執筆・監修:中村 文香先生(国語・社会指導/指導歴9年・読解/記述・中学受験国語)
「なんとなく」で解いていた読解を、根拠を持って解く読み方へ変えるのが専門。
「国語だけは、どう勉強させればいいか分からない」「本を読ませても点が上がらない」「漢字はやっているのに、テストの読解でいつも落とす」——中学国語のご相談で、いちばん多いのがこの声です。
先に結論をお伝えします。中学国語は「センス(才能)」ではなく「解き方(技術)」で伸びる教科です。とくに読解は、感覚で答えを選ぶのをやめて、本文に線を引き、根拠を指さして答えるという手順を身につけるだけで、点数が安定します。国語が「勉強しても伸びない」と感じるのは、じつは分野ごとにやるべきことが違うのに、まとめて「なんとなく」対策しているからです。逆に言えば、分野を分けて、正しい手順で取り組めば、国語は他教科と同じく「やった分だけ返ってくる」得点源になります。
この記事では、①なぜ国語は「勉強しても伸びない」と感じるのか、②漢字・語彙・文法・読解・記述・古文の分野別の攻め方、③学年別(中1・中2・中3)のコツ、④定期テスト・入試での得点の伸ばし方を、順にお伝えします。
なぜ国語は「勉強しても伸びない」と感じるのか
国語が「がんばっても点が上がらない」と感じるのには、はっきりした理由が2つあります。
1つ目は、成績が上がったか下がったかが見えにくいこと。漢字テストなら「10問中8問」と数字で分かりますが、読解は「なんとなく合っていた/間違っていた」で終わりがちです。手ごたえが数字にならないため、努力の効果が実感できず、「国語はセンスだから」と諦めてしまうのです。
2つ目は、国語は分野によって対策がまったく違うのに、それを分けずに勉強していること。漢字・語彙は「毎日の積み上げ」、文法は「仕組みの理解」、読解は「根拠の探し方」、記述は「条件を満たす型」、古文・漢文は「基礎知識の暗記」——必要な勉強法が分野ごとに別物です。読書だけ、漢字だけ、をいくら繰り返しても、読解の点が上がらないのはこのためです。
つまり、国語で点を伸ばす第一歩は、「国語」とひとくくりにせず、分野ごとに分けて対策することです。とくに配点の大きい読解・記述は、才能ではなく「解き方」で差がつきます。この「分けて、順に積み上げる」考え方は、じつは他教科のつまずき対策と同じ構造です(参考:中学数学のつまずきやすい単元と“やり直す順番”)。
中学国語の勉強法|分野別の攻め方
では、具体的に何をどう勉強すればいいのか。中学国語は、漢字・語彙/文法/読解/記述/古文・漢文の分野に分けて、それぞれの「点の取り方」で対策するのが王道です。

① 漢字・語彙:毎日「少しずつ・繰り返し」が絶対
すべての土台が漢字と語彙です。言葉の意味が分からなければ、本文も設問も正確に読めません。ポイントは、一度にまとめてではなく、毎日少しずつ繰り返すこと。1日で50字を1回書くより、10字を5日繰り返すほうが定着します。
漢字は「読めるだけ」で満足せず、書いて・意味も言えるところまで。語彙は、知らない言葉が出てきたら意味を調べてノートに一言でメモし、後で見返せるようにしておくと、読解・記述の両方に効いてきます。漢字と語彙は、いちばん確実に点になる分野なので、ここを取りこぼさないことが得点の底上げになります。
② 文法:用言・品詞の「仕組み」を理解する
文法は、暗記ではなく仕組みの理解で攻めます。中学国語の文法でカギになるのは、用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と、品詞の見分けです。「この言葉は動詞か、それとも助動詞か」を、形と働きから判断できるようにします。
文法は範囲がはっきりしていて、やれば確実に点になる分野です。定期テストでは配点も安定しているので、活用表と品詞の識別を、例文とセットで押さえておきましょう。
③ 読解:本文に線を引き、「根拠」を指さして答える
国語で最も配点が大きく、そして最も「才能」と誤解されているのが読解です。しかし読解こそ、手順=解き方で点が安定する分野です。大原則は、答えは自分の気持ちではなく、必ず本文の中にあるということ。
説明文・論説文は、「筆者の主張」と、それを支える「根拠(理由・具体例)」を本文から探すのが基本です。「つまり」「しかし」「たとえば」といった接続語に印をつけ、筆者が言いたい一文に線を引きます。物語・小説文は、「心情」と「場面の変化」を、本文の描写(行動・会話・情景)を根拠に読み取ります。「悲しい」と書いていなくても、「うつむいた」「窓の外を見た」といった描写が根拠になります。
大切なのは、設問に答えるとき、必ず「本文の何行目が根拠か」を指させるようにすること。感覚で選ぶのをやめ、根拠に線を引く——これだけで、読解の正答率は大きく変わります。

④ 記述:設問の「条件」を満たす型で書く
記述問題は、白紙や部分点止まりになりがちですが、これも型で書けます。ポイントは、設問が要求している条件を、もれなく満たすこと。「なぜですか」と問われたら文末は「〜から。」、「どういうことですか」なら「〜ということ。」で結ぶ。字数指定があれば、指定の8割以上を埋める。
書き方の手順は、(1)設問の条件を確認 →(2)本文から根拠の部分を探す →(3)その根拠を、設問の形に合わせて言い換える、の3ステップです。ゼロから作文するのではなく、本文の言葉を使って、条件に合う形に組み直す——これが記述の型です。
⑤ 古文・漢文:歴史的仮名遣いと基礎単語を先に
古文・漢文は、範囲が限られている得点源です。まず歴史的仮名遣い(「ゐ→い」「けふ→きょう」など)のルールと、頻出の基礎古語(「あはれ」「をかし」「うつくし」など)を覚えれば、初見の文章でも大意がつかめるようになります。漢文は返り点(レ点・一二点)の読み方を先に押さえます。暗記中心で対策できるので、早めに手をつけておくと安定します。
国語の1回の勉強の回し方(例)
漢字・語彙(毎日少し)+ 週ごとに読解1題を「線を引く→根拠を指す→記述の型で書く」。
テスト前は、教科書本文の読み込みと、文法・古文の暗記の比率を上げます。
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学年別の勉強法|中1・中2・中3で優先することは違う
国語も、学年ごとに「守るべきポイント」が変わります。
中1:漢字と「音読」で土台をつくる
中1は、国語の土台をつくる時期です。まずは漢字・語彙を毎日の習慣にすること。あわせて、教科書本文の音読を習慣にすると、言葉のかたまりで文を読む感覚が育ち、後の読解スピードにつながります。この時期に「文章を最後まで丁寧に読む」姿勢を身につけておくと、中2以降の伸びが変わります。
中2:説明文の読解と「記述の型」を身につける
中2は、説明文・論説文が難しくなり、記述問題も増えてきます。ここで差が開くのは、根拠に線を引く読み方と、設問条件を満たす記述の型を身につけているかどうかです。感覚で解く子とのあいだに、はっきり点差がつき始めます。新しく習う文法(用言の活用など)も、例文とセットで押さえておきましょう。国語の読解力は、他教科の文章題を正しく読む力にもつながります(参考:中学英語の勉強法(単語・文法・音読の順番))。
中3:入試の記述・古文と「時間配分」
中3は、入試を意識した実戦力が問われます。記述の配点が上がり、初見の長文を限られた時間で読み解く力が必要になります。ここで大切なのは、根拠に線を引く読み方を、時間内にできるまで練習すること、そして古文・漢文を得点源として仕上げることです。入試の国語は、最後まで解き切る時間配分も合否を分けます。過去問で「どの大問に何分かけるか」を決めておきましょう。
定期テスト・入試で得点を伸ばすコツ
定期テストは「教科書本文」が最優先
中学の国語テストは、教科書で扱った本文から多く出ます。まずは教科書本文を、意味段落ごとに要点を言える状態にし、授業でやった漢字・語彙・文法・記述のポイントを押さえる。ワークを2周する。これだけで平均点は安定して超えられます。市販の問題集に手を広げるのは、その後で十分です。
入試は「初見の文章を根拠で解く」力で決まる
高校入試の国語は、授業で読んでいない初見の文章が出ます。ここで効くのが、日頃から身につけた「根拠に線を引いて解く」手順です。文章の内容を覚えるのではなく、どんな文章でも根拠を探して答える技術が問われるため、読解の解き方を練習してきた子ほど、安定して得点できます。毎日の漢字・語彙と、週ごとの読解演習の積み重ねが、そのまま入試対策になります。
指導事例:漢字テストはいつも高得点なのに、実力テストの読解だけ伸びない中2生がいました。原因を探ると、読解を「なんとなくの気持ち」で解いていたのです。そこで、「答えは必ず本文の中にある」を合言葉に、設問ごとに根拠となる一文へ線を引き、その行を指させてから答える練習に切り替えました。すると、選択肢を感覚で選ばなくなり、記述も本文の言葉を使って書けるように。数ヶ月後の実力テストで、読解が得点源に変わりました。読書量ではなく、根拠に線を引く「解き方」に切り替えたのが転機でした。(※個人の事例であり、結果を保証するものではありません)
よくある質問(FAQ)
中学国語は、どう勉強すればいいですか?
国語は「まとめて」ではなく、分野に分けて勉強するのがコツです。漢字・語彙は毎日少しずつ、文法は仕組みを理解、読解は「本文に線を引いて根拠を探す」手順、記述は「設問条件を満たす型」、古文・漢文は基礎知識の暗記——と、分野ごとに別のやり方で取り組みます。とくに配点の大きい読解は、感覚で解くのをやめ、根拠に線を引く練習をすると安定します。
読解が苦手なのは、才能(センス)がないからですか?
いいえ。読解は才能ではなく「解き方」で伸びます。答えは自分の気持ちではなく、必ず本文の中にあります。説明文なら「筆者の主張と根拠」、物語なら「心情と場面の変化」を、本文の描写を根拠にして読み取る——この手順を身につければ、感覚に頼らず安定して正解できるようになります。読書量が多くても、根拠を探す読み方をしていないと点は伸びにくいものです。
漢字は、どこまでやればいいですか?
漢字は「読めるだけ」で止めず、書けて・意味も言えるところまでが目標です。範囲を一気にやるより、毎日少しずつ繰り返すほうが定着します。漢字・語彙はいちばん確実に点になる分野なので、テストで取りこぼさないよう、日々の積み上げを習慣にしましょう。語彙は、知らない言葉が出てきたら意味を一言メモしておくと、読解・記述にも効いてきます。
記述問題は、どう書けばいいですか?
記述は「型」で書けます。まず設問の条件を確認し(「なぜ」なら「〜から。」、「どういうこと」なら「〜ということ。」で結ぶ、字数指定は8割以上)、次に本文から根拠の部分を探し、それを設問の形に合わせて言い換える、の3ステップです。ゼロから作文せず、本文の言葉を使って条件に合う形に組み直すのがポイントです。
そのほかの疑問は、よくある質問もあわせてご覧ください。
まとめ|国語は「解き方」で伸びる。今日から読解に線を引く
中学国語は、センス(才能)ではなく解き方(技術)で伸びる教科です。「国語」とひとくくりにせず、分野ごとに分けて対策するのが第一歩です。
- 漢字・語彙は毎日少しずつ繰り返し、書けて意味も言えるまで
- 文法・古文は仕組みと基礎知識を、例文とセットで押さえる
- 読解は感覚で解かず、本文に線を引いて根拠を指さして答える
- 記述は設問の条件を満たす型で、本文の言葉を組み直す
とくに配点の大きい読解は、才能ではなく「解き方」で差がつきます。今日の読解演習から、本文に線を引いて、根拠を指さす——さっそく始めてみてください。
「どこから手をつければいいか」を一緒に見つけるなら
国語の伸び悩みは、原因が一人ひとり違います。漢字・語彙なのか、文法なのか、それとも読解の「解き方」なのか——弱点の場所が違えば、やるべきことも変わります。1対1の家庭教師なら、どこでつまずいているかを正確に特定し、読解の根拠の探し方から記述の型まで、その子に合わせて手取り足取り設計できます。
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