長文とリスニングを得点源にする 文法の網羅的なやり直し
1〜2月 過去問と本番形式(時間配分・見直し) 新しい問題集に手を広げる
全期間 単語(毎日)

この順番には理由があります。文法が曖昧なまま長文を読んでも、読めない原因が「文法」なのか「単語」なのか「読み方」なのか切り分けられないからです。逆に、文法の穴を先に埋めておくと、11月以降の長文演習で「単語を知らなかっただけ」と原因が特定でき、対処が速くなります。

9〜10月:文法は「中1の動詞」から戻る

文法のやり直しで最も多い失敗が、参考書の最初のページから順に全部やろうとすることです。9月からではまず終わりません。入試で問われやすく、かつ後続の単元の土台になっているところから戻ります。

中学英語の文法を「戻る順番」で並べた図。最優先=中1の動詞(be動詞と一般動詞の使い分け・時制)、次に助動詞と不定詞・動名詞、その次に比較・受け身・現在完了、最後に関係代名詞・分詞。それぞれが後続のどの単元の土台になっているかを矢印で示している

最優先=中1の動詞(be動詞と一般動詞の使い分け・時制)
英語が苦手な子のつまずきは、ほぼここに集約されます。「be動詞と一般動詞を同じ文に入れてしまう」「過去形と過去分詞が混ざる」といった症状が出ていれば、学年に関係なくここから戻ります。動詞は英文の骨格なので、ここが安定すると他の単元の理解速度が変わります。

次に=助動詞・不定詞・動名詞
動詞の形が固まったら、その周辺に広がる単元です。不定詞と動名詞は入試でも問われやすく、長文中でも頻出します。

その次に=比較・受け身・現在完了
中2後半から中3前半の単元です。現在完了は「過去形との違い」でつまずきやすいので、時制の理解が済んでいることが前提になります。ここでも、動詞に戻る必要が出てくる子が少なくありません。

最後に=関係代名詞・分詞
一般的な進度では中3の2学期に扱う単元です。学校の授業と並行して、習ったその週に定着させるのが最も効率的で、あとから戻る時間はありません。長文で必ず出てくるため、放置すると11月以降の演習が重くなります。

9〜10月の進め方(1日30〜40分の場合)
①手持ちのワークで各単元の基本問題だけを解く(応用は飛ばす)→ ②間違えた問題に印をつけ、翌日もう一度解く → ③2回連続で正解したら次の単元へ。新しい問題集は買わないのが鉄則です。

11〜12月:長文とリスニングを得点源にする

多くの都道府県で、英語の配点は長文読解が最も大きくなっています。文法問題だけで合格点に届く構成にはなっていないため、11月からは長文が主役です。

長文で伸び悩む子は、「読めない」のか「時間が足りない」のかを分けて考えます。

  • 読めない場合 → 単語と文法が原因です。9〜10月の穴埋めが不十分なので、そちらに戻ります
  • 時間が足りない場合 → 読み方の問題です。設問を先に読んでから本文に入る、段落ごとに要点をメモする、といった手順を固定します

リスニングも同じ時期に始めます。多くの入試で配点の2割前後を占めますが、対策の有無で差がつきやすい分野です。毎日10分、過去問や問題集の音声を「1回目は何も見ずに聞く→2回目はスクリプトを見ながら聞く→3回目は音読」の順で回すのが基本形です。音読は、長文を読むスピードにも効いてきます。

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1〜2月:過去問と本番形式に切り替える

この時期は、新しい知識を増やすより、持っている力を落とさず出し切る段階です。志望校の過去問を時間を計って解き、時間配分・見直しの手順・記述の書き方を固めます(→高校受験の過去問はいつから?)。

英語で特に確認したいのは、大問ごとにかける時間です。長文で時間を使い切ってリスニング後の設問に手が回らない、という失点は毎年起きます。1回解くごとに「どの大問で何分使ったか」を記録すると、配分は自然に安定します。

指導事例:9月の模試で英語の偏差値が42だった中3生がいました。長文がまったく読めないというご相談でしたが、答案を見ると、原因は長文ではなくbe動詞と一般動詞の混在でした。中1の動詞に戻って2週間で基本を固め、そのうえで不定詞・動名詞を復習したところ、11月の模試で長文の正答率が上がり、英語の偏差値が50台に届きました。長文が読めない原因が長文になかったという、この時期に多い例です。(※個人の事例であり、結果を保証するものではありません)

単語は5か月ずっと——「毎日15分」を切らさない

単語だけは、期間で区切らず毎日続けます。文法も長文もリスニングも、語彙が足りないところで頭打ちになるためです。

進め方は次の3点です。

  1. 範囲を決めて回す(1日50語を1週間で7周、のように「同じ範囲を何度も」)
  2. 書いて覚えない(時間あたりの語数が少なくなります。見て・声に出して・意味が言えるかで確認する)
  3. 入試に出る形で覚える(不規則動詞は「原形→過去形→過去分詞」でセットにする)

英語の勉強法そのものは、単語・文法・音読の順番を含めて中学英語の勉強法で詳しく解説しています。

いまの得点帯別・時間配分の目安

同じ「9月から」でも、現在の得点によって配分は変わります。100点満点の英語で、直近の模試や実力テストの得点を目安にしてください。

いまの得点 9〜10月の配分 優先すること
〜40点 文法7:単語3 中1の動詞に戻る。長文は後回しで構いません
40〜60点 文法5:単語3:長文2 不定詞・動名詞・現在完了の穴を埋める
60〜80点 文法3:単語3:長文4 長文の時間配分とリスニングを早めに開始

得点が低いほど文法に寄せるのが原則です。土台がない状態で長文の量をこなしても、読めない箇所が減らないためです。

なお、英語以外の教科も含めた全体のスケジュールの立て方は、高校受験の勉強はいつから始める?で解説しています。

よくある質問(FAQ)

9月から英語を始めて、志望校に間に合いますか?

現在の得点と志望校との差によりますが、5か月あれば英語は動く教科です。特に文法の穴が原因で点が取れていない場合、戻る場所さえ正しければ次の模試から変化が出ることがあります。ただし全範囲のやり直しは時間的に不可能なので、配点の大きいところから絞る前提になります。

文法と長文、どちらを先にやるべきですか?

文法が先です。 文法が曖昧なまま長文を解いても、読めない原因を切り分けられないためです。先に文法の穴を埋めておくと、長文でつまずいたときに「単語不足」なのか「読み方」なのかが特定でき、対処が速くなります。

塾や学校の授業と、総復習をどう両立させますか?

学校で習う新しい単元(関係代名詞・分詞など)は、習った週のうちに定着させるのが原則です。あとでまとめてやり直す時間はありません。総復習は、それとは別の時間で中1の動詞から進めます。両方を同じ時間帯に詰め込まず、曜日か時間帯で分けると続きます。

リスニングはいつから始めればいいですか?

11月からで間に合いますが、毎日10分でも早く始めるほど有利です。リスニングは短期間で急に伸びる分野ではない一方、毎日続ければ確実に慣れます。音読と組み合わせると、長文を読むスピードにも効いてきます。

そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。

まとめ|9月からの英語は「絞る」ことで間に合う

中3の9月から高校受験の英語を立て直すときの要点は3つでした。

  • 5か月を3期に分ける(9〜10月=文法/11〜12月=長文とリスニング/1〜2月=過去問)
  • 文法は中1の動詞から戻る。参考書の最初から全部はやらない
  • 単語だけは全期間、毎日続ける

英語は、範囲が広いぶん「何をやらないか」を決めた子から伸びていきます。まずは手元のワークを開いて、中1の動詞の単元から確認してみてください。そこが崩れていなければ、次の単元へ進むだけです。

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英語の総復習で難しいのは、「どこから戻るか」を自分で判断することです。長文が読めない原因が文法にあるのか単語にあるのかは、答案を見ないと分かりません。1対1の家庭教師なら、直近の模試やテストの答案から戻る単元を特定し、残り5か月の配分まで一緒に決められます。

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